外国人の刑事事件 総合ガイド|逮捕から72時間・勾留・起訴、判決後の在留資格と退去強制まで
2026/09/19
外国人が日本で逮捕されると、起訴か不起訴かが決まるまで通常は最大23日間身体を拘束され、その間に決まる処分の内容が、刑罰だけでなく在留資格と退去強制の可否まで左右します。逮捕から送致まで48時間、勾留請求まで通算72時間、勾留は原則10日で延長は通じて10日以内です(刑事訴訟法203条1項、205条1項・2項、208条)。
- 逮捕から勾留請求までは最長72時間、起訴前の勾留は延長を含めて通常は最大20日です。
- 勾留が決まるまで家族は面会できないことが多く、弁護士の接見が本人との最初の連絡手段になります。
- 別表第一の在留資格の人は、窃盗や傷害などの一定の罪で拘禁刑になると全部執行猶予でも退去強制事由に当たります(入管法24条4号の2)。
- 薬物事件は、罰金や執行猶予でも有罪判決を受ければ在留資格を問わず退去強制事由です(同条4号チ)。
- 中国籍の人が逮捕されると、本人の希望にかかわらず4日以内に中国の領事機関へ通報されます(日中領事協定8条)。
外国人が日本で逮捕されたら、最初の72時間に何が起きますか?
逮捕から72時間以内に、警察から検察官への送致と、検察官が勾留を請求するかどうかの判断が行われ、この間に長い身体拘束を避けられるかがおおむね決まります。国籍による手続の違いはなく、日本人と同じ刑事訴訟法の時間制限が適用されます。
警察は、逮捕した人に犯罪事実の要旨と弁護人を選任できることを告げ、弁解の機会を与えた上で、留置の必要があると考えるときは身体を拘束した時から48時間以内に検察官へ送致します(刑事訴訟法203条1項)。検察官は受け取ってから24時間以内に、裁判官に勾留を請求するか釈放するかを決めなければならず、この時間は身体拘束の時から通算して72時間を超えられません(同法205条1項・2項)。勾留の請求を受けた裁判官は、本人から直接話を聴いた上で、勾留状を発するか釈放を命じます(同法207条)。
外国人の事件では、この72時間の多くが通訳を介した取調べと、住所、勤務先、在留状況の確認に使われます。住居と仕事が定まっていること、身元を引き受ける人がいることを資料で示せるかどうかが勾留の判断に影響するため、弁護人が付くなら、勾留請求の前後に検察官と裁判官へ意見書を出す意味が大きい段階です。
| 段階 | 時間・期間の制限 | 根拠 | この段階でできること |
|---|---|---|---|
| 逮捕から送致まで | 身体拘束の時から48時間以内 | 刑事訴訟法203条1項 | 弁護士はすぐに接見できます。家族の面会は通常できません。 |
| 送致から勾留請求まで | 受け取りから24時間以内、通算72時間以内 | 同法205条1項・2項 | 勾留を請求しないよう検察官に意見を述べます。 |
| 勾留 | 請求の日から10日 | 同法208条1項 | 準抗告、示談の開始、家族の面会(接見等禁止がない場合) |
| 勾留の延長 | 通じて10日以内 | 同法208条2項 | 延長への準抗告、不起訴を求める意見書 |
| 起訴後の勾留 | 起訴の日から2か月、その後1か月ごとに更新 | 同法60条2項 | 保釈の請求 |
内乱や外患などごく一部の罪では、さらに通じて5日まで延長できる規定があります(同法208条の2)。時間の流れを中国籍の方の事件に即して追ったものとして、中国人の方が日本で逮捕されてから起訴・不起訴が決まるまでもご覧ください。
勾留が決まると、起訴までどのくらい身体拘束が続きますか?
勾留は請求の日から10日間で、やむを得ない事由があれば通じて10日を超えない範囲で延長されるため、逮捕から数えると起訴又は釈放まで最大23日間になります(刑事訴訟法208条)。外国人は帰国して戻らないのではないかと見られやすく、日本人に比べて勾留が認められやすい傾向があります。
勾留が認められるのは、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があり、かつ、定まった住居がない、罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある、逃亡すると疑うに足りる相当な理由がある、のいずれかに当たる場合です(同法60条1項)。起訴前の被疑者についても、同法207条1項により裁判官がこの基準で判断します。勾留の裁判や延長の裁判に不服があるときは、準抗告を申し立てて別の裁判官の合議体に判断し直してもらえます(同法429条1項2号)。
裁判官は、逃亡や罪証隠滅のおそれがあるとして、弁護人以外の者との面会や手紙のやり取りを禁じる接見等禁止を付けることがあります(同法81条)。共犯者がいる事件、特殊詐欺、組織的な薬物事件で付けられやすく、家族が本人と話せない期間が長くなります。家族との面会に限って禁止を解くよう求めることもでき、弁護人の接見は禁止の対象になりません。要件と争い方は勾留とはと接見等禁止とはで整理しています。
家族が逮捕されたら、家族はまず何をすればよいですか?
まず本人がいる警察署と容疑の概要を確かめ、弁護士に接見を依頼してください。逮捕から勾留が決まるまでの間は家族の面会ができないことが通常で、この時期に本人と立会人なしで会えるのは弁護人又は弁護人になろうとする弁護士だけです(刑事訴訟法39条1項)。
- 所在の確認:逮捕した警察署に問い合わせます。事件の詳しい内容は教えてもらえないことが多いものの、本人がどこに留置されているかは確かめられることがあります。
- 弁護人の選任:本人のほか、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹は独立して弁護人を選任できます(同法30条2項)。家族が国外に住んでいても依頼できます。
- 面会:勾留が決まった後は、接見等禁止が付いていなければ、留置施設の受付時間内に短時間の面会ができます(同法80条、207条1項)。警察官が立ち会い、施設によっては日本語以外で話す場合に通訳の同行を求められます。
- 差入れ:衣類、現金、本などを差し入れられます。品目や数量は施設ごとに決まりがあり、ひも付きの衣類などは受け付けられません。
- 在留カードと在留期限:在留期間の満了が近い場合は、身体拘束中の更新申請をどうするかを早めに検討する必要があります。
- 領事通報:逮捕された外国人は、領事関係に関するウィーン条約36条により自国の領事機関への通報を求めることができます。中国籍の人については、日中領事協定8条1(b)により、本人の要請の有無にかかわらず、遅くとも拘禁の日から4日以内に中国の領事機関へ通報されます。
家族が慌てて本人の勤務先や知人に事件を広く伝えると、示談や証拠の面で後から不利になる場合もあります。誰に何を伝えるかは弁護人と相談してから決めるのが安全です。領事の面会の実際は中国人が日本で逮捕されたら大使館に連絡が行きますかで詳しく扱っています。
取調べでは黙秘してもよいのですか?通訳はどのように付きますか?
黙秘してかまいません。取調べの前には、自己の意思に反して供述する必要がないことを告げなければならないと定められており(刑事訴訟法198条2項)、全部の質問に答えないことも、一部だけ答えないことも選べます。
取調べの通訳は、捜査機関が通訳人に依頼して手配します(同法223条1項)。話した内容は日本語の供述調書にまとめられ、読み聞かせを受けて誤りを指摘すれば、その申立ても調書に記載されます。内容に納得できなければ署名押印を拒むことができます(同法198条4項・5項)。起訴後の法廷では、日本語に通じない人に陳述させるときは通訳人に通訳をさせなければなりません(同法175条)。
実務で問題になるのは、訳語一つで故意や認識の有無が変わってしまう場面です。「知っていた」と「そうかもしれないと思った」の違いは、特殊詐欺や薬物の事件で結論を分けることがあります。どの質問に答え、どこで黙秘するかは事件ごとに違うため、最初の取調べの前後に弁護士と接見して決めておくことが大切です。通訳の問題は取調べの通訳は誰のための通訳かで具体例を挙げています。
外国人でも保釈は認められますか?
認められることはありますが、日本の保釈は起訴された後の制度であり、起訴前の被疑者には保釈がありません(刑事訴訟法207条1項ただし書)。起訴前に身体拘束を解くには、勾留請求の段階か準抗告で争う必要があります。
起訴後に保釈の請求があると、重い罪に当たる場合、常習の場合、罪証隠滅のおそれがある場合など同法89条各号の除外事由に当たらない限り、裁判所は保釈を許さなければなりません(権利保釈)。除外事由に当たる場合でも、健康上、経済上、社会生活上の不利益などを考慮して裁判所の裁量で許されることがあります(同法90条)。請求できるのは、本人、弁護人、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹などです(同法88条1項)。
外国人の場合は逃亡のおそれが重く見られるため、身元引受人、日本での住居と勤務、家族の在留状況を資料で示し、旅券を弁護人が預かるなどの方法を添えて請求します。在留期間が切れている人は、保釈されても入管に収容されることがあり、その場合は監理措置を並行して検討します。保釈保証金の考え方は保釈とはと外国人の保釈は認められますかをご覧ください。
起訴か不起訴かはどこで分かれますか?
犯罪の疑いが十分にあっても、検察官は本人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況から訴追を必要としないと判断すれば、起訴しないことができます(刑事訴訟法248条、起訴猶予)。外国人にとって不起訴は、刑罰を受けないだけでなく刑事処分による退去強制事由を生じさせない結果でもあるため、起訴前の活動が処分と在留の両方を左右します。
不起訴には、嫌疑なし、嫌疑不十分、起訴猶予の区別があります。被害者のいる事件では、示談の成否と被害弁償、本人の反省、日本で生活を監督する人の存在が起訴猶予の判断に大きく影響します。事実を争う事件では、取調べへの対応と証拠の検討が中心になります。
罰金で終わる事件の多くは略式手続で処理されます。簡易裁判所が公判を開かずに100万円以下の罰金を科すもので(同法461条)、検察官は事前に手続を説明し、本人が異議のないことを書面で明らかにしなければなりません(同法461条の2)。短期間で釈放される利点がある一方、有罪の裁判として前科になり、薬物事件では罰金でも退去強制事由に当たります。略式命令を受けても、告知の日から14日以内であれば正式裁判を請求できます(同法465条1項)。同意する前に在留への影響を確かめてください。詳しくは起訴猶予とは、不起訴処分とは、中国人の刑事事件で不起訴を得るためにで扱っています。
刑の種類によって在留資格にどのような影響がありますか?
影響は、刑の種類、罪名、在留資格が入管法の別表第一と別表第二のどちらに属するか、の組合せで決まります。別表第一の在留資格の人は、窃盗や傷害などの一定の罪で拘禁刑に処せられると全部執行猶予でも退去強制事由に当たり(入管法24条4号の2)、別表第二の在留資格の人は、薬物事件などを除けば1年を超える実刑でなければ刑罰を理由とする退去強制事由に当たりません(同条4号リ)。
刑の種類は、死刑、拘禁刑、罰金、拘留、科料です(刑法9条)。拘禁刑は、改正前の懲役・禁錮を一本化した自由刑で、有期の場合は1か月以上20年以下です(同法12条1項)。3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金には、情状により1年以上5年以下の期間、刑の全部の執行を猶予することができます(同法25条1項)。
別表第一は、留学、技能実習、技術・人文知識・国際業務、経営・管理、家族滞在、短期滞在など活動に基づく在留資格で、別表第二は、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者の四つの身分・地位に基づく在留資格です。4号の2に挙がる罪は、刑法の住居侵入、偽造の罪、賭博、殺人、傷害、逮捕監禁、略取誘拐、窃盗・強盗、詐欺・恐喝、盗品等に関する罪のほか、暴力行為等処罰法、盗犯等防止法、危険運転致死傷などです。性犯罪、横領、器物損壊、過失運転致死傷はこの号には挙がっていません。
| 刑事処分 | 別表第一の在留資格で4号の2の罪 | 別表第二の在留資格(薬物以外の罪) | 薬物事件(在留資格を問わない) |
|---|---|---|---|
| 不起訴(起訴猶予を含む) | 当たりません | 当たりません | 当たりません |
| 罰金(略式命令を含む) | 当たりません(拘禁刑が要件) | 当たりません | 当たります(4号チ) |
| 拘禁刑・全部執行猶予 | 当たります(4号の2) | 当たりません(4号リは全部執行猶予を除く) | 当たります(4号チ) |
| 拘禁刑・実刑1年以下 | 当たります(4号の2) | 当たりません | 当たります(4号チ) |
| 拘禁刑・実刑1年超 | 当たります(4号の2・4号リ) | 当たります(4号リ) | 当たります(4号チ・4号リ) |
別表第一の在留資格でも、4号の2に挙がっていない罪であれば、表の中央の列と同じく4号リの基準で判断されます。刑の一部執行猶予の場合、4号リは実刑部分が1年以下なら当たりません。特別永住者は入管特例法22条1項が適用され、無期又は7年を超える拘禁刑で法務大臣が日本国の重大な利益が害されたと認定した場合などに限られます。退去強制事由に当たらなくても、在留期間の更新や永住許可の審査では素行として考慮されます。罪名と在留資格ごとの詳しい当てはめは刑の種類と罪名と在留資格で見る強制送還リスク早見表、刑の内容は拘禁刑とはと執行猶予とはをご覧ください。
判決の後、入管の手続はどのように進みますか?
刑事処分が退去強制事由に当たると、入管の違反調査、収容又は監理措置、審査を経て退去強制令書の発付へと進みます。入管は刑事手続が続いている間でも退去強制の手続を並行して進めることができ、退去強制令書は刑事手続や刑の執行が終わった後に執行されます(入管法63条1項・2項)。
実刑の場合は、刑期の満了などで釈放されるときに刑事施設の長が入管に通報することになっており(同法62条3項)、刑期を終えるとそのまま入管に身柄が移ることが通常です。執行猶予や罰金で釈放された人も、退去強制事由に当たれば後日、違反調査の対象になります。入管の審査段階では、収容に代わって監理人の監理の下で生活する監理措置(同法44条の2)があり、収容された後は仮放免の請求(同法54条)も制度として残っています。
日本に残る道として中心になるのは在留特別許可です(同法50条)。申請は収容又は監理措置の下にある人が行い(同条2項)、退去強制令書が発付された後は申請できません(同条3項)。判断では、在留を希望する理由、家族関係、素行、在留期間、退去強制の理由となった事実、人道上の配慮の必要性などが考慮されます(同条5項)。ただし、無期又は1年を超える拘禁刑の実刑を受けた人は、在留を許可しないことが人道上の配慮に欠けると認められる特別の事情がある場合に限られます(同条1項ただし書)。不許可の場合は理由を付した書面で通知されます(同条10項)。
不法残留だけであれば、自ら出頭して出国命令を受け、上陸拒否期間を1年にとどめる方法があります。しかし、刑事事件を起こした人は多くの場合この制度を使えません。
| 制度 | 根拠 | 刑事事件との関係 |
|---|---|---|
| 出国命令 | 入管法24条の3、55条の85 | 不法残留などに限られます。4号の2と同じ罪で拘禁刑に処せられた人(執行猶予を含む)や、4号チ・リなどに当たる人は対象外です(24条の3第2号・3号)。 |
| 在留特別許可 | 同法50条 | 申請は退去強制令書の発付前に限られます。1年を超える実刑の人は特別の事情が必要です。 |
| 監理措置 | 同法44条の2 | 収容せずに手続を進める措置で、監理人の選定と生活状況の報告が前提になります。 |
| 仮放免 | 同法54条 | 収容された後、健康上、人道上の理由などで収容を一時的に解く制度です。 |
入管手続の全体像は入管手続 総合ガイド、日本に残る可能性の見極めは在留特別許可 総合ガイドと監理措置 総合ガイドで整理しています。
退去強制された後、再び日本に来ることはできますか?
退去強制を受けると、初めての場合は退去の日から5年、過去にも退去強制や出国命令による出国がある場合は10年、日本への上陸を拒否されます(入管法5条1項9号ハ・ニ)。刑罰の内容によっては期間の定めのない上陸拒否事由に当たります。
日本又は外国の法令に違反して1年以上の拘禁刑又はこれに相当する刑に処せられたことがある人(同項4号)と、薬物の取締法令に違反して刑に処せられたことがある人(同項5号)は、年数の経過で上陸拒否が解けるという定めがありません。別表第一の在留資格で在留中に4号の2と同じ罪で拘禁刑の判決を受け、確定前に出国した人も、確定の日から5年は上陸を拒否されます(同項9号の2)。
上陸拒否事由に当たっても、法務大臣が特別に上陸を許可する制度(同法12条)はありますが、例外的な扱いです。不起訴や執行猶予で終わった後に日本に戻れるかは、不起訴・執行猶予のあと、中国から日本にまた来られますかと上陸拒否期間とはで具体的に整理しています。
中国本土の家族は、日本の手続のどこに注意すればよいですか?
日本の起訴前の身体拘束は最大23日間で、その間に起訴か不起訴かが決まるため、起訴された後に弁護士を探すという進め方では不起訴に向けた時間を失います。中国の刑事手続を前提に考えると判断を誤りやすい点がいくつかあります。
- 保釈は取保候審とは違います:日本の保釈は起訴後にしか請求できず、捜査段階で保証人を立てて釈放される制度はありません。
- 弁護人の接見に許可は要りません:弁護人は事件の種類にかかわらず立会人なしで接見できます。ただし起訴前は、捜査のため必要なときに検察官等が日時を指定することがあります(刑事訴訟法39条3項)。
- 領事通報は自動的に行われます:日中領事協定により、本人の希望にかかわらず4日以内に中国の領事機関へ通報されます。本人が書面で反対すれば、領事官は本人のための行動を差し控えます。
- 示談の重みが違います:被害者との示談は起訴猶予や量刑に直接影響し、家族が弁護人を通じて被害弁償の資金を用意することもよくあります。
- 国外から弁護人を選べます:配偶者、父母、兄弟姉妹などは中国にいながら弁護人を選任できます。
送金、来日、面会の段取りは日本で家族が逮捕されたとき、中国のご家族にできること、日本での処分が中国でどう扱われるかは日本での刑事処分は中国本国でどう扱われるかをご覧ください。
弁護士にはいつ依頼し、どのように選べばよいですか?
逮捕の連絡を受けた時点、遅くとも勾留が決まる前に依頼するのが望ましく、選ぶ際は刑事処分が在留資格に与える影響まで説明できる弁護士かを確かめてください。国の費用で付く国選弁護人は勾留状が出た後の制度であり(刑事訴訟法37条の2第1項)、逮捕直後の72時間は私選弁護人か当番弁護士の接見が中心になります。
外国人の事件では、刑事の弁護人と入管手続の担当者が別々だと、略式手続に応じるか、どの罪名で処分を受けるかといった判断が在留への影響を踏まえずに行われることがあります。刑事と入管の両方を見通せるか、本人の言語で話せる通訳の体制があるか、遠方の警察署にもすぐ接見に行けるかを確認してください。場面ごとの相談の目安は外国人の刑事事件で弁護士に相談すべきとき、選び方は外国人事件の弁護士の選び方と中国語で相談できる刑事弁護士の探し方にまとめています。
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田)では、弁護士 松村大介(第一東京弁護士会)が刑事弁護と入管手続・行政訴訟を一体で扱い、中国語の専属通訳が常駐しています。全国からのご相談に対応しており、手続後の在留資格の申請は提携の行政書士と連携しています。ご相談は電話 050-7587-4639 又はお問い合わせフォームからお寄せください。
よくある質問
外国人が逮捕されると、どのくらいの期間拘束されますか?
逮捕から勾留請求まで最長72時間、勾留は請求の日から10日で、延長されると通じて10日を超えない範囲で延びます。起訴か釈放までは通常最大23日間です。起訴されると被告人としての勾留に切り替わり、起訴の日から2か月、その後1か月ごとに更新されます(刑事訴訟法205条、208条、60条2項)。
執行猶予が付けば、在留資格に影響はありませんか?
影響することがあります。留学、技能実習、技術・人文知識・国際業務などの別表第一の在留資格の人は、窃盗、傷害、詐欺などの一定の罪で拘禁刑に処せられると、全部執行猶予でも退去強制事由に当たります(入管法24条4号の2)。薬物事件は在留資格を問わず執行猶予でも該当します(同条4号チ)。
罰金で済めば、退去強制にはなりませんか?
薬物事件を除けば、罰金は入管法24条4号の2や4号リの退去強制事由に当たりません。ただし薬物事件は罰金でも有罪判決として4号チに当たり、それ以外の罪でも在留期間の更新や永住許可の審査で素行として考慮されます。略式手続に同意する前に在留への影響を確かめてください。
家族はいつから本人と面会できますか?
逮捕から勾留が決まるまでの間は、家族の面会はできないことが通常です。勾留後は、接見等禁止が付いていなければ留置施設の受付時間内に短時間の面会ができます。接見等禁止が付いている場合でも、弁護人は立会人なしで接見できます(刑事訴訟法39条1項、81条)。
中国籍の人が逮捕されたら、中国大使館や総領事館に連絡されますか?
連絡されます。日中領事協定8条1(b)により、日本の当局は本人の要請の有無にかかわらず、遅くとも逮捕などの日から4日以内に中国の領事機関へ通報します。本人が書面で反対の意思を示した場合、領事官は本人のための行動を差し控えます。
判決が出た後、日本に残る方法はありますか?
退去強制事由に当たる場合でも、在留特別許可を受ければ在留を続けられる可能性があります(入管法50条)。申請は退去強制令書が発付される前に限られ、無期又は1年を超える拘禁刑の実刑を受けた人は、人道上の配慮に欠けると認められる特別の事情が必要です。刑事手続の段階から見通しを立てておくことが大切です。
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本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。
最終更新日:2026年9月19日/執筆 弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)
舟渡国際法律事務所 https://matsumura-lawoffice.jp/ 微信ID:matsumura1119 電話:050-7587-4639