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銀行口座を売買・譲渡して逮捕されたらどうなるか

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銀行口座を売買・譲渡して逮捕されたらどうなるか

銀行口座を売買・譲渡して逮捕されたらどうなるか

2026/10/07

銀行口座の通帳・キャッシュカード・暗証番号などを他人に譲り渡す行為は、犯罪による収益の移転防止に関する法律(以下「犯収法」という。)26条により3年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金(併科もある)で処罰され、振込先に使われた詐欺に加担したと評価されれば詐欺幇助(刑法246条・62条)も問題になる。

総合ガイド:外国人の刑事事件ガイド(状況別の記事一覧)

この記事の要点

  • 犯収法26条は、他人になりすます目的を知っての譲渡と、正当な理由のない有償の譲渡・譲受を処罰する。業として行えば5年以下の拘禁刑等に加重される。
  • 譲渡した口座が詐欺の振込先に使われると、詐欺幇助として逮捕・勾留され、逮捕から最長23日間の身体拘束が続くことがある。
  • 口座の使い道を知っていたか(故意)が最大の争点であり、結論は事案ごとの事情で分かれる。
  • 外国籍の方は、判決の内容次第で、在留期間の更新や退去強制(入管法24条)に影響する場合がある。

銀行口座の売買・譲渡は、どの法律でどう処罰されるのか。

中心は犯収法26条であり、詐欺への加担が疑われれば刑法の詐欺罪の幇助も問題になる。

犯収法26条1項は、他人になりすまして預貯金契約に係る役務の提供を受ける目的で、通帳、引出用カード、引出し・振込みに必要な情報などを譲り受ける行為を処罰する。同条2項は、相手にその目的があることを知って譲り渡す行為を同様に処罰する。

さらに、通常の商取引や金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で譲り渡し、または譲り受けた場合も処罰される。自分名義の口座を報酬と引き換えに渡す行為は、この類型が問題になる。

口座が詐欺の受け皿に使われた場合は、詐欺罪の正犯を手助けしたとして幇助犯(刑法62条1項)に問われ得る。幇助犯の刑は、正犯の刑が減軽される(同法63条)。

口座の譲渡・売買に関する主な罰則
行為の類型根拠条文法定刑
目的を知って通帳・カード等を譲渡、または譲受犯収法26条1項・2項3年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金、または併科
正当な理由なく有償で譲渡、または譲受犯収法26条1項後段・2項後段同上
業として上記の行為をする犯収法26条3項5年以下の拘禁刑若しくは1000万円以下の罰金、または併科
上記の行為を勧誘、または広告等で誘引犯収法26条4項3年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金、または併科
詐欺の手助けと評価される刑法246条・62条・63条詐欺罪(10年以下の拘禁刑)の刑を減軽

自分の口座を他人に使わせただけでも逮捕されるのか。

口座を譲り渡す行為自体が処罰対象であり、報酬の有無や詐欺被害の有無にかかわらず、逮捕に至る場合がある。

SNSや知人を通じた「口座を貸せば報酬が出る」という誘いに応じ、通帳・カード・暗証番号を渡した時点で、犯収法26条の問題が生じ得る。

渡した相手が誰か、何に使うと説明されたか、報酬はいくらか、といった具体的事情によって、犯収法違反にとどまるか、詐欺幇助まで問われるかが分かれる。

逮捕された後は、どのような流れで手続が進むのか。

逮捕から最長23日間は、起訴されるかどうかが決まるまで、警察署の留置施設などで身体拘束を受けることがある。

司法警察員は、被疑者を逮捕したときから48時間以内に事件を検察官に送致しなければならない(刑事訴訟法203条)。検察官は、受け取ってから24時間以内に裁判官に勾留を請求する(同法205条)。勾留は請求の日から10日間で、やむを得ない事由があれば最大10日延長される(同法208条)。

  • 第1に、逮捕から48時間以内に検察官へ送致される。
  • 第2に、送致から24時間以内に勾留請求がなされる。
  • 第3に、勾留は10日、延長を含めて最大23日の拘束となる。

詐欺幇助が問われるのは、どのような場合か。

口座が詐欺に使われると知っていた、または使われるかもしれないと認識しながら渡したと認定される場合に問題になる。

罪を犯す意思がない行為は罰しないため(刑法38条1項)、詐欺に使われると認識していなければ詐欺幇助は成立しない。ただし、確定的に知らなくても、使われるかもしれないと認識して渡したと評価されると、故意があるとされる場合がある。

取調べでは、報酬の額、勧誘の経緯、相手とのチャットの記録、渡した口座の数が確認される。複数の口座や機会がある場合は、事実ごとに捜査が進み、再逮捕や追起訴に至ることがある。

外国籍の方は在留資格にどう影響するか。

結果が罰金にとどまるか、拘禁刑の実刑になるかで、在留への影響は大きく異なる。

入管法24条4号リは、1年を超える拘禁刑に処せられた者を退去強制の対象とするが、刑の全部の執行猶予を受けた者は除かれる。同条4号の2は、別表第一の在留資格で在留する者が、刑法第2編第37章(詐欺及び恐喝の罪)などの罪により拘禁刑に処せられた場合を対象とする。詐欺幇助で同号との関係が問題になるかは、判決内容を踏まえた個別の確認が必要である。

在留期間の更新・在留資格の変更は、法務大臣が相当の理由があると認めるときに限り許可される(入管法21条3項・20条3項)。退去強制事由に当たらない結果でも、更新の審査で事件の内容が考慮され得る。刑事手続中でも退去強制の手続は準じて進められ得るが、令書の執行は刑事手続の終了後が原則である(同法63条1項・2項)。

処分結果と在留への影響の目安
刑事手続の結果入管法24条4号リ留意点
不起訴該当しない更新・変更の審査で事件の内容が考慮され得る
罰金(略式命令を含む)該当しない詐欺幇助では24条4号の2を個別に確認する
拘禁刑(全部執行猶予)除外される詐欺幇助では24条4号の2を個別に確認する
1年を超える拘禁刑の実刑退去強制の対象在留特別許可には人道上の特別の事情が必要(50条1項ただし書)

不起訴や刑の軽減を目指すには、どのような対応が考えられるか。

事実を争うのか、認めたうえで事情を主張するのかを早期に整理し、取調べの対応と並行して進めることが出発点になる。

被疑者には黙秘権があり(憲法38条1項、刑事訴訟法198条2項)、供述調書は読み聞かせや閲覧を受けて誤りの訂正を求めることができ、署名押印を拒絶することもできる(同法198条4項・5項)。日本語に不慣れな場合は、理解できない書面に署名しないことが重要である。

検察官は、犯人の性格、年齢、境遇、犯罪の軽重、犯罪後の情況により訴追を必要としないときは公訴を提起しないことができる(同法248条)。罰金で終わる場合は、略式命令で100万円以下の罰金が科される手続が用いられることがある(同法461条)。どの処分になるかは、関与の程度、報酬の有無、被害の回復状況などで個別に判断される。

弁護士に相談すべきタイミングはいつか。

警察から連絡があった時点、または家族が逮捕された直後が、相談を検討すべき最初のタイミングである。

逮捕・勾留中の被疑者は、弁護人と立会人なくして接見できる(刑事訴訟法39条1項)。勾留状が発せられた被疑者は、資力が乏しければ国選弁護人を請求できる(同法37条の2)。

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)では、弁護士の松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)が、外国人の刑事事件と入管手続(在留特別許可・退去強制)を扱っている。中国語での相談に対応し、専属の通訳が常駐しているほか、中国律師が在籍している。微信ID matsumura1119 でも連絡できる。

よくある質問

報酬を受け取らずに口座を渡した場合は、犯罪にならないのか。

報酬の有無だけでは決まらない。犯収法26条は、相手にその目的があることを知って譲り渡す場合も処罰するため、無償でも成立し得る。使い道をどう認識していたかが重要になる。

警察から任意の出頭を求められた場合は、応じなければならないのか。

逮捕・勾留されていない場合、出頭は任意であり、拒むことも、出頭後いつでも退去することもできる(刑事訴訟法198条1項ただし書)。対応は事前に弁護士へ相談して決めることが望ましい。

中国にいる家族が来日できない場合、どのように連絡を取れるのか。

弁護人が被疑者と接見し、その内容を微信や電話などで家族に伝えることができる。委任の手続も、書類のやり取りで進められる場合がある。

罰金で終わった場合、在留に影響はないのか。

罰金は拘禁刑ではないため、入管法24条4号リの対象にはならない。ただし、更新や変更の審査で事件の内容が考慮される可能性は残る。

根拠条文・出典

  • 犯罪による収益の移転防止に関する法律26条(e-Gov法令検索)
  • 刑法38条1項・62条・63条・246条(e-Gov法令検索)
  • 刑事訴訟法37条の2・39条1項・198条・203条・205条・208条・248条・461条(e-Gov法令検索)
  • 出入国管理及び難民認定法20条3項・21条3項・24条4号リ・24条4号の2・50条1項・63条(e-Gov法令検索)
  • 日本国憲法38条1項(e-Gov法令検索)

ご相談について

ご家族が逮捕された、警察から呼び出しを受けた、という場合は、早い段階でご連絡ください。中国語でのご相談に対応しています(専属通訳が常駐)。微信(WeChat)ID:matsumura1119。中国人の刑事事件|刑事事件と在留資格|お問い合わせ

最終更新:2026年10月7日 執筆:弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077) 舟渡国際法律事務所(東京都豊島区) 微信ID:matsumura1119

本記事は一般的な法律情報であり、個別の事案の結論は具体的な事情によって異なる。

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