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他人名義のクレジットカードで買い物・転売をして逮捕されたら|詐欺罪の刑罰と在留資格への影響

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他人名義のクレジットカードで買い物・転売をして逮捕されたら|詐欺罪の刑罰と在留資格への影響

他人名義のクレジットカードで買い物・転売をして逮捕されたら|詐欺罪の刑罰と在留資格への影響

2026/09/10

他人名義のクレジットカードや不正に手に入れたカード番号で商品を買う行為は、詐欺罪(刑法246条)又は電子計算機使用詐欺罪(246条の2)に当たり、どちらも法定刑は10年以下の拘禁刑だけで罰金刑がありません。そのため有罪になれば刑は拘禁刑しかなく、別表第一の在留資格の方は、執行猶予が付いても入管法24条4号の2の退去強制事由に当たります。

買った商品を受け取って転売する役割も、盗品等に関する罪(第39章)として同じ列挙罪に含まれます。別表第一の方にとって在留を守る現実的な道は、起訴されずに事件を終えることです。永住者や別表第二の方との違いも含めて整理します。

本記事の要点

  • 詐欺罪・電子計算機使用詐欺罪には罰金刑がなく、略式命令による罰金で終わる余地もありません。
  • 別表第一の方は、有罪判決を受ければ執行猶予付きでも退去強制事由(4号の2)に当たります。
  • 商品の受取りや転売は、詐欺の共犯又は盗品等に関する罪に問われることがあり、いずれも4号の2の対象です。
  • 永住者・別表第二の方は、現行法では1年を超える実刑でなければ退去強制事由になりませんが、永住者は2027年4月から取消制度の対象になります。

他人名義のカードや盗まれたカード情報で買い物をすると、何罪になりますか

店頭で他人名義のカードを示して商品を受け取れば、詐欺罪が成立します。最高裁は、名義人になりすまして他人名義のカードを使った事案で、名義人の承諾があると誤信していたとの主張を退け、詐欺罪の成立を認めています(最決平成16年2月9日刑集58巻2号89頁)。

インターネット通販で不正に入手したカード番号を入力して購入した場合は、取引の仕組みに応じて詐欺罪又は電子計算機使用詐欺罪として扱われます。電子マネーやデジタルコンテンツのように、人の判断を介さず機械的に処理される取引では、後者が問題になりやすいといえます。他人のIDやパスワードで決済アカウントにログインしていれば、不正アクセス禁止法違反(11条、3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金)も加わりますが、こちらは4号の2の列挙罪ではありません。

なぜ「罰金で済む」ことが期待できないのですか

法律が罰金という刑を用意していないからです。詐欺罪と電子計算機使用詐欺罪の法定刑は、いずれも「10年以下の拘禁刑」のみです。

罰金刑のある罪であれば、比較的軽い事案は略式命令(100万円以下の罰金)で終わることがあり、別表第一の方でも罰金なら4号の2には当たりません。ところがこの類型では、起訴されれば正式な裁判となり、有罪なら拘禁刑しかありません。初犯で被害額が小さく、執行猶予が付く見込みが高い事案であっても、別表第一の方にとっては「執行猶予だから安心」とはいえないのです。執行猶予の一般的な意味は執行猶予とはで解説しています。

商品を受け取った人や転売した人も、同じように処罰されますか

役割によって罪名は変わりますが、いずれも拘禁刑を中心とする重い罪です。指示役と連絡を取り合い、購入した商品を空き部屋や自宅で受け取って送り直していれば、詐欺の共同正犯や幇助犯に問われることがあります。

詐欺で得られた物と知りながら買い取ったり、フリマアプリなどでの売却を仲介したりすれば、盗品等有償譲受け・有償処分あっせん罪(256条2項)です。刑は「10年以下の拘禁刑及び50万円以下の罰金」で、罰金だけを科すことはできません。無償で譲り受けた場合(同条1項)も3年以下の拘禁刑のみです。刑法第39章の罪ですので、4号の2の対象になる点は詐欺と変わりません。

もっとも、受取りや買取りの時点で不正な品物だと知らなければ、罪は成立しません。「高額な報酬の割に仕事が簡単すぎた」「相場より極端に安かった」といった事情から知っていたと推認されやすいため、当時の認識を丁寧に説明できるかが重要になります。

逮捕されてから起訴・不起訴が決まるまで、どのくらいかかりますか

最長で逮捕から23日です。警察は48時間以内に検察官へ送致し(刑事訴訟法203条)、検察官は逮捕から72時間以内に勾留を請求します(205条)。勾留は10日、延長されればさらに最長10日です(208条)。

起訴前の保釈はなく、共犯者との口裏合わせを防ぐ目的で接見等禁止(81条)が付されることもあります。複数の購入行為がある事件では、一つの件で勾留の期間を使い切った後、別の件で再逮捕されて拘束が長引くこともあります。弁護人は立会人なしで接見できますので(39条1項)、黙秘権(憲法38条1項)を含め、取調べへの向き合い方を早い段階で一緒に考えます。領事機関への通報を求める権利もあります(領事関係に関するウィーン条約36条1項(b))。

退去強制事由に当たりますか。在留資格ごとの違いを教えてください

別表第一の方は有罪になれば当たり、永住者と別表第二の方は1年を超える実刑でなければ当たりません。詐欺(第37章)と盗品等(第39章)は、いずれも入管法24条4号の2に列挙されています。

刑事手続の結果別表第一(留学・技術・人文知識・国際業務・家族滞在など)永住者日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者
不起訴(起訴猶予・嫌疑不十分)4号の2には当たらない当たらない当たらない
拘禁刑・全部執行猶予4号の2に該当現行法では当たらない(2027年4月以降は取消事由)当たらない
1年以下の実刑4号の2に該当現行法では当たらない(2027年4月以降は取消事由)当たらない
1年を超える実刑4号の2・4号リに該当4号リに該当4号リに該当

この類型の表には「罰金」の行がありません。罰金刑のない罪だからです。退去強制事由に当たっても、退去強制手続の中で在留特別許可(50条)を求めることはできますが、許否は家族関係や在留期間などの事情によって左右されます。

在留期間の更新や、永住者の在留資格にはどう影響しますか

退去強制事由に当たらない方でも、更新・変更の審査では素行の善良さが問われます(21条・20条)。財産犯の有罪判決は不利な事情として考慮されやすく、更新が認められなければ在留期間の満了で在留資格を失います。

永住者の方については、2027年4月1日から、詐欺や盗品等の罪で拘禁刑に処せられたことが在留資格の取消事由になります(新22条の4第1項9号)。執行猶予付きも含む文言です。取り消す場合でも、在留が適当でないと認められる場合を除き、職権で永住者以外の在留資格への変更が許可されます(新22条の6)。2026年9月現在は未施行で、施行前に確定した判決の扱いは法文上明らかでないため、今後の運用を確認する必要があります。

帰国した後、日本に戻ることはできますか

1年以上の拘禁刑に処せられた方は、執行猶予付きであっても上陸拒否事由に当たります(5条1項4号)。退去強制された場合は、原則として退去の日から5年間(過去にも退去強制歴があれば10年間)、上陸を拒否されます(5条1項9号)。

再入国許可を受けて出国した場合などには上陸拒否の特例(5条の2)もありますが、相当と認められるかは個別の判断です。判決後の出国は、戻れなくなる可能性を踏まえて弁護士と相談してから決めることをお勧めします。

不起訴を目指すには、何が重要ですか

来日外国人の事件でも、不起訴で終わる例は少なくありません。令和6年の来日外国人被疑事件の起訴率は44.28%、起訴猶予率は48.35%でした(法務省「令和7年版犯罪白書」)。この類型で検察官の判断を動かす要素は、主に次の3つです。

  • 認識の立証:不正なカード・品物だと知らなかったことを、指示役とのやり取り、報酬の額、仕事の内容から具体的に説明します。
  • 被害の回復:被害を受けた加盟店やカード会社に弁償し、示談書や受領書を検察官に届けます。被害者のいる罪ですので、早期の被害回復は起訴猶予の判断で重く見られうる事情です。
  • 関与の程度と生活の基盤:末端の役割にとどまること、前科がないこと、家族や勤務先・学校による監督の見込みを意見書にまとめます。

不起訴の種類と効果については不起訴処分とはをご覧ください。

当事務所はどのように関わりますか

当事務所では、詐欺関連の事件について、起訴される前に不起訴処分を得ることを第一の目標にしています。罰金という着地点がない以上、別表第一の方の在留を守るにはそれが最も確かな道だからです。過去には、特殊詐欺の現金引出し役や受取り役とされた方について、不起訴で事件を終えた例もあります。

松村大介弁護士が逮捕直後の接見から入管手続まで自ら担当し、外国人事件専属の中国語通訳が接見に同行してご本人の言葉を正確に伝えます。中国本土のご家族には、微信(WeChat ID:matsumura1119)で直接状況をご報告できます。

よくある質問

友人から「自分のカードを使っていい」と言われて使いました。それでも詐欺になりますか。

名義人本人になりすまして使えば、承諾があると思っていたとしても詐欺罪が成立しうるとした最高裁決定があります(最決平成16年2月9日刑集58巻2号89頁)。承諾の有無や経緯は、情状として意味を持ちます。

初犯で被害額も少額です。罰金で終わる可能性はありますか。

詐欺罪と電子計算機使用詐欺罪には罰金刑がないため、罰金で終わることはありません。起訴されれば有罪の場合は拘禁刑となりますので、不起訴を目指すことが重要です。

フリマアプリで安く仕入れた商品を転売しただけです。罪になりますか。

詐欺などで得られた物と知りながら有償で仕入れた場合は、盗品等有償譲受け罪(刑法256条2項)に当たりえます。知らなかったのであれば罪は成立しませんが、仕入れ値が相場と比べて極端に安い場合などは、知っていたと推認されやすくなります。

技術・人文知識・国際業務の在留資格で働いています。執行猶予なら仕事を続けられますか。

技術・人文知識・国際業務は別表第一の在留資格ですので、詐欺罪で執行猶予付きの拘禁刑に処せられれば退去強制事由に当たります。退去強制手続の中で在留特別許可を求める道はありますが、許否は事情次第です。

日本人の配偶者等の在留資格です。退去強制の心配はありますか。

別表第二の在留資格ですので、4号の2は適用されません。退去強制事由となるのは、原則として1年を超える実刑の場合(4号リ)です。ただし、更新の審査では素行の評価に影響しえます。

関連コラム

本記事は一般的な解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。見通しは罪名、在留資格、在留歴、家族関係などの事情によって変わります。具体的なご事情はお問い合わせからご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年9月時点の情報です。

中国人の刑事事件と在留資格の全体像は、中国人の刑事事件|逮捕から不起訴・退去強制までにまとめています。あわせてご覧ください。

執筆:松村大介(弁護士・第一東京弁護士会所属/登録番号59077)。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田3-4-10 布施ビル本館3階)代表。外国人の刑事事件と在留(退去強制・在留特別許可)を主たる注力分野とし、中国語圏の依頼者の事件を数多く取り扱う。外国人事件専属の中国語通訳が在籍し、逮捕直後の接見から在留手続まで弁護士本人が一貫して対応する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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