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永住者が万引き・窃盗で有罪になったら在留資格はどうなる?|2027年の永住取消しと罰金の重要性

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永住者が万引き・窃盗で有罪になったら在留資格はどうなる?|2027年の永住取消しと罰金の重要性

永住者が万引き・窃盗で有罪になったら在留資格はどうなる?|2027年の永住取消しと罰金の重要性

2026/09/10

万引きを含む窃盗罪で有罪になっても、永住者の方が現行法で退去強制事由に当たるのは、1年を超える拘禁刑の実刑を受けた場合に限られます。罰金や執行猶予付きの判決で、直ちに在留資格を失うことはありません。

ただし窃盗罪は、2027年(令和9年)4月1日施行の改正入管法で、永住者の在留資格の取消事由とされる罪の一つです。この日以降は、拘禁刑に処せられれば執行猶予付きでも取消しの対象となりうるため、少額の万引きであっても、罰金にとどめるか不起訴を得るかが、これまで以上に重い意味を持ちます。

本記事の要点

  • 窃盗罪(刑法235条)は刑法第36章の罪で、入管法24条4号の2の列挙罪ですが、別表第二の永住者には4号の2が適用されません。
  • 現行法で永住者が退去強制事由に当たるのは、1年を超える拘禁刑の実刑(24条4号リ)の場合です。
  • 2027年4月1日以降、窃盗罪で拘禁刑に処せられると、執行猶予付きでも永住者の在留資格の取消事由(新22条の4第1項9号)となりえます。罰金は含まれません。
  • 常習累犯窃盗(盗犯等防止法)も列挙罪であり、万引きを繰り返すと取消しと退去強制の両方のリスクが高まります。

万引きや窃盗は何罪になり、どのような刑が定められていますか

万引きは、店の商品を持ち去る行為として刑法235条の窃盗罪に当たります。法定刑は10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です。

罪名(条文)法定刑取消制度の列挙罪か
窃盗(刑法235条)10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金はい(第36章)
事後強盗(刑法238条)強盗として5年以上の有期拘禁刑はい(第36章)
常習累犯窃盗(盗犯等防止法3条)3年以上の有期拘禁刑はい
遺失物等横領(刑法254条)1年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金若しくは科料いいえ(第38章)

万引きを見つかった後、逃げようとして店員を突き飛ばすなどすると、事後強盗罪として強盗と同じ扱いになり、罰金の選択肢がなくなります。反対に、置き忘れられて持ち主の占有を離れた物を持ち去った場合は、窃盗罪ではなく遺失物等横領罪にとどまることがあり、この罪は入管法の列挙罪に含まれていません。

逮捕された場合、どのくらいの期間で処分が決まりますか

身柄を拘束された事件では、逮捕から最長23日で起訴・不起訴が決まります。逮捕後48時間以内の送検(刑事訴訟法203条)、72時間以内の勾留請求(同法205条)、最長20日の勾留(同法208条)が続き、起訴前に保釈で出る制度はありません。

被害額が小さく、身元がはっきりしている万引きでは、逮捕されずに在宅で捜査が進むこともあります。取調べでは黙秘権が保障され(憲法38条1項)、弁護人は立会人なく接見できます(刑事訴訟法39条1項)。罰金で終わる場合の多くは、本人の同意を得て行う略式手続(100万円以下の罰金・科料)です。

永住者が窃盗で有罪になると、退去強制事由に当たりますか

現行法で当たるのは、無期又は1年を超える拘禁刑の実刑を受けた場合(入管法24条4号リ)だけです。刑の全部に執行猶予が付けば当たりません。

留学や技術・人文知識・国際業務など別表第一の在留資格であれば、窃盗罪で拘禁刑に処せられた時点で、執行猶予付きでも4号の2に当たります。永住者は別表第二のため4号の2の対象外ですが、2027年4月以降は取消制度という別の仕組みが働きます。

刑事手続の結果退去強制事由(24条)2027年4月以降の永住取消し(新9号)上陸拒否事由(5条1項4号)
不起訴(起訴猶予など)当たらない当たらない当たらない
罰金当たらない当たらない当たらない
1年未満の拘禁刑・執行猶予付き当たらない対象となりうる当たらない
1年以上の拘禁刑・執行猶予付き当たらない対象となりうる当たる
1年を超える拘禁刑・実刑4号リに当たる対象となりうる当たる

実刑で退去強制事由に当たっても、退去強制手続の中で在留特別許可(入管法50条)を求めることはできます。考慮される事情は同条5項に定められています。

2027年4月からの永住者の取消制度では、万引きも対象になりますか

対象になりえます。新22条の4第1項9号は、刑法第36章(窃盗及び強盗の罪)や盗犯等防止法の罪で拘禁刑に処せられたことを取消事由としており、被害額の大小による区別はありません。

条文は執行猶予の有無を区別していないため、執行猶予付きの判決でも対象となりうる一方、罰金は含まれません。取消しは「できる」とされた裁量的なもので、意見聴取(22条の4第2項)を経ます。取り消す場合も、引き続き在留することが適当でないと認められる場合を除き、職権で永住者以外の在留資格への変更が許可されます(新22条の6)。出入国在留管理庁の説明では、多くは定住者への変更が想定されています。

2026年9月時点では未施行であり、施行日より前に確定した判決の扱いは法文上明らかでないため、今後の運用を確認する必要があります。取消手続の一般的な流れは在留資格取消しとはで解説しています。

万引きを繰り返している場合、どのような点に注意が必要ですか

繰り返すほど刑は重くなり、在留への影響も段階的に大きくなります。初めてであれば不起訴や罰金で終わる余地がありますが、前に罰金を受けていれば公判請求される可能性が高まり、執行猶予中の再犯では実刑の可能性が高まります。

前に拘禁刑の全部の執行猶予を受けた方が再び執行猶予を得られるのは、2年以下の拘禁刑の言渡しで情状に特に酌量すべきものがある場合に限られます(刑法25条2項)。さらに、過去10年内に窃盗等で3回以上6月以上の拘禁刑の執行を受けた方が常習として窃盗を犯すと、常習累犯窃盗(盗犯等防止法3条)として3年以上の有期拘禁刑の対象となります。背景に窃盗症(クレプトマニア)などの問題がある場合は、医療機関での治療を早い段階で始めることが、再犯防止と処分の双方にとって重要です。

有罪となった後、海外渡航やご家族の在留にどう影響しますか

1年以上の拘禁刑に処せられた方は、執行猶予付きでも上陸拒否事由(入管法5条1項4号)に当たるため、出国すると再入国の審査で問題となりえます。再入国許可を受けて出国した場合などに上陸を拒否しないことができる特例(5条の2)はありますが、個別の判断です。判決後にみなし再入国許可で出国する際は、事前の相談をお勧めします。

永住者には在留期間の更新がありませんが、2027年以降に定住者へ変更されれば、以後は在留期間の更新(21条)のたびに素行が考慮されます。「永住者の配偶者等」で在留する配偶者や子にとっても、ご本人の在留資格は前提となる事情です。

不起訴や罰金にとどめるため、弁護人は何をしますか

窃盗事件の弁護では、被害店舗や被害者への弁償と示談が最も重要です。商品代金の支払いにとどまらず、被害届の取下げや宥恕の意思表示が得られれば、起訴猶予の可能性が高まります。店舗によっては示談に応じない方針をとっている場合もあるため、弁償の申入れの経過自体を記録に残し、検察官に示します。

2027年以降、永住者の方にとっては執行猶予では足りない場面が生じます。起訴が避けられない場合でも、略式手続による罰金で終わるよう、反省文、家族の監督、治療の状況などをまとめた意見書を提出します。持ち去りの故意がなかった、会計を忘れたなど事実に争いがある場合は、防犯カメラの映像や店内での行動を検証します。窃盗事件の一般的な弁護は窃盗事件のご相談でも紹介しています。

舟渡国際法律事務所の弁護方針を教えてください

当事務所は、起訴前に不起訴処分を得ることを第一の目標とし、刑事弁護と入管手続を一つの事件として扱います。窃盗罪は取消制度の列挙罪であるため、刑事の結論が永住者の地位に直結するという前提で方針を立てます。これまでにも、特殊詐欺の出し子・受け子とされた方について不起訴を得た例があります。

松村大介弁護士が接見の初動から在留手続まで自ら担当し、外国人事件専属の中国語通訳が接見に同行します。この通訳は捜査機関の通訳とは別に、ご本人のために働きます。中国本土のご家族とは微信(WeChat ID:matsumura1119)で直接やり取りできます。

よくある質問

永住者が万引きで罰金になった場合、永住資格は取り消されますか

罰金は、2027年施行の新22条の4第1項9号にいう拘禁刑に当たらないため、この規定による取消しの対象にはなりません。退去強制事由にも当たりません。

窃盗罪で執行猶予付き判決を受けた永住者は、日本にいられなくなりますか

現行法では退去強制事由に当たりません。ただし2027年4月1日以降は取消事由となりえ、取り消された場合は、在留が適当でない場合を除き定住者などへの変更が許可される仕組みです。

2027年より前に判決が確定していれば、取消制度は関係ありませんか

施行前に確定した判決の扱いは法文上明らかではありません。現時点で断定はできず、今後の運用を確認する必要があります。

置き引きで逮捕された場合も窃盗罪になりますか

持ち主の占有が残っていれば窃盗罪、占有を離れた物であれば遺失物等横領罪となりえます。遺失物等横領罪は入管法の列挙罪に含まれていません。

万引き後に店員を振り払って逃げた場合はどうなりますか

逮捕を免れるために暴行を加えると、事後強盗罪として強盗と同じく5年以上の有期拘禁刑の対象となります。罰金の選択肢がなく、在留への影響も大きくなります。

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本記事は一般的な解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。見通しは罪名、在留資格、在留歴、家族関係などの事情によって変わります。具体的なご事情はお問い合わせからご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年9月時点の情報です。

中国人の刑事事件と在留資格の全体像は、中国人の刑事事件|逮捕から不起訴・退去強制までにまとめています。あわせてご覧ください。

執筆:松村大介(弁護士・第一東京弁護士会所属/登録番号59077)。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田3-4-10 布施ビル本館3階)代表。外国人の刑事事件と在留(退去強制・在留特別許可)を主たる注力分野とし、中国語圏の依頼者の事件を数多く取り扱う。外国人事件専属の中国語通訳が在籍し、逮捕直後の接見から在留手続まで弁護士本人が一貫して対応する。

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