中国語で相談できる刑事弁護士の探し方|家族が日本で逮捕されたときに確認したい7つの点
2026/09/11
中国語で相談できる刑事弁護士を探すときは、通訳の体制、接見までの速さ、在留資格への影響まで扱えるかの3点をまず確認してください。日本の刑事手続では、逮捕から起訴・不起訴の判断までの身体拘束が最長で23日と定められており、外国籍の方の場合はその結果が在留資格に直結します。
- 逮捕後は、警察48時間、検察24時間、勾留は原則10日と延長最大10日という時間の制限の中で手続が進む。
- 本人の配偶者、父母などの直系の親族、兄弟姉妹は、本人とは別に弁護人を選任できる(刑事訴訟法30条2項)。
- 逮捕の段階では家族は面会できないのが通常で、本人と会えるのは弁護人に限られる。
- 不起訴か、罰金か、拘禁刑か、執行猶予かによって、退去強制事由に当たるかどうかが変わる。
家族が日本で逮捕されたら、最初に何をすればよいのか
最初にすべきことは、本人が留置されている警察署を確かめ、接見に行ける弁護士に連絡することです。逮捕されると、警察は身体の拘束から48時間以内に検察官へ送致する手続をとり(刑事訴訟法203条1項)、検察官は受け取ってから24時間以内、かつ逮捕から72時間以内に勾留を請求するかを判断します(同法205条1項・2項)。勾留は請求の日から原則10日で、やむを得ない事由があれば通じて10日を超えない範囲で延長されます(同法208条)。この最長23日の間に、起訴か不起訴かが決まります。
弁護士に伝えるとよいのは、留置先の警察署名、本人の氏名と生年月日、分かる範囲の容疑の内容、在留資格の種類と在留期間の満了日です。逮捕の段階では家族は面会できないのが通常であり、取調べへの対応を本人に助言できるのは、接見に来た弁護人だけです。
中国にいる家族でも、日本の弁護士に依頼できるのか
依頼できます。刑事訴訟法30条2項は、被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹が、独立して弁護人を選任できると定めています。そのため、本人と連絡が取れない状態でも、中国に住む父母や日本にいる配偶者が弁護士と契約し、接見を依頼することができます。
また、勾留の段階からは、資力などの要件のもとで国の費用による弁護人(国選弁護人)が付く制度もあります。国外の家族にとっては、弁護人が本人の意向を確認したうえで、事件の内容に立ち入らない範囲で伝える状況が主な情報源になります。
なぜ中国語で直接話せる体制が重要なのか
取調べで作られる供述調書が、その後の処分と在留の判断の土台になるからです。通訳を介した取調べでは、細かなニュアンスが調書に正確に残らないことがあり、本人の認識と異なる内容の調書に署名してしまうと、後から覆すことは容易ではありません。何を話し、どの点について黙秘するかという供述方針は、逮捕直後の接見で固める必要があります。
身体を拘束された被疑者は、弁護人と立会人なしに接見し、書類や物の授受をすることができます(刑事訴訟法39条1項)。勾留に接見等禁止が付き、家族との面会や手紙が禁じられた場合でも、弁護人との接見は禁止の対象になりません(同法81条)。弁護人との打合せを母語でどれだけ正確にできるかは、防御の質そのものに関わります。なお、本人が希望すれば、本国の領事機関への通報を求めることもできます。
弁護士を選ぶときに確認したい7つの点は何か
確認したいのは、言語、速さ、在留への対応、家族への報告、遠隔での委任、費用の説明、弁護士の身元の7点です。次の表は、それぞれがなぜ重要か、どう確認すればよいかをまとめたものです。
| 確認すべき点 | なぜ重要か | 確認の仕方 |
|---|---|---|
| 1 中国語での意思疎通の体制 | 供述方針の相談や調書の内容の確認を正確に行うため | 通訳を誰が担当するか、接見や打合せに同行するかを尋ねる |
| 2 接見までの時間 | 勾留請求までの72時間で、供述方針と意見書の準備が決まるため | 依頼してから最初の接見までの見込みを確認する |
| 3 在留資格への影響を扱えるか | 刑事処分の内容によって退去強制事由に当たるかが変わるため | 入管手続や行政訴訟も担当するか、在留を見据えた方針を説明できるかを尋ねる |
| 4 家族への報告の方法と言語 | 国外の家族は面会できず、弁護人が主な情報源になるため | 接見のたびに報告があるか、微信などで中国語の連絡ができるかを確認する |
| 5 中国からの依頼と委任の手続 | 家族がすぐに来日できないことが多いため | 委任契約を遠隔で結べるか、連絡手段は何かを確認する |
| 6 費用と活動範囲の説明 | 刑事と入管の両方に対応するかどうかで活動の量が変わるため | 方針と費用の内訳の説明を受け、委任契約書で書面にしてもらう |
| 7 弁護士の所属と登録番号 | 依頼する相手が日本の弁護士であることを確かめるため | 所属弁護士会と登録番号を聞き、日本弁護士連合会の弁護士検索で照合する |
刑事事件の結果は、在留資格にどう影響するのか
刑事処分の種類と罪名の組み合わせによって、退去強制事由に当たるかどうかが変わります。出入国管理及び難民認定法(入管法)24条は、覚醒剤や大麻などの薬物に関する法令に違反して有罪の判決を受けた者を退去強制事由としており、罰金や執行猶予でも該当します(同条4号チ)。その他の罪は、無期または1年を超える拘禁刑が基準となり、刑の全部の執行猶予が付いた場合は除かれます(同号リ)。さらに、留学や就労系の資格など入管法別表第一の在留資格で在留する人は、窃盗、傷害、詐欺、文書偽造など一定の罪で拘禁刑に処せられると、執行猶予が付いても該当します(同条4号の2)。
不起訴になれば、有罪判決や刑に処せられたことを要件とする退去強制事由には当たりません。ただし、不法残留(オーバーステイ)や不法就労助長のように行為そのものが退去強制事由となる類型では、不起訴でも入管の手続が進むことがあります。また、退去強制事由に当たらない場合でも、在留期間の更新の審査で素行として考慮されることがあります。刑事の方針を決める段階から、在留への影響を計算に入れておく必要があります。
舟渡国際法律事務所ではどう対応しているか
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区、高田馬場駅から徒歩約5分)では、代表弁護士の松村大介が、外国人の方やその家族からの刑事事件の相談を直接担当しています。松村は第一東京弁護士会所属(登録番号59077)で、慶應義塾大学法科大学院を修了し、2019年12月に弁護士登録、2023年10月に事務所を開設しました。
- 中国語:外国人事件に通じた中国語の専属通訳が常駐し、接見や打合せに同行します。中国語以外の言語は、事案に応じて通訳人を手配します。
- 連絡:微信(WeChat ID:matsumura1119)で弁護士本人と直接やり取りできます。中国本土にいる家族からの相談も微信で受けており、委任の手続は遠隔で完結できます。
- 初動:逮捕案件は最短即日で接見に向かい、接見の都度、家族に中国語で報告します。
- 在留:刑事弁護と入管手続・行政訴訟の双方を扱い、接見初日から示談書、反省文、監督誓約など在留を守るための資料づくりを並行して進めます。
- 費用:事案の内容や手続の段階に応じて個別に見積もり、方針とあわせて説明したうえで、委任契約書で書面化します。
これまでに扱った事件には、覚醒剤取締法違反等被告事件で起訴内容の一部について無罪とされた判決(令和7年1月28日東京地裁判決)、聖徳太子の旧1万円札をめぐる偽造通貨行使事件での嫌疑不十分による不起訴、中国人留学生の窃盗事件で不起訴となり在留資格を維持した事例などがあります。結果は事案ごとに異なり、同じ結果を約束するものではありません。
よくある質問
中国にいる家族だけで、日本の弁護士に依頼できますか。
できます。本人の配偶者、直系の親族、兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任できます(刑事訴訟法30条2項)。舟渡国際法律事務所では、微信(WeChat ID:matsumura1119)で中国からの相談を受けており、委任の手続も遠隔で完結できます。接見の結果は、その都度中国語で報告します。
逮捕された本人と家族は面会できますか。
逮捕の段階では家族は面会できないのが通常で、接見できるのは弁護人です。勾留された後は面会できる場合がありますが、接見等禁止が付くと家族との面会や手紙のやり取りが禁じられます。その場合でも、弁護人との接見は制限されません(刑事訴訟法81条)。
不起訴になれば、強制送還されることはありませんか。
有罪判決や刑に処せられたことを要件とする退去強制事由には当たらなくなります。ただし、不法残留のように行為そのものが退去強制事由となる類型では、不起訴になっても入管の手続が進むことがあります。刑事と入管の両方の見通しを踏まえて対応することが大切です。
弁護士費用はどのように決まりますか。
事案の内容、緊急性、手続の段階等により個別に見積もります。身体拘束の有無、刑事手続と入管手続の両方への対応が必要か、訴訟に進むかによって活動の量が変わるためです。依頼の前に活動の範囲と費用の内訳を説明し、委任契約書で書面化します。
関連ページとご相談の方法
ご相談は完全予約制です。電話 050-7587-4639(受付10時〜19時、土曜日・日曜日・祝日は定休日)、微信(WeChat ID:matsumura1119)、またはお問い合わせフォームからご連絡ください。家族が逮捕されている場合は、留置先の警察署名をお伝えください。
最終更新日:2026年9月11日/執筆 弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)
この総合ガイドとあわせて読みたい解説記事
本ガイドで扱った論点を、個別に詳しく解説した記事です。
- 在日中国人の刑事事件に挑む弁護士の役割
- 中国語で相談できる刑事弁護士の選び方|通訳・秘密保持・微信での連絡を弁護士が解説
- 外国人・中国人の刑事事件 解決事例の罪名別一覧|無罪・不起訴・事件化阻止
- 在日本超市、商店偷东西被抓怎么办?中国人盗窃(万引き)案件的处理与在留资格|日本律师解说
- 在日本做“高薪兼职”被以诈骗罪逮捕怎么办?取款、取货(受け子)案件与外国人的应对|日本律师解说
- 保釈とは|権利保釈の除外事由・保釈保証金・中国の取保候審との違いを弁護士が解説
- 中国の薬や化粧品を無許可で売って逮捕されたら|薬機法違反の刑罰と在留資格(強制送還)への影響
- 日本で家族が逮捕されたとき、中国のご家族にできること
- 口座の売買・地下銀行・資金洗浄で逮捕されたら|中国籍の方の刑事事件と在留
- 傷害・暴行で逮捕されたら示談と在留資格はどうなりますか|中国籍の方の事件
- 不同意わいせつ・盗撮で逮捕されたら在留資格はどうなりますか|中国籍の方の性犯罪事件
- 技能実習生・特定技能の中国人が事件を起こしたとき在留資格はどうなりますか
- 中国人留学生の刑事事件と資格外活動|週28時間の超過・退学・アルバイト先の摘発
- 中国人経営者が刑事事件で問われたとき「経営・管理」の在留資格はどうなりますか
- 外国人の保釈は認められますか|起訴後にしかない日本の保釈と中国の取保候審の違い
- 中国人の刑事事件で私選弁護人を選ぶ基準|国選との違いと確かめるべき点
- 日本での刑事処分は中国本国でどう扱われるか|引渡条約・領事通報・記録の実際
- 中国人が日本で逮捕されたら大使館に連絡が行きますか|領事通報と面会の実務
- 中国人の不法就労・資格外活動・オーバーステイ|刑事手続と入管手続はどう進みますか
- 中国人の薬物事件は執行猶予でも強制送還になりますか|大麻の法改正と入管法24条4号チ
- 中国人の万引き・窃盗事件|示談で不起訴になりますか、在留資格は更新できますか
- 中国人の特殊詐欺事件|受け子・出し子・回収役の役割別に見る処分の分かれ目と在留への影響
- 中国人の刑事事件で不起訴を得るために|起訴・不起訴を分ける要素と示談・身元引受の実務
- 中国人の方が日本で逮捕されてから起訴・不起訴が決まるまで|72時間と23日間の流れ
- 在日中国人の法律問題を弁護士が徹底支援する理由
- 在日中国人の法律問題に特化した弁護士の役割とは
- 在日中国人の刑事事件で諦めない弁護士の戦略
- 在日中国人の法律問題に寄り添う弁護士の役割
- 在日中国人の国際案件に強い弁護士の戦略解説
- 中国人刑事事件に強い弁護士の選び方ポイント
- 中国語対応弁護士による入管手続と交通事故の法的支援
- 日本在住中国人向け国際法律相談の基本
- 中国語対応刑事事件の逮捕勾留対策
- 在日中国人の国際案件に強い弁護士の役割と戦略
- 中国人の法律問題解決のための弁護士の役割
- 弁護士選びで失敗しない東京都の刑事事件対策と中国人被疑者への最適なサポート
