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示談とは?不起訴・量刑への影響と、被害者と連絡が取れない場合

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示談とは?不起訴・量刑への影響と、被害者と連絡が取れない場合

示談とは?不起訴・量刑への影響と、被害者と連絡が取れない場合

2026/10/07

示談とは、加害者と被害者が、被害の賠償や謝罪について話し合って合意する民事上の解決であり、刑事手続では、起訴猶予の判断(刑事訴訟法248条)や量刑において、犯罪後の情況として考慮され得る。

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この記事の要点

  • 示談は、手続が法律で一律に定められた制度ではなく、被害者の意思に基づく合意である。成立しても、不起訴や刑の軽減が約束されるわけではない。
  • 起訴前は起訴猶予の判断に、起訴後は量刑に影響し得る。親告罪では、公訴の提起前に告訴が取り消されれば起訴は難しくなる(刑事訴訟法237条1項)。
  • 被害者と連絡が取れない場合、本人や家族が探して接触することは避け、弁護人を通じて捜査機関に被害者の意向を確認してもらう。応じてもらえない場合の代替策は、事案による。
  • 外国籍の方は、示談により不起訴や罰金・執行猶予にとどまれば、拘禁刑の実刑を前提とする退去強制事由を避けられる場合がある。示談自体が在留資格を保証するわけではない。

示談とは何か?

示談とは、被害者との間で、損害の賠償や謝罪、今後の取扱いを合意して解決することをいい、刑事事件では被害弁償と一体で進められることが多い。

被害者は加害者に対し、民事上、損害賠償を請求できる。示談は、この賠償の金額や支払方法を決め、あわせて、被害者が加害者を許すか(宥恕)、被害届や告訴をどう扱うかを取り決めるものである。

示談は、刑事訴訟法などに手続が一律に定められた制度ではなく、被害者の意思に基づく合意である。被害者が応じなければ成立しない。

示談は不起訴や量刑にどう影響するのか?

示談や被害弁償は、起訴前は起訴猶予の判断で、起訴後は量刑で、有利な事情として考慮され得るが、結論は事案による。

起訴猶予を定める刑事訴訟法248条は、「犯罪後の情況」を考慮要素に挙げている。被害の回復や被害者の処罰感情は、この情況の中心的な事情になり得る。起訴後は、裁判所が情状として考慮し、刑法66条は「犯罪の情状に酌量すべきものがあるときは、その刑を減軽することができる」と定めている。

重大な事件や被害が大きい事件、同種の前科がある事件では、示談があっても起訴される場合がある。逆に、被害者が賠償を受け取り、処罰を求めない意思を示している場合は、有利に働くことが多い。

段階ごとの示談の意味
段階示談の主な意味根拠
起訴前(捜査段階)犯罪後の情況として、起訴猶予の判断で考慮され得る刑事訴訟法248条
親告罪公訴の提起前に告訴が取り消されれば、起訴は難しくなる刑事訴訟法237条1項
起訴後(公判)被害回復の状況が、量刑で考慮され得る刑法66条
執行猶予の判断情状の1つとして考慮され得る刑法25条1項

示談書にはどのような内容を書くのか?

示談書には、賠償の内容に加えて、被害者の意思と事件の取扱いを、双方が確認できる形で明記するのが通常である。

宥恕の文言や、被害届・告訴を取り下げるかどうかは、被害者の意思に基づくものであり、弁護人が求めても書けない場合がある。被害者が中国語を使う場合は、中国語の書面を用意し、内容を理解してもらったうえで署名してもらう。

起訴後には、被告人と被害者が民事上の争いについて合意したときに、その合意を公判調書に記載してもらう制度がある(犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律19条)。

  • 当事者の特定と、事実の確認・謝罪
  • 示談金の額、支払方法、支払期限
  • 宥恕(許す意思)や、処罰を求めない意思の有無
  • 被害届・告訴の取下げや取消しの有無
  • 今後の接触禁止、口外禁止
  • 清算条項(ほかに債権債務がないことの確認)

被害者と連絡が取れない場合はどうするのか?

加害者側が自力で探したり接触したりすることは避け、弁護人を通じて捜査機関に被害者の意向を確認してもらうのが基本であり、示談ができない場合は別の方法で被害回復と反省の姿勢を示す。

被害者の連絡先は、捜査機関が把握している。弁護人は、検察官や警察を通じて、被害者に示談交渉の意向があるかを確認してもらう。多くの場合、被害者が同意すれば連絡先が伝えられ、同意しなければ交渉できない。

本人や家族が被害者に直接連絡したり、知人を通じて接触したりすることは、威圧と受け取られかねない。被告人については、被害者への威迫や罪証隠滅のおそれが認められると、保釈の取消事由にもなり得る(刑事訴訟法96条1項3号・4号)。

被害者が受け取りを拒む場合の方法として、民法494条の弁済供託がある。同条は、債権者が弁済の受領を拒んだとき、又は受領できないときに、弁済者が目的物を供託できると定めている。ただし、供託が示談と同じ評価を受けるとは限らず、利用できるかは債務の内容による。

被害者が示談を拒んでいる場合や、被害者が特定できない事件では、公益団体への寄付(贖罪寄付)を反省の表れとして示す例もある。法律上の根拠がある制度ではなく、どの程度評価されるかは事案による。

示談交渉で注意すべきことは何か?

示談交渉は、弁護人を通じて行い、被害者の意思を尊重し、本人や家族が直接動かないことが基本である。

示談を急ぐあまり、被害者に供述の変更を求めるような働きかけをすると、かえって罪証隠滅を疑われ、不利になるおそれがある。

  • 本人や家族は、被害者に直接連絡しない。
  • 供述を変えることと引換えに示談を持ちかけない。
  • 示談金の準備に時間を要する場合(海外からの送金など)は、早めに弁護人に伝える。
  • 示談書は、双方が理解できる言語で作成し、原本を保管する。

外国籍の方は在留資格にどう影響するのか?

示談そのものが在留資格を守る手続ではないが、示談により不起訴や罰金・執行猶予にとどまれば、拘禁刑の実刑を前提とする退去強制事由を避けられる場合がある。

入管法24条4号リは、無期又は1年を超える拘禁刑に処せられた者(刑の全部の執行猶予の言渡しを受けた者などを除く)を退去強制の対象としている。示談が不起訴や執行猶予などの結果につながれば、この事由に当たる事態を避けられる可能性がある。

ただし、同号チ(薬物関係法令違反による有罪判決)は罰金や執行猶予でも対象となり、不法就労助長(同条3号の4)のように刑事処分を要件としない事由もある。被害者のいない薬物事件では、示談という手段自体がない。

在留期間の更新(入管法21条3項)や在留特別許可(同法50条5項は「素行」を考慮要素に挙げる)でも、被害回復に努めた事情は、有利な事情として主張できる場合がある。

弁護士に相談すべきタイミングはいつか?

示談は、検察官が処分を決める前に成立させる意味が大きいため、事件を知った直後に相談するのが望ましい。

逮捕・勾留された場合、勾留期間は最長20日である(刑事訴訟法208条)。この間に被害者の意向確認から示談書の作成まで進める必要があり、準備は早いほど選択肢が広がる。

弁護士を選ぶ際は、次の点が確認の目安になる。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区、弁護士松村大介・第一東京弁護士会)は、中国語での相談に対応しており、専属通訳が常駐し、中国律師も在籍している。外国人の刑事事件と入管手続(在留特別許可・退去強制)を扱っている。

  • 中国語で直接説明を受けられるか。
  • 被害者への連絡を、弁護人として適切に行ってもらえるか。
  • 刑事事件と入管手続の両方を見据えて助言してくれるか。
  • 見通しとリスクを、断定せずに説明してくれるか。

よくある質問

示談金に相場はありますか。

一律の相場はない。被害の内容や程度、被害者の事情、事案の性質によって異なる。金額の目安は、事件の内容を確認したうえで弁護人と検討する。

示談が成立すれば前科はつきませんか。

起訴前に示談が成立し、不起訴となれば、有罪判決が出ないため前科はつかない。ただし、示談があっても起訴されることがあり、起訴後に示談が成立しても有罪判決となる場合はある。

被害者が示談を断ったらどうなりますか。

示談は被害者の同意が前提であり、断られた場合は成立しない。その場合も、反省の姿勢、被害弁償の意思、再発防止策などを示すことで、検察官や裁判所の判断で考慮される余地がある。結論は事案による。

被害者が中国にいる、または連絡先が分からない場合はどうしますか。

自分で探そうとせず、弁護人を通じて捜査機関に意向を確認してもらう。受け取りを拒まれた場合の弁済供託(民法494条)や寄付など代替策もあるが、評価は事案による。

家族が被害者と話をしてもよいですか。

避けた方がよい。直接の働きかけは威圧と受け取られるおそれがある。家族は、独立して弁護人を選任できる(刑事訴訟法30条2項)ので、弁護人を通じて進める。

根拠条文・出典

  • 刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)248条、237条1項、96条1項、208条、30条2項(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/)
  • 刑法(明治40年法律第45号)66条、25条1項(e-Gov法令検索)
  • 民法(明治29年法律第89号)494条(e-Gov法令検索)
  • 犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律(平成12年法律第75号)19条(e-Gov法令検索)
  • 出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)21条3項、24条(3号の4、4号リ・チ)、50条5項(e-Gov法令検索)

ご相談について

ご家族が逮捕された、警察から呼び出しを受けた、という場合は、早い段階でご連絡ください。中国語でのご相談に対応しています(専属通訳が常駐)。微信(WeChat)ID:matsumura1119。中国人の刑事事件|刑事事件と在留資格|お問い合わせ

最終更新:2026年10月7日 執筆:弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077) 舟渡国際法律事務所(東京都豊島区) 微信ID:matsumura1119

本記事は一般的な法律情報であり、個別の事案の結論は具体的な事情によって異なる。

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