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家族が日本で逮捕されたとき、弁護士に何を依頼できるのか

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家族が日本で逮捕されたとき、弁護士に何を依頼できるのか

家族が日本で逮捕されたとき、弁護士に何を依頼できるのか

2026/10/07

家族が逮捕された場合、弁護士には、本人との接見、取調べや調書への助言、示談、勾留への対応、在留資格の見通しの確認などを依頼でき、配偶者・直系の親族・兄弟姉妹は本人とは独立して弁護人を選任できる(刑事訴訟法30条2項)。

総合ガイド:外国人の刑事事件ガイド(状況別の記事一覧)

この記事の要点

  • 弁護士は、立会人なく被疑者と接見できる(刑訴39条1項)。家族の面会が制限される場合でも、本人の状況を確認する手段になる。
  • 取調べでの供述や調書への署名について、事前に助言を受けられる(刑訴198条)。
  • 被害者がいる事件では示談を検討でき、示談は検察官が起訴するかどうかを判断する事情の1つになり得る(刑訴248条)。
  • 外国籍の場合は、刑事処分の結果が在留資格に及ぼす影響まで、あわせて確認しておく必要がある。

家族が逮捕されたとき、弁護士に依頼できる主な内容は何か

接見、取調べへの助言、示談、勾留への対応、在留資格の見通しの確認が主な内容であり、事件の内容によって重点は変わる。

依頼できる内容を整理すると、次のとおりである。どれを優先するかは、罪名、本人の認否、被害者の有無、在留資格の種類によって異なる。

弁護士に依頼できる主な内容
依頼内容具体的な内容関係する規定
接見立会人なく本人と面会し、状況を確認する刑訴39条1項
取調べへの助言黙秘権や調書への署名の扱いを説明する刑訴198条、憲法38条1項
示談被害者と連絡をとり、示談を検討する刑訴248条
勾留への対応意見書の提出、準抗告、勾留取消しの請求刑訴429条1項2号、87条
在留資格の見通し処分結果ごとの入管法上の影響を確認する入管法24条、50条1項

接見では、弁護士は何をしてくれるのか

接見では、事実関係の聴取、権利の説明、取調べへの助言、家族への伝言の確認などが行われる。

弁護士は、身体を拘束された被疑者と立会人なく接見できる(刑訴39条1項)。接見の日時や場所は捜査機関が指定する場合があるが、被疑者の防御の準備を不当に制限するものであってはならない(同条3項)。

日本語に不自由な本人とは、通訳を介して接見する必要がある。母語で正確に状況を聞き取り、黙秘権や弁護人選任権、調書の扱いを説明することが、最初の接見の中心になる。

家族の面会は、逮捕直後には認められない場合があり、接見等禁止の決定があるときは弁護人以外とは面会できない場合もある(刑訴81条、207条1項)。そのため、弁護士を通じて本人の様子を把握する意味は大きい。

取調べや調書について、弁護士はどのような助言をするのか

黙秘権の内容、調書の確認方法、署名を拒否できることなどを、取調べの前に説明する。

被疑者には、自己の意思に反して供述をする必要がないことが取調べの前に告げられる(刑訴198条2項)。調書は、被疑者に閲覧させるか読み聞かせて誤りがないかを問い、増減変更の申立てがあればその供述を記載することとされ、署名押印は求められるが拒絶もできる(同条4項・5項)。

外国人に対する取調べでは、日本語に通じない場合は通訳人を介して行うのが原則である。ただし、現行犯逮捕など直ちに通訳人を付けることが困難なときは例外がある(犯罪捜査規範233条1項)。通訳の内容に疑問があるときの対応を、本人に事前に伝えておくことも弁護士の役割になる。

示談は、弁護士に任せられるのか

被害者のいる事件では、弁護士を通じて示談を検討できる。ただし、示談が成立しても結果が確定するわけではない。

検察官は、犯人の性格・年齢・境遇、犯罪の軽重・情状、犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる(刑訴248条)。示談の成否は、この判断の際に考慮される事情の1つになり得る。

被害者に連絡をとるときは、被害者の心情や安全への配慮が欠かせない。家族が直接接触すると、かえって問題が生じるおそれがあるため、弁護士を通じて進める方法が考えられる。示談の可否や内容は、被害者の意向と事件の内容による。

勾留を争う手続も、弁護士にできるのか

勾留の判断前の意見書提出、勾留決定後の準抗告、勾留の取消しの請求が考えられる。

勾留の判断は、逮捕から72時間以内に行われる(刑訴205条)。この間に、住居や身元、家族関係など、逃亡や罪証隠滅のおそれを否定する事情を、弁護人が資料として示すことが考えられる。

勾留決定に不服があるときは、準抗告で取消しまたは変更を請求できる(刑訴429条1項2号)。勾留の理由や必要がなくなったときは、勾留の取消しを請求できる(刑訴87条、207条1項)。いずれも、認められるかどうかは個別事情による。

外国籍の方は、刑事事件の結果で在留資格にどう影響するのか

処分の種類や刑の内容によっては退去強制の対象となる場合があるため、刑事弁護と並行して在留面の見通しを確認する必要がある。

退去強制の対象となる外国人について刑事手続が行われているときは、入管当局は収容しない場合でも退去強制の手続を進めることができる(入管法63条1項)。刑事事件の結果が、入管手続の前提になる。

在留の更新は、法務大臣が適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り許可される(入管法21条3項)。また、退去強制対象者であっても、法務大臣は在留を特別に許可することができる(同法50条1項)。どちらも個別の判断であり、結果を断定することはできない。

刑事処分の結果と入管法上の主な関係
刑事処分の結果関係する規定影響の概要
不起訴など、有罪判決に至らない場合24条4号リ・チ等有罪判決を前提とする事由には当たらない(他の事由は別)
1年を超える拘禁刑(全部執行猶予を除く)24条4号リ退去強制事由に当たり得る
拘禁刑の全部執行猶予24条4号リ同号の対象から除かれる
薬物関係の罪で有罪判決24条4号チ罰金や執行猶予でも当たり得る
別表第1の在留資格で窃盗・詐欺等により拘禁刑24条4号の2退去強制事由に当たり得る

弁護士に相談すべきタイミングはいつか

逮捕の連絡を受けた時点が最初の相談の機会であり、取調べや勾留の判断が進む前ほど、取れる対応は多い。

家族が中国にいて来日できない場合も、電話や微信で相談を始められる。弁護人の選任ができる家族の範囲や、連絡の方法は、最初の相談で確認するとよい。

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)の弁護士 松村大介は、中国語での相談に対応しており、専属通訳が常駐し、中国律師も在籍している。外国人の刑事事件と入管手続を扱っている。

よくある質問

恋人や友人でも、弁護人を選任できますか。

弁護人を独立して選任できるのは、被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹である(刑訴30条2項)。恋人や友人は含まれないが、本人が自ら弁護人を選任することはできる(同条1項)。

弁護士は取調べに立ち会ってくれますか。

取調べへの弁護人の立会いは、法律上当然には認められていない。取調べの前後に接見して助言する方法が中心になる。立会いを求める申入れをするかどうかは、事案による。

示談をすれば不起訴になりますか。

示談は、検察官が起訴するかどうかを判断する際の事情の1つになり得るが、結果を保証するものではない(刑訴248条)。罪名や被害の内容、本人の状況など全体を見て判断される。

弁護士が本人に伝言してくれますか。

接見の際に、家族からの伝言を本人に伝えることはできる。ただし、事件の内容に関わる事項は、証拠隠滅と受け取られないよう、弁護士に確認してから伝える必要がある。

根拠条文・出典

  • 刑事訴訟法 第30条・第39条・第81条・第87条・第198条(e-Gov法令検索)
  • 刑事訴訟法 第205条・第207条・第248条・第429条(e-Gov法令検索)
  • 出入国管理及び難民認定法 第21条・第24条・第50条・第63条(e-Gov法令検索)
  • 犯罪捜査規範(昭和32年国家公安委員会規則第2号)第233条(e-Gov法令検索)

ご相談について

ご家族が逮捕された、警察から呼び出しを受けた、という場合は、早い段階でご連絡ください。中国語でのご相談に対応しています(専属通訳が常駐)。微信(WeChat)ID:matsumura1119。中国人の刑事事件|刑事事件と在留資格|お問い合わせ

最終更新:2026年10月7日 執筆:弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077) 舟渡国際法律事務所(東京都豊島区) 微信ID:matsumura1119

本記事は一般的な法律情報であり、個別の事案の結論は具体的な事情によって異なる。

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