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住居侵入・建造物侵入で逮捕されたら|罪名・刑罰と在留資格(強制送還)への影響

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住居侵入・建造物侵入で逮捕されたら|罪名・刑罰と在留資格(強制送還)への影響

住居侵入・建造物侵入で逮捕されたら|罪名・刑罰と在留資格(強制送還)への影響

2026/09/10

住居侵入罪・建造物侵入罪(刑法130条)の法定刑は3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金で、罰金にとどまれば、この罪を理由に入管法の退去強制事由に当たることはありません。反対に、別表第一の在留資格の方が拘禁刑に処せられると、執行猶予付きでも24条4号の2に当たるため、罰金になるか拘禁刑になるかが在留の行方を大きく分けます。

侵入の罪は、盗撮、元交際相手とのトラブル、窃盗などと組み合わさって問われることがあり、組み合わせ次第で在留上の意味が変わります。本記事では、その違いと、不起訴や罰金を目指す弁護活動を具体的に説明します。

本記事の要点

  • 住居侵入・建造物侵入は刑法第2編第12章の罪で、4号の2の列挙罪です。
  • 別表第一の方は拘禁刑なら執行猶予付きでも退去強制事由に当たり、罰金なら当たりません。
  • 盗撮やストーカー行為そのものは列挙外でも、侵入が加わると列挙罪を含む判決になります。
  • 2027年4月1日以降は、永住者も第12章の罪で拘禁刑に処せられると在留資格取消しの対象になります。

住居侵入・建造物侵入は、どのような場合に成立しますか

正当な理由なく、人の住居や、人が管理する邸宅・建造物に入った場合、又は退去を求められたのに出て行かなかった場合(不退去罪)に成立します。法定刑はいずれも3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金です。

誰でも出入りできる店舗や駅、公共施設であっても、管理者が許さないような目的で立ち入れば建造物侵入に当たりうる点に注意が必要です。最高裁も、現金自動預払機の利用客の暗証番号などを盗撮する目的で、営業中の銀行の出張所に立ち入った行為について、建造物侵入罪の成立を認めています(最高裁平成19年7月2日決定)。

どのような場面で問題になり、他にどの罪が問われますか

侵入は、それ自体が目的というより、別の行為の手段となっている場合があります。一緒に問われる罪が4号の2に列挙されているかどうかで、在留上の見通しが変わります。

典型的な場面併せて問われうる罪その罪は4号の2の列挙罪か
盗撮目的で商業施設のトイレや更衣室に入る性的姿態等撮影罪(3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金)列挙されていない。ただし建造物侵入は列挙罪
別れた交際相手の自宅に押しかけるストーカー規制法違反など列挙されていない。ただし住居侵入は列挙罪
物を盗む目的で住宅や事務所に入る窃盗罪(10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金)列挙罪(第36章)
立入禁止の空き地や他人の田畑に入る軽犯罪法1条32号(拘留又は科料)列挙されていない

最後の例のように、建物や囲まれた敷地ではない場所への立入りは、住居侵入ではなく軽犯罪法の問題にとどまることがあります。どこに、どのように入ったのかは、罪名を決める重要な事実です。

逮捕されると、どのような流れで処分が決まりますか

逮捕から最長23日の間に、起訴するか、略式命令による罰金とするか、不起訴とするかが決まります。72時間以内に勾留請求の有無が判断され、勾留は10日、延長されると最長でさらに10日です。起訴前の保釈はありません。

住居侵入罪には罰金刑があるので、事件の内容によっては、ご本人の同意のもとで略式命令(100万円以下の罰金)により終わることがあります。これは別表第一の方にとって、在留を守るための現実的な選択肢の一つです。取調べでは黙秘権があり、弁護人とは立会人なしで接見できます(刑訴法39条1項)。

退去強制事由に当たりますか。在留資格ごとの違いは

別表第一の方は、拘禁刑に処せられれば執行猶予付きでも4号の2に当たります。別表第二と永住者の方には4号の2は適用されず、1年を超える実刑(4号リ)でない限り、刑罰を理由とする退去強制事由には当たりません。

在留資格不起訴罰金執行猶予付き拘禁刑1年を超える実刑
別表第一(留学、技術・人文知識・国際業務、特定技能、家族滞在など)当たらない当たらない4号の2に当たる4号の2・4号リに当たる
別表第二(日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者)当たらない当たらない当たらない4号リに当たる
永住者当たらない当たらない当たらない(2027年4月以降は取消し事由)4号リに当たる

いずれに当たる場合でも、退去強制手続の中で在留特別許可(50条)を求める道は残されています。拘禁刑という刑の内容は拘禁刑とはで解説しています。

盗撮やつきまといと一緒に問われると、なぜ在留上の意味が変わるのですか

盗撮のための侵入のように、ある罪が別の罪の手段となっている場合は、一般に牽連犯として両方の罪が成立し、最も重い刑で処断されます(刑法54条1項)。判決は住居侵入・建造物侵入についても有罪とするので、別表第一の方が拘禁刑に処せられれば、4号の2の問題が生じると考えておくべきです。

つまり、盗撮だけで起訴されていれば列挙外の罪で済んだ事件でも、侵入が加わることで在留上のリスクが一段上がります。こうした事件では、侵入の事実そのものを争えないか、罰金にとどめられないかを、早い段階から検討します。性犯罪の弁護全般は性犯罪の刑事弁護をご覧ください。

在留期間の更新や永住申請、2027年の改正への影響は

更新(21条)・変更(20条)では素行の善良さが考慮されるため、罰金でも不利に働くことがあります。永住許可(22条)の審査でも、前科は大きな障害になりえます。

永住者の方については、2027年4月1日施行の改正で、第12章の罪により拘禁刑に処せられたことが在留資格取消しの事由になります(新22条の4第1項9号)。罰金は対象外です。取り消す場合も、引き続き在留させることが適当でないと認められるときを除き、職権で他の在留資格への変更が許可されます(新22条の6)。施行前に確定した判決の扱いは法文上明らかでなく、今後の運用を確認する必要があります。

出国や再入国に支障はありますか

住居侵入罪の法定刑の上限は3年なので、単独でも、また窃盗などと併せて問われればなおさら、1年以上の拘禁刑となる可能性があります。1年以上の拘禁刑に処せられたことは、執行猶予付きでも上陸拒否事由(5条1項4号)に当たります。再入国許可による例外(5条の2)はあるものの、判決後にみなし再入国許可で出国すると戻れなくなるおそれがあるため、事前に弁護士へ相談してください。

不起訴や罰金を目指して、どのような弁護活動をしますか

住居侵入罪には、住人や施設の管理者という被害者がいます。まず、その方々に謝罪し、示談と宥恕を得ることが中心になります。元交際相手の事件では、今後近づかないことの誓約や転居など、被害者の不安を取り除く具体的な約束が、示談を成立させる鍵になります。

事実を争うべき事件もあります。酔って自宅と誤信した、以前は立入りを許されていた、施設の通常の利用だったといった事情は、故意や「正当な理由」の有無に関わります。そのうえで、別表第一の方については、仮に起訴が避けられない場合でも、罰金にとどめるよう検察官に意見を述べることが、在留を守るうえで大きな意味を持ちます。

当事務所の対応

当事務所は、まず不起訴処分を、それが難しい事件では罰金での終結を目標に据え、在留資格の種類に応じて処分の見通しを組み立てます。刑事の結論が在留にどう響くかを最初から計算に入れて動く点が、外国人の刑事事件では欠かせません。

松村大介弁護士が最初の接見から在留の手続まで担当し、外国人事件専属の中国語通訳が同行して、ご本人のために事情を正確に聴き取ります。中国本土のご家族とは微信(WeChat ID:matsumura1119)で直接やり取りしています。在留との関係は外国人刑事・在留Q&Aもご参照ください。

よくある質問

お酒に酔って、自宅と間違えて他人の家に入ってしまいました。罪になりますか。

住居侵入罪は故意犯なので、本当に自宅と誤信していたのであれば、罪は成立しないか、少なくとも処分を大きく左右する事情になります。当日の飲酒量、帰宅経路、建物の外観が似ていることなどを、早い段階で客観的な資料とともに整理しておくことが大切です。

罰金になった場合でも、在留期間の更新は大丈夫でしょうか。

罰金にとどまれば入管法24条4号の2には当たりませんが、更新(21条)の審査では素行の善良さが考慮されるため、不利に働くことはあります。事件の経緯、反省の状況、被害者との示談の内容を、更新申請の際に説明できるよう準備しておくと安心です。

元交際相手の部屋の合鍵を持っていたので入りました。それでも住居侵入になりますか。

合鍵を持っていても、居住者が立入りを拒んでいる状況で入れば、住居侵入罪に当たりえます。以前に立入りを許されていたか、別れた後に鍵の返還を求められていたかなど、居住者の意思がどうだったかが争点になります。

盗撮目的でトイレに入ったことで、在留資格にどんな影響がありますか。

盗撮そのもの(性的姿態等撮影罪)は4号の2の列挙罪ではありませんが、そのために施設へ立ち入れば建造物侵入罪が加わり、こちらは列挙罪です。別表第一の方が拘禁刑になれば、執行猶予付きでも4号の2の問題が生じると考えておくべきです。

永住者ですが、2027年以降に住居侵入で罰金になった場合はどうなりますか。

2027年4月1日から始まる永住者の在留資格取消し(新22条の4第1項9号)は、拘禁刑に処せられた場合が対象で、罰金は含まれません。したがって、罰金にとどまれば、この取消し事由には当たりません。

関連コラム

本記事は一般的な解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。見通しは罪名、在留資格、在留歴、家族関係などの事情によって変わります。具体的なご事情はお問い合わせからご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年9月時点の情報です。

中国人の刑事事件と在留資格の全体像は、中国人の刑事事件|逮捕から不起訴・退去強制までにまとめています。あわせてご覧ください。

執筆:松村大介(弁護士・第一東京弁護士会所属/登録番号59077)。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田3-4-10 布施ビル本館3階)代表。外国人の刑事事件と在留(退去強制・在留特別許可)を主たる注力分野とし、中国語圏の依頼者の事件を数多く取り扱う。外国人事件専属の中国語通訳が在籍し、逮捕直後の接見から在留手続まで弁護士本人が一貫して対応する。

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