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在留資格取消しとは|入管法22条の4の取消事由・意見聴取・出国猶予期間を弁護士が解説

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在留資格取消しとは|入管法22条の4の取消事由・意見聴取・出国猶予期間を弁護士が解説

在留資格取消しとは|入管法22条の4の取消事由・意見聴取・出国猶予期間を弁護士が解説

2026/09/10

在留資格取消しとは、日本に在留する外国人について、偽りその他不正の手段により許可を受けたこと、在留資格に対応する活動を行っていないこと、住居地の届出義務に違反したことなどの事由があるときに、法務大臣がその在留資格を取り消す処分をいう。(入管法22条の4)

  • 取消しは在留資格を失わせる処分で、退去強制とは異なる。
  • 不正な取得のほか、活動を行っていない状態も対象になる。
  • 住居地の届出をしないことや虚偽の届出も取消事由となる。
  • 取消しの前に意見聴取があり、代理人も出頭できる。
  • 類型により、出国猶予期間が指定されないことがある。

在留資格取消しはどのような場合に行われるのか

取消事由は入管法22条の4第1項に限定列挙されており、入管が自由に取り消せるわけではない。大きくは、偽りその他不正の手段により許可を受けた類型、在留資格に対応する活動を行っていない類型、住居地の届出義務に違反した類型に整理できる。いずれも形式的な当てはめだけで決まるものではなく、正当な理由の有無が実際の争点になることが多い。

取消事由の類型主な内容出国猶予期間
上陸段階の不正上陸拒否事由に当たらないと偽り、または活動内容を偽って上陸の許可を受けた場合指定されない
在留中の不正取得不正の手段により変更や更新の許可を受けた場合30日以内で指定
活動の不実施本来の活動を行わず、他の活動を行い、または行おうとしている場合30日以内で指定
活動の中断正当な理由なく3か月以上活動していない場合30日以内で指定
配偶者としての活動の中断日本人の配偶者等などで6か月以上の場合30日以内で指定
届出義務違反90日以内に住居地を届け出ない場合、虚偽の届出をした場合30日以内で指定

活動を行っていないとはどのような状態か

就労資格や留学については、正当な理由なく3か月以上その活動を行っていない状態が対象になる。退職や退学から3か月が過ぎたというだけで自動的に取り消されるわけではなく、次の就職先を探して具体的に応募していること、病気の療養中であること、出産や育児のために一時的に就労していないことなどが正当な理由として考慮される。応募の記録、診断書、離職票といった資料を早めにそろえておきたい。

取消しの前にはどのような手続があるのか

在留資格を取り消す前には必ず意見聴取が行われる。通知書が送達され、指定された期日に出頭して、取消事由に当たらないことや正当な理由があることを述べ、資料を提出することができる。弁護士を代理人として出頭させることもでき、通訳を通じた陳述も可能である。正当な理由なく出頭しないと、言い分を述べる機会がないまま判断がされ得るため、この段階が実質的な分かれ目になる。

取り消されると必ず退去強制されるのか

そうとは限らない。取消しは在留資格を失わせる処分にとどまる。上陸段階の不正を理由とする一部の類型では出国猶予期間が指定されず直ちに退去強制手続に移るが、それ以外では30日を超えない範囲で出国のための期間が指定される。この期間内に自ら出国すれば退去強制を受けたことにはならない。期間を過ぎると在留資格のない状態が続き、退去強制の対象になる。猶予期間中は住居の制限や呼出しに応じる義務を課されることがある。

処分に納得できないときは何ができるのか

取消処分に対しては、裁判所に取消訴訟を提起して争うことができる。もっとも猶予期間は最長でも30日と短いため、執行停止の申立てを併せて検討することになる。実際には、意見聴取の段階で説明しきること、取消しに至る前に別の在留資格への変更を申請することが現実的な選択肢になる場合も多い。通知書が届いた時点で早めにご相談いただきたい。

取消しを受けた後の在留や再入国にはどう影響するのか

猶予期間内に自ら出国した場合は退去強制歴が残らないため、法律上一律の上陸拒否期間は生じない。ただし取消しの経緯は記録として残り、その後の査証申請や在留資格の申請で説明を求められる。特に不正な取得を理由とする取消しは、申請内容の信用にかかわるため影響が長く残りやすい。なお、刑事事件を起こしたこと自体は取消事由ではないが、退去強制事由の側で別に検討を要する。薬物に関する法令違反は、罰金や執行猶予付きの判決であっても有罪判決であれば退去強制事由に当たり(入管法24条4号チ)、在留資格の種類を問わない。1年を超える拘禁刑の実刑による退去強制事由(同条4号リ)は、全部執行猶予が付いた場合には当たらない。

よくある質問

在留資格を取り消されたら、すぐに日本を出なければならないのですか。

類型によります。上陸段階の不正を理由とする一部の類型では出国猶予期間が指定されず、直ちに退去強制手続に移ります。それ以外では30日を超えない範囲で出国のための期間が指定され、その間に準備をすることができます。指定された期間を過ぎると退去強制の対象になります。

会社を退職して3か月が過ぎましたが、必ず取り消されますか。

期間が過ぎたことだけで自動的に取り消されるわけではありません。転職先を探して応募を続けていること、病気で療養していること、出産や育児のために一時的に働いていないことなどが正当な理由として考慮されます。応募の記録や診断書など、説明を裏づける資料を残しておくことが大切です。

意見聴取の通知が届きました。出頭しないとどうなりますか。

正当な理由なく出頭しないと、こちらの言い分を述べる機会がないまま判断がされ得ます。意見聴取は、取消事由に当たらないことや正当な理由を直接説明できる貴重な機会です。日程が合わない場合も放置せず、入管に連絡した上で、弁護士を代理人として出頭させることをご検討ください。

取消しと退去強制は何が違うのですか。

取消しは在留資格を失わせる処分、退去強制は強制的に退去させる手続です。取消しを受けても、指定された期間内に自ら出国すれば退去強制を受けたことにはなりません。退去強制を受けると一定の期間は日本に上陸できなくなるため、自ら出国できるかどうかは再入国の可能性に大きく影響します。

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最終更新日:2026年9月10日/執筆 弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)

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