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勾留とは|刑事訴訟法60条の要件、逮捕からの流れと期間、外国人が勾留されやすい理由

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勾留とは|刑事訴訟法60条の要件、逮捕からの流れと期間、外国人が勾留されやすい理由

勾留とは|刑事訴訟法60条の要件、逮捕からの流れと期間、外国人が勾留されやすい理由

2026/09/10

勾留とは、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある被疑者または被告人について、定まった住居を有しないこと、罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があること、または逃亡すると疑うに足りる相当な理由があることのいずれかに当たる場合に、裁判官の判断によって身体を拘束する処分をいう。(刑事訴訟法60条)

  • 逮捕に続く身体拘束であり、裁判官が判断する。
  • 期間は原則10日で、延長によりさらに最大10日となる。
  • 逮捕からの身体拘束は最大でも23日である。
  • 準抗告や勾留理由開示の請求により争うことができる。
  • 外国人は逃亡のおそれを理由に勾留されやすい。

勾留はどのような要件で認められるのか

罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があることを前提に、住居が定まっていないこと、罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があること、逃亡すると疑うに足りる相当な理由があることのいずれかが必要である。これに加え、実務上は身体を拘束してまで捜査を進める必要があるかどうかも検討される。事案が軽微で、住居も勤務先も安定し、証拠が確保されている場合には、勾留請求が却下されることもある。争点になりやすいのは罪証隠滅と逃亡のおそれであり、抽象的な可能性ではなく具体的な事情に基づく判断が求められる。

逮捕から勾留まではどのように進むのか

逮捕の時点から時間の制限が厳格に定められており、逮捕からの身体拘束は最大でも72時間である。この間に検察官が勾留を請求するかを決め、請求があれば裁判官が本人から直接話を聴いた上で判断する。この手続を勾留質問という。

段階内容と時間の制限
逮捕身体の拘束が始まる
検察官への送致身体の拘束から48時間以内に手続をとる
勾留請求または釈放検察官は身柄を受け取ってから24時間以内、かつ逮捕から72時間以内に判断する
勾留質問裁判官が被疑事実を告げ、本人の言い分を聴く
勾留決定勾留請求の日から10日間
勾留延長やむを得ない事由があるとき、通じて10日を超えない範囲で延長される

勾留はどのくらいの期間続くのか

起訴前の勾留は勾留請求の日から10日が原則であり、やむを得ない事由が認められると通じて10日を超えない範囲で延長される。逮捕からの72時間と合わせると、起訴されるまでの身体拘束は最大で23日となる。起訴されると勾留は被告人としてのものに切り替わり、期間は2か月とされ、その後は1か月ごとに更新される。起訴後は保釈の請求ができるようになる。

勾留に納得できないときは何ができるのか

勾留の裁判に対しては準抗告を申し立てることができ、複数の裁判官により勾留の当否が改めて判断される。罪証隠滅や逃亡のおそれが具体的には認められないことを、住居、家族、就労状況、身元引受人の存在に即して主張する。理由や必要性がなくなった場合には勾留の取消しを請求することもでき、延長の裁判に対しても準抗告が可能である。このほか、公開の法廷で裁判官に勾留の理由を告げさせる勾留理由開示の手続もあり(刑事訴訟法82条以下)、面会が制限されている事件で家族が本人の様子を見る機会になるという実務上の意味もある。

外国人はなぜ勾留されやすいのか

逃亡のおそれが認められやすいことが最大の理由である。日本に定まった住居があっても、本国に帰国する可能性が指摘され、逃亡のおそれの評価につながることがある。在留資格を失っている場合や在留期間の満了が近い場合には、その傾向がさらに強まる。これに対しては、賃貸借契約書、勤務先の在籍資料、在留カードの写し、家族の在留状況を示す資料、身元引受書を整えて提出する。旅券を弁護人が預かり、出国できない状態にあることを示す方法がとられることもある。勾留が決まる前に意見書と資料を出せるよう、逮捕の連絡を受けた段階で速やかに弁護人を選任し、限られた72時間を使い切ることが重要である。

勾留は在留にどう影響するのか

身体拘束が長引けば、在留期間の満了が近い場合に本人が入管で更新の申請をすることができず、勤務先を離れた状態が続けば、在留資格に対応する活動を行っていないと評価される可能性も出てくる。また、刑事手続が終わっても、退去強制事由に該当する場合には入管の手続に移り、身体の拘束が続くことがある。判決の内容も在留に直結する。薬物に関する法令違反は、罰金や執行猶予付きの判決であっても有罪判決であれば退去強制事由に当たり(入管法24条4号チ)、在留資格の種類を問わない。1年を超える拘禁刑の実刑による退去強制事由(同条4号リ)は、全部執行猶予が付いた場合には当たらない。

よくある質問

逮捕されたら必ず勾留されるのですか。

必ず勾留されるわけではありません。検察官が勾留を請求しないこともあり、請求されても裁判官が要件を欠くとして却下することがあります。住居や勤務先が安定し、証拠がすでに確保されている事案では、身体を拘束する必要がないと判断される余地があります。勾留が決まる前に意見書と資料を提出することが有効です。

勾留されると何日くらい拘束されるのですか。

起訴前の勾留は勾留請求の日から10日が原則で、延長により通じて10日を超えない範囲で延びます。逮捕からの72時間と合わせると、起訴されるまでの身体拘束は最大で23日です。起訴された後は被告人としての勾留に切り替わり、期間は2か月、その後は1か月ごとに更新されていきます。

在留資格があっても勾留されやすいのですか。

在留資格があっても、本国に帰国する可能性を指摘され、逃亡のおそれが認められやすい傾向があります。住居や勤務先が安定していること、家族が日本にいること、身元引受人がいることを資料で具体的に示すことが対応の基本になります。旅券を弁護人が預かる方法がとられることもあります。

刑事事件が終われば身体拘束も終わりますか。

そうとは限りません。退去強制事由に該当する場合には、刑事手続の終了後に入管の手続へ移り、身体の拘束が続くことがあります。判決の内容によって退去強制事由に当たるかどうかが決まるため、刑事の見通しと入管の見通しを併せて検討しておく必要があります。

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最終更新日:2026年9月10日/執筆 弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)

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