先例なき問題に、理論で挑む
Staff
FUNADO INTERNATIONAL LAW OFFICE
代表弁護士 松村 大介
第一東京弁護士会所属|法務博士(専門職)・慶應義塾大学法科大学院修了
勝ち筋は、きっとある。

異なる言語や文化を背景に持つご依頼者様にとって、法律問題はときに、人生そのものを揺るがす不安を伴います。私は、そうした想いに真正面から向き合い、憲法が保障する適正手続(31条)と裁判を受ける権利(32条)を出発点に、最先端の行政法理論を駆使して弁護にあたります。
「前例がない」という言葉で、依頼者の権利が切り捨てられてよいはずがありません。不法就労助長を理由とする退去強制処分の違法性を最高裁で追及し、行政指導とされ司法審査の対象外とされてきたストーカー規制法の警告についても、その取消しを求めて争いました。大阪高裁は、警告が銃砲刀剣類所持等取締法上の欠格事由と結びつけられている点に着目し、警告に法的効力が生じることを認めています。この事件で立てた「警告の処分性」という論点は、その後、重要判例解説・法学教室をはじめとする学術誌で取り上げられ、実務と学説の双方に一石を投じています。
困難な事件ほど、緻密な理論と徹底した立証が力を発揮します。依頼者の困難の中に潜む「理論的空白」を発見し、それを埋める主張を構築して法廷で闘い抜くこと。それが、当事務所の弁護の流儀です。
こうした活動から、「現代の弁護士像 社会を支えるプロフェッショナル達」の第1弾にも取り上げていただきました。
舟渡国際法律事務所 代表弁護士 松村 大介
歩み(実務に一石を投じてきた軌跡)
- 覚醒剤取締法違反事件 有罪率99%超とされる日本の刑事裁判において、一部無罪判決を獲得。
- ストーカー規制法4条1項に基づく文書警告 行政指導として司法審査の外に置かれてきた文書警告について、その取消しを求めて出訴。大阪高裁(令和6年6月26日判決)は、警告が銃砲刀剣類所持等取締法上の欠格事由と結びつけられている点に着目し、警告に法的効力が生じることを認めた。訴え自体は却下され、上告受理申立ては不受理となったが、この事件で立てた「警告の処分性」という論点は、その後、重要判例解説・法学教室・社会志林・判例地方自治といった学術誌において取り上げられ、検討の対象となっている。実務と学説の双方に一石を投じた事件である。
- 退去強制処分取消訴訟 「行政処分に過失は不要」という従来の常識に正面から立ち向かい、人生を根こそぎ奪う退去強制という処分の重大性に鑑みれば、刑罰に準じて責任主義(憲法31条)の保障が及ぶべきことを力強く立論。行政裁量の壁に最高裁まで挑み、争い抜いた後、入管から在留特別許可が認められる。
- メディア掲載 共同通信・毎日新聞・週刊文春・弁護士ドットコムニュース・弁護士JP・NHK「未解決事件」(取材協力)など、多数の取材・掲載。
- 「現代の弁護士像 社会を支えるプロフェッショナル達」 第1弾に選出。
代表メッセージ
Message
弁護士 松 村 大 介
第一東京弁護士会所属。慶應義塾大学法科大学院修了(法務博士・専門職)。外国人(とりわけ中国人)の刑事弁護と入管(退去強制・在留特別許可)事件を中心に、憲法理論・行政法理論に基づく訴訟活動を展開する。覚醒剤取締法違反事件における一部無罪判決、ストーカー規制法の警告に法的効力を認めた大阪高裁判決(研究者評釈掲載)など、先例の乏しい領域に正面から挑んできた。
その活動は、共同通信・毎日新聞・週刊文春・弁護士ドットコムニュース・弁護士JPなど多数のメディアで取り上げられている。中国語での法律情報の発信を日本語と併せて日々続けており、在日中国人コミュニティおよび中国本土のご家族からの相談に、微信(WeChat)を通じて直接応じている。
松村大介弁護士の弁護方針
依頼者のために本気で戦ったら、それが人権派になる。「人権派弁護士」を名乗って事件を選んできたわけではない。目の前の依頼者の「おかしい」という一言を、最後まで本気で受け止める。それを続けた結果として、これまでの判例や行政の運用、ときには法律そのものを乗り越えなければならない場所に、いつも行き着いた。
特別な人間などいない
私が長く学んできた東洋の人間観では、人は、引力・守備・攻撃・伝達・習得という五つの本能でできているとされる。人と結びつきたい、身を守りたい、押し返したい、伝えたい、知りたい。人の悩みは、突き詰めればこの五つのいずれかから生まれる。だとすれば、悩みを抱えていることは、弱さでも過ちでもなく、その人が人間であることの証しにほかならない。だから、罪に問われた人と向き合うとき、その人を特別な人間だとは考えない。行き着いた先が違っただけで、出発点は誰しも同じである。その出発点を、法廷に伝わる言葉へ組み立て直す。それが弁護人の仕事である。
原点は、依頼者の素朴な訴え
法律家は、依頼者の「おかしい」という感覚を「法律上は成り立たない主張」として切り捨てる。当事務所は、その感覚に対応する法的構成が本当に存在しないのかを、徹底的に探す。探してみれば、依頼者の感覚のほうが正しい。正しいのに救済されないのは、論理が誤っているからではない。これまでの前例が、その訴えを受け止める器を持っていないからである。
前例は、乗り越えるためにある
判例も通説も、それ自体で正しさが保証されているわけではない。判例の事案と射程、批判説の有無、条文の立法目的、国会会議録に残された立法者の意思まで遡って検証する。そして最後の拠り所は、いつも憲法である。適正手続、責任主義、比例原則、法の下の平等。これらの憲法的価値は、下位法令の解釈を縛る基準でなければならない。「前例がない」ことは、依頼者に不利な事情ではない。新しい解釈を打ち立てる機会である。法廷で相手を動かすのは、声の大きさではない。この緻密さである。
三つの事件が示すもの
ストーカー規制法の文書警告事件では、「法的な効力はない」とされてきた警告について、複数の行政法学者の意見書と立法過程の分析を積み上げ、令和6年6月26日、大阪高等裁判所に警告の法的効力を認めさせた。処分性そのものは否定されて訴えは却下されたが、この論点はその後、複数の学術誌で検討の対象となっている。
不法就労助長事件では、履歴書を受け取ったにすぎない立場の方が退去強制の危機に立たされた。制裁的な行政処分が成立するには過失を要するという理論を立て、「責任なければ罰なし」という刑事法の原則を行政処分の領域にも及ぼすべきことを主張している。
助産師の性別制限の問題では、平成13年改正で解禁が見送られた根拠が職能団体の意向と心理的な抵抗感にすぎないことを明らかにし、憲法14条1項・22条1項に反する制度として正面から問う準備を進めている。
いずれの事件でも、依頼者の希望は、前例を乗り越えなければ実現しなかった。
声を上げにくい人の権利こそ、正面から代弁する
依頼者には、日本で暮らす外国の方が多い。社会の中で声を上げにくい立場にある人ほど、前例の壁に正面からぶつかる。前例がその人の訴えを受け止める器を持っていないのなら、その器を作り直すところまで踏み込む。
違法な行政と、正面から戦う
行政訴訟が勝ちにくいのは、行政が常に正しいからではない。勝ちにくいからこそ、役所が安心して違法を重ねてきた結果である。行政が相手だから、前例があるから、判例がこうだから。それは、依頼者の前であきらめてよい理由には一切ならない。1%でも可能性があるなら、全力で受けて立つ。
本気で戦えば、必ず前例の壁にぶつかる。その壁を憲法論と行政法理論を武器に乗り越えれば、その成果は一人の依頼者を超えて、同じ境遇にあるすべての人の救済につながる。原点は、いつでも依頼者の希望である。
学歴
2017年3月 慶應義塾大学法科大学院(法務博士(専門職)) 修了
2018年12月 最高裁判所司法研修所 入所
2019年12月 弁護士登録(第一東京弁護士会)
2019年12月 ベリーベスト法律事務所 入所
2023年10月 信永中和法律事務所(現・舟渡国際法律事務所) 開設
2025年11月 TIAM CLINIC GINZA・アドバイザー 就任
著書・論文
新日本法規出版『最新 取締役の実務マニュアル』(第一東京弁護士会新進会 編・加除式、2007年初版) 追録執筆に参加
2025年11月 岩波書店・世界「ストーカー対策最前線」(取材協力)
2026年1月 阿部泰隆「違法行政を粉砕するー兵隊弁護士20年の奮闘の軌跡」(協力)
主な解決実績
弊所では、社会の耳目を集める数々の難関事件や従来の実務を乗り越える先進的な訴訟を手掛けています。その一例をご紹介いたします。これらの案件は実務に一石を投じたものも少なくありません。今後も社会問題に鋭く切り込んで参ります。
覚醒剤取締法違反等被告事件(令和7年1月28日東京地判)
共謀への関与を否定し、起訴内容の一部について無罪の判決が下されました。
窃盗刑事告訴事件
卸売業を経営されているクライアント様が取り込み詐欺の被害に遭われた事案で、刑事告訴に踏み切った結果、被害額を大幅に超える7500万円の解決金を得ることに成功しました。
侮辱刑事告訴事件
国境を越えたSNSでの侮辱被害に対し、日本の警察と国際刑事警察機構(インターポール)の協力による捜査が行われ、刑事告訴が受理されるという結果に至りました。特に刑事告訴に関しては豊富な実績があります。
警告処分取消等請求控訴事件(令和6年6月26日大阪高等裁判所判決、興津征雄・法学教室534号124頁等)
事実無根のストーカー規制法に基づく文書警告に対し、取消を求めて訴訟を提起しました。従来は行政指導とされ訴訟の対象外でしたが、法の構造等を緻密に分析し、これは司法審査の対象となる行政処分であると主張しています。これまで法的効力がないとされてきた実務上の解釈に対し、警告が持つ法的な効果を認めた判決です。
仮領置処分審査請求事件(令和8年5月11日茨城県公安委員会裁定)
事実無根のストーカー警告を主たる根拠としてなされた銃砲刀剣類所持等取締法11条8 項に基づく仮領置処分について、審査請求を提起。当方が代理人として令和6年に大阪高裁 で獲得したストーカー警告の法的効力を認める判決、札幌地判令和3年12月17日、東京地 判平成30年3月30日を主軸に、銃刀法の立法趣旨、適正手続(憲法31条)、財産権 (憲法29条)の各観点から処分の違法性を体系的に論証した結果、審査請求書提出からわ ずか9日で処分撤回・銃砲返還の裁定を獲得しました。
株主総会決議不存在、代表取締役地位確認等請求事件
クライアントの海外滞在中、その不在を狙って行われた虚偽の株主総会決議に基づき、代表取締役を解任された事案です。当方は決議の不存在を主張して提訴し、一審(東京地裁)、二審(東京高裁)ともに勝訴しました。
ストーカー規制法違反損害賠償請求事件
長きにわたるストーカー被害について、依頼者の代理で交渉を行い、1000万円もの高額な解決金を獲得しました。
不法就労助長違反認定処分取消請求控訴事件
身に覚えのない罪により強制退去を迫られた女性を弁護しています。本人の意図に関わらず処分が可能とされてきた従来の運用に真っ向から異議を唱え、「行政処分であっても過失が必要である」との立論を行い、その妥当性を法廷で徹底的に追及しています。
聖徳太子旧1万円札偽造行使事件
中国国内で多発する聖徳太子旧1万円札の偽造紙幣の行使事件について、実刑10年のリスクを回避し、不起訴処分を獲得しました。
留置施設スキンケア解禁事件
従来否定されていた警視庁留置施設でスキンケアをする権利について警視庁と対決し、解禁させました。
メディア掲載
弊所の展開する先進的な案件は、数多くのメディアで取り上げられています。
2023年10月
弁護士JP
ストーカー行為への警察による「文書警告」めぐる裁判 「処分性」の有無が争点となった理由
2024年7月
弁護士JP
覚えがないのに警察から“ストーカー扱い”され、法的救済の手段は「なし」!? 他人事ではない「ストーカー規制法の盲点」【弁護士解説】
2024年8月
弁護士ドットコムニュース
「裁判所は何のために存在しているのか」代理人が批判 「ストーカーは事実無根」訴えが門前払いされた理由
2024年9月
弁護士JP
“甲子園優勝校”、“クルド人”…相次ぐ「ヘイトスピーチ」を法律で規制するのはありか?
2024年9月
週刊文春オンライン
「無資格者が麻酔行為」美容大手・東京中央美容外科(TCB)で、ヤバすぎる医療行為が発覚!「表に出たらマズい」《厚労省は「違法」と通達》
2024年11月
共同通信社、山口新聞、神戸新聞、熊本日日新聞
「ストーカー扱い取り消して 警告女性訴え、最高裁審理」
2024年12月
弁護士ドットコムニュース
「ストーカーは事実無根」警告の違法性うったえた国賠訴訟は請求棄却 奈良地裁
2024年12月
共同通信社
「一緒になりたい」と言われていたのに、気付けば「ストーカー」扱い 相手の言い分をうのみ?法律を“悪用”されても取り消せない「警告」、いったいなぜ
2025年5月
弁護士ドットコムニュース
「桶川の教訓が活かされず無念」川崎の女性遺体事件にみるストーカー規制法の「弱点」とは?
2025年5月
毎日新聞
障害者差別を考える 合理的配慮なく夢断念 東北大法科大院 発達障害の男性退学
2025年6月
弁護士JP
“川崎女性殺害”を防げなかった「ストーカー規制法」の"欠陥"とは? 警察が動かない…「警告制度」運用不全の現状を弁護士が批判
2025年7月
毎日新聞
不法就労助長、落ち度なくても強制送還? 入管法の「不可解」な定め
2025年9月
川崎ストーカー殺人、繰り返される悲劇に「現場の意識改革が急務」 神奈川県警の報告書を弁護士が読み解く
2026年1月
未解決事件 File.12「ストーカー殺人 なぜ繰り返されるのか」(取材協力)
2026年5月