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保釈とは?起訴後に身体拘束を解く手続と、外国籍の方の問題点

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保釈とは?起訴後に身体拘束を解く手続と、外国籍の方の問題点

保釈とは?起訴後に身体拘束を解く手続と、外国籍の方の問題点

2026/10/07

保釈とは、起訴後に勾留されている被告人が、保証金を納付することを条件に身体の拘束を解かれる制度であり、起訴前の被疑者には認められない(刑事訴訟法88条、94条、207条1項ただし書)。

総合ガイド:外国人の刑事事件ガイド(状況別の記事一覧)

この記事の要点

  • 保釈は起訴後の制度であり、起訴前に逮捕・勾留されている被疑者は請求できない。
  • 請求できるのは、被告人、弁護人、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹などである(刑事訴訟法88条1項)。
  • 除外事由がなければ保釈を許さなければならず(権利保釈、同法89条)、除外事由があっても、裁判所が相当と認めれば許されることがある(裁量保釈、同法90条)。
  • 外国籍の方は、逃亡のおそれの判断や保証金の準備が問題になりやすく、保釈で釈放されても入管の手続が別に進む場合がある。

保釈とは何か?

保釈とは、起訴された後に勾留されている被告人が、保証金を納付して、身体の拘束を解かれる制度である。

保釈を許す決定は、保証金の納付があった後でなければ執行できない(刑事訴訟法94条1項)。保釈されると釈放されるが、裁判は続き、有罪・無罪の判断や刑の重さが決まるわけではない。

保釈はいつ、誰が請求できるのか?

保釈を請求できるのは起訴後であり、被告人本人のほか、弁護人や家族なども請求できる。

請求権者は、被告人、弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹である(刑事訴訟法88条1項)。家族が中国にいる場合も、請求権者に含まれる。起訴前の被疑者については、保釈の制度は適用されない(同法207条1項ただし書)。

時期ごとの身体拘束の解き方
時期保釈根拠
起訴前(逮捕・勾留中)制度がない。勾留に対する準抗告や取消請求で争う刑事訴訟法207条1項ただし書
起訴後、判決の前請求できる同法88条
拘禁刑以上の判決の宣告後保釈は効力を失い、新たな決定がなければ収容される。保釈を許すには、より厳しい判断がされる同法343条、344条
全部執行猶予の判決勾留状が効力を失い、釈放される同法345条

保釈が認められる条件は何か?

次の除外事由のいずれにも当たらなければ、保釈を許さなければならず(権利保釈)、当たる場合でも、裁判所が相当と認めれば許されることがある(裁量保釈)。

刑事訴訟法89条は、保釈の請求があったときは、次の場合を除いて、これを許さなければならないと定める。条文上、逃亡のおそれは除外事由に挙げられていない。

除外事由がある場合でも、裁判所は、逃亡や罪証隠滅のおそれの程度のほか、身体の拘束により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上、防御の準備上の不利益の程度などを考慮して、適当と認めるときは職権で保釈を許せる(同法90条)。否認している事件では、罪証隠滅のおそれの判断が争点になりやすい。

  • 死刑又は無期若しくは短期1年以上の拘禁刑にあたる罪を犯したとき(1号)
  • 前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える拘禁刑にあたる罪で有罪の宣告を受けたことがあるとき(2号)
  • 常習として長期3年以上の拘禁刑にあたる罪を犯したとき(3号)
  • 罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき(4号)
  • 被害者や証人、その親族に害を加え、又は畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき(5号)
  • 氏名又は住居が分からないとき(6号)

保釈保証金とは何か?

保釈保証金とは、被告人が裁判に出頭することを担保するために納める金銭であり、金額は事案ごとに裁判所が定める。

保証金の額は、「犯罪の性質及び情状、証拠の証明力並びに被告人の性格及び資産を考慮して、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額」でなければならない(刑事訴訟法93条2項)。一律の金額はない。

保証金は、請求者以外の者が納めることも許される(同法94条2項)。また、裁判所が適当と認めるときは、有価証券や、被告人以外の者が差し出した保証書で代えることもできる(同条3項)。保釈が取り消されて没取されない限り、納めた保証金は返還される。

保釈中に守るべき条件と、取消しになる場合は?

保釈には、住居の制限などの条件が付き、違反すると保釈が取り消され、保証金の全部又は一部が没取されることがある。

裁判所は、保釈を許す場合、被告人の住居を制限し、その他適当と認める条件を付けることができる(刑事訴訟法93条3項)。保釈の取消しの事由は、同法96条1項に挙げられており、取り消す場合には保証金を没取できる(同条2項)。

保釈が認められなかった場合は、状況が変われば改めて請求できる。請求の回数に、条文上の制限は置かれていない。却下の決定に対しては、抗告もできる(同法420条2項)。勾留が不当に長くなったときは、勾留の取消しや保釈を求めることもできる(同法91条)。

  • 召喚を受けながら、正当な理由なく出頭しないとき
  • 逃亡したとき、又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき
  • 罪証を隠滅したとき、又は隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき
  • 被害者や証人、その親族に害を加え、又は畏怖させる行為をしたとき
  • 住居の制限その他、裁判所の定めた条件に違反したとき

外国籍の方が保釈で直面しやすい問題は何か?

外国籍の方では、逃亡のおそれの判断、保証金の準備、入管手続との関係の3点が、特に問題になりやすい。

第1に、逃亡のおそれである。裁量保釈の判断では逃亡のおそれの程度が考慮されるため(刑事訴訟法90条)、日本での住居、仕事、家族、在留資格の状況、身元を引き受ける人の有無などを、資料で示すことが重要になる。旅券の取扱いなどが条件として検討される場合もある。

第2に、保証金の準備である。納付者は請求者以外でもよく(同法94条2項)、海外の家族が準備する場合も考えられるが、送金に日数を要することがあるため、早めに弁護人に相談する。

第3に、入管手続である。退去強制事由に該当すると疑われる場合、入管は、容疑者を収容するか監理措置に付すかを審査する(入管法39条2項、44条の2)。刑事手続が行われていても、入管は退去強制の手続を進めることができる(同法63条1項)。保釈で釈放されても、入管の手続が別に進む場合がある。

外国籍の方は在留資格にどう影響するのか?

保釈は身体拘束を解く手続であり、在留資格そのものを左右しないが、判決の結果によっては、退去強制事由に該当する可能性がある。

入管法24条4号リは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者(刑の全部の執行猶予の言渡しを受けた者などを除く)を退去強制の対象とする。同号チ(薬物関係法令違反による有罪判決)は、罰金や執行猶予でも対象となる。判決の内容と在留資格の関係は、事件ごとに異なる。

保釈中に再び罪を犯したり、条件に違反したりすれば、保釈が取り消され、判決でも不利に働くおそれがある。在留期間が保釈中に満了する場合は、更新の手続(同法21条)も忘れずに検討する必要がある。

弁護士に相談すべきタイミングはいつか?

保釈は起訴後でなければ請求できないが、住居や身元を引き受ける人、保証金の準備には時間がかかるため、起訴前から弁護士に相談して準備するのが望ましい。

被告人の配偶者、直系の親族、兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任できる(刑事訴訟法30条2項)。家族が中国にいる場合も、微信などで連絡を取って依頼できる。

弁護士を選ぶ際は、次の点が確認の目安になる。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区、弁護士松村大介・第一東京弁護士会)は、中国語での相談に対応しており、専属通訳が常駐し、中国律師も在籍している。外国人の刑事事件と入管手続(在留特別許可・退去強制)を扱っている。

  • 中国語で直接説明を受けられるか。
  • 刑事事件と入管手続の両方を扱っているか。
  • 保釈の見通しとリスクを、断定せずに説明してくれるか。

よくある質問

起訴前でも保釈は請求できますか。

できない。保釈は起訴後の制度であり、起訴前の被疑者には適用されない(刑事訴訟法207条1項ただし書)。起訴前は、準抗告や勾留の取消請求などで勾留を争う。

保釈されれば、裁判は終わりますか。

終わらない。保釈は身体拘束を解く手続であり、裁判は続く。判決では、保釈中の状況も考慮され得る。

保釈保証金はいくらですか。

一律の金額はない。犯罪の性質及び情状、証拠の証明力、被告人の性格及び資産などを考慮して、裁判所が定める(刑事訴訟法93条2項)。保釈が取り消されて没取されない限り、返還される。

家族が中国にいても、保釈を請求できますか。

請求権者に配偶者、直系の親族、兄弟姉妹が含まれる(刑事訴訟法88条1項)。実際の手続は弁護人が行うため、微信などで連絡を取りながら進めることが考えられる。

保釈で釈放された後、入管に収容されることはありますか。

退去強制事由に該当すると疑われる場合は、入管が収容するか監理措置に付すかを審査する(入管法39条2項、44条の2)。個別の事情による。

根拠条文・出典

  • 刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)88条、89条、90条、91条、93条、94条、95条、96条、207条1項、30条2項、343条から345条まで、420条2項(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/)
  • 出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)21条、24条4号リ・チ、39条、44条の2、63条1項(e-Gov法令検索)
  • 刑事訴訟法30条2項(弁護人の独立選任権者)(e-Gov法令検索)
  • 刑事訴訟法343条から345条まで(判決宣告後の保釈の効力、勾留状の失効)(e-Gov法令検索)

ご相談について

ご家族が逮捕された、警察から呼び出しを受けた、という場合は、早い段階でご連絡ください。中国語でのご相談に対応しています(専属通訳が常駐)。微信(WeChat)ID:matsumura1119。中国人の刑事事件|刑事事件と在留資格|お問い合わせ

最終更新:2026年10月7日 執筆:弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077) 舟渡国際法律事務所(東京都豊島区) 微信ID:matsumura1119

本記事は一般的な法律情報であり、個別の事案の結論は具体的な事情によって異なる。

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