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マッサージ店・風俗店の摘発で逮捕されたら|売春防止法・風営法の刑罰と在留資格(強制送還)への影響

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マッサージ店・風俗店の摘発で逮捕されたら|売春防止法・風営法の刑罰と在留資格(強制送還)への影響

マッサージ店・風俗店の摘発で逮捕されたら|売春防止法・風営法の刑罰と在留資格(強制送還)への影響

2026/09/10

売春やその周旋・客引き・場所の提供など、売春に直接関係する業務に従事している外国人は、刑罰を受けたかどうかに関係なく、入管法24条4号ヌの退去強制事由に当たります。この号は在留資格を限定していないため、留学や技術・人文知識・国際業務の方だけでなく、永住者や日本人の配偶者等も対象です。

売春防止法の罪そのものは、4号の2の列挙には入っていません。それでも在留への影響が大きいのは、刑事手続とは別に、入管が行為の事実だけで退去強制を進められる構造になっているからです。本記事では、マッサージ店・風俗店をめぐる摘発を念頭に、刑事と入管の両面を整理します。

本記事の要点

  • 4号ヌは刑罰を要しない退去強制事由で、不起訴になっても入管が独自に認定しうる点が最大の特徴です。
  • 別表第一・別表第二の区別なく、永住者を含むすべての在留資格の方が対象です。
  • 売春に直接関係する業務に従事したことのある者は、5条1項7号により期間の定めのない上陸拒否事由にも当たります。
  • 人身取引等で他人の支配下に置かれている方は、4号ヌからも7号からも除かれます。

マッサージ店・風俗店の摘発では、どのような罪に問われますか

中心となるのは売春防止法と風営法です。売春防止法3条は売春を禁止していますが、売春をした本人や客を処罰する規定はありません。処罰の対象は、公衆の目に触れる方法での勧誘や客待ち(5条、6月以下の拘禁刑又は2万円以下の罰金)、周旋(6条、2年以下の拘禁刑又は5万円以下の罰金)、情を知っての場所の提供(11条1項、3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金)、場所の提供を業とすること(同条2項、7年以下の拘禁刑及び30万円以下の罰金)、人を居住させて売春をさせる業(12条、10年以下の拘禁刑及び30万円以下の罰金)などです。

風営法では、個室で異性の客に接触する役務を提供する店舗型性風俗特殊営業には公安委員会への届出が必要で(27条1項)、届出をせずに営むと6月以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金又は併科です(53条5号)。学校などの周囲200mの禁止区域での営業は、5年以下の拘禁刑若しくは1000万円以下の罰金又は併科の対象となります(28条1項、49条5号)。

逮捕された後は、どのように手続が進みますか

逮捕から72時間以内に勾留の可否が決まり、勾留されると延長を含めて最長20日、逮捕から数えて最長23日の間に起訴・不起訴が決まります。起訴前の保釈はありません。取調べでは黙秘権があり、弁護人とは立会人なしで接見できます。

この類型で特に注意したいのは、刑事手続が終わっても手続が終わらないことがある点です。不起訴で釈放される際に、入管の収容令書などにより身柄が入管に移り、退去強制手続が始まることがあります。入国審査官の認定に不服があれば通知から3日以内に口頭審理を請求でき(48条)、その判定にも3日以内に法務大臣へ異議を申し出られます(49条)。期限が極めて短いため、刑事段階から入管手続を見越した準備が必要です。

退去強制事由に当たりますか(在留資格・処分の別による比較)

売春に直接関係する業務に従事していると認められれば、在留資格や刑罰の有無を問わず4号ヌに当たります。他方、売春防止法違反は4号の2に列挙されていないため、罰金や執行猶予付きの拘禁刑になっても、それを理由に4号の2が適用されることはありません。

状況別表第一(留学・家族滞在・技人国・経営・管理・特定技能・短期滞在など)別表第二・永住者(永住者・日本人の配偶者等・定住者など)
売春に直接関係する業務に従事(不起訴・刑罰なしを含む)4号ヌに当たる4号ヌに当たる
売春防止法違反で罰金・執行猶予付き拘禁刑4号の2には当たらない(4号ヌは別途問題)4号の2の対象外(4号ヌは別途問題)
管理売春などで実刑1年超4号リにも当たる4号リにも当たる
届出のある風俗店で売春を伴わずに就労資格外活動(4号イ・4号ヘが問題)就労制限がないため、それ自体は退去強制事由ではない
人身取引等で支配下に置かれていた4号ヌから除外4号ヌから除外

なお、4号ヌの条文は「従事する者」と現在形で書かれ、上陸拒否の5条1項7号は「従事したことのある者」と書き分けられています。過去の一時期の関与が現在の「従事する者」に当たるかは、事案によっては争点になりえます。

別表第一の在留資格で風俗店・マッサージ店で働くと、どうなりますか

売春を伴わない仕事でも、別表第一の方が風俗店で報酬を得ることは資格外活動となります。留学や家族滞在の方の週28時間の包括許可は、風俗営業や性風俗関連特殊営業の営業所での活動を対象外としています(入管法施行規則19条5項1号)。無許可の就労は入管法73条により1年以下の拘禁刑若しくは200万円以下の罰金又は併科となり、拘禁刑なら4号ヘ、専ら行っていると明らかに認められれば刑罰がなくても4号イに当たりえます。

本来の活動をしていない状態が続けば、在留資格取消し(22条の4第1項5号・6号)の問題も生じます。留学生が学校に通わずに働いていた場合などが典型です。

在留期間の更新や在留資格の変更に影響しますか

刑事処分が罰金や不起訴にとどまっても、更新(21条)・変更(20条)の審査では素行が善良かどうかが考慮され、不利に働く可能性は高いと考えられます。更新が認められなければ、在留期間の満了によって在留を失います。永住許可(22条)の素行善良要件にも影響します。

日本人の配偶者等の方の場合、婚姻の実体が問われる場面で、就労の実態が説明を求められることもあります。配偶者としての活動を6か月以上行っていない状態は、在留資格取消し(22条の4第1項7号)の対象になりうる点にも注意が必要です。

出国・再入国にはどのような影響がありますか

最も重い影響は、売春に直接関係する業務に従事したことのある者が5条1項7号の上陸拒否事由に当たり、この号に期間の定めがないことです。退去強制による上陸拒否期間(原則5年、再度なら10年)が過ぎても、7号の問題は残ります。

再入国許可を受けている場合などには、7号に当たっても上陸を拒否しない特例(5条の2)が設けられていますが、許否は個別の判断です。また、管理売春などで1年以上の拘禁刑に処せられれば、執行猶予付きでも5条1項4号の上陸拒否事由に当たります。上陸拒否の仕組みは上陸拒否期間とはで詳しく説明しています。

店を経営・管理していた人や、人身取引の被害者の場合はどうなりますか

経営者や店長は、売春をさせる業(12条)や場所提供業(11条2項)のように重い罪に問われうるうえ、場所の提供その他売春に直接関係する業務への従事として4号ヌにも当たりえます。経営・管理の在留資格の方は、事業の適法性が更新の前提であり、大きな影響が生じるおそれがあります。資格のない外国人を働かせていれば、不法就労助長(24条3号の4、刑罰不要)に当たり、73条の2により3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金又は併科の対象にもなります。

反対に、旅券を取り上げられる、借金を理由に働かされる、住居や外出を管理されるといった状況にあった方は、人身取引等の被害者である可能性があります。人身取引等により他人の支配下に置かれている方は4号ヌから除かれ、支配下に置かれて従事した場合は5条1項7号からも除かれます。被害の事情は、早い段階から具体的な事実とともに示すことが大切です。

不起訴や退去強制の回避に向けて、どのような弁護活動をしますか

この類型は、刑事処分の軽重よりも「どのような事実が認定されるか」が在留を左右します。売春防止法の売春は、対償を受け又は受ける約束で不特定の相手方と性交することです(2条)。役務の内容、店の指示の有無、本人がどこまで知っていたか、店との関係はどうだったかを一つずつ確認し、捜査機関の見立てとの違いを証拠で示していきます。

取調べでは、推測や誘導に沿った供述が調書になると、それが入管手続でもそのまま使われかねません。黙秘権の行使を含め、どこまで何を話すかを弁護人と相談して決めることが重要です。刑事手続の見通しについては性犯罪事件の弁護のページもご覧ください。

舟渡国際法律事務所では、どのようにサポートしますか

4号ヌの事件は、刑事で不起訴を得ても入管で争いが続くことがあるため、両方を一つの事件として最初から設計する必要があります。当事務所は起訴前の不起訴処分の獲得を最優先の目標としながら、入管手続での事実認定まで見据えて弁護活動を組み立てます。接見の初動から在留手続まで、松村大介弁護士が自ら一貫して担当します。

外国人事件専属の中国語通訳が接見に同行し、ご本人の立場から事情を聞き取ります。人身取引の被害が疑われる事情も、母語で落ち着いて話せる環境で確認します。ご家族とは微信(WeChat ID:matsumura1119)でも直接連絡を取り合えます。

よくある質問

売春防止法違反で不起訴になれば、在留資格は守られますか。

不起訴は大きな前進ですが、それだけでは足りない場合があります。24条4号ヌは刑罰を要件としていないため、不起訴で釈放された後でも、入管が売春に直接関係する業務への従事を独自に認定して退去強制手続を進めることがありえます。刑事と入管の両方で事実関係を争う準備が必要です。

永住者でも4号ヌで退去強制になることはありますか。

あります。4号ヌは在留資格の種類を限定しておらず、永住者、日本人の配偶者等、定住者も対象です。4号の2のように別表第一に限られた規定ではない点が、他の多くの罪と大きく異なります。

マッサージ店で働いていましたが、性交はしていません。売春に当たりますか。

売春防止法の「売春」は、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することと定義されています(2条)。性交を伴わない役務はこの定義には当たりません。ただし、別表第一の方が風俗店で働くこと自体は資格外活動の問題になりますし、店の実態について捜査機関が異なる見方をすることもあるため、具体的な事実の確認が欠かせません。

一度退去強制されたら、何年後に日本へ戻れますか。

退去強制による上陸拒否期間は原則5年、過去にも退去強制等の歴があれば10年です。ただし、売春に直接関係する業務に従事したことのある者は、これとは別に5条1項7号の上陸拒否事由に当たり、この号には期間の定めがありません。

店のオーナーに旅券を預けさせられ、借金を理由に働かされていました。

人身取引等により他人の支配下に置かれていた方は、4号ヌの退去強制事由からも、5条1項7号の上陸拒否事由からも除かれています。被害を受けていた事情は、捜査段階から具体的に伝えることが重要です。

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本記事は一般的な解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。見通しは罪名、在留資格、在留歴、家族関係などの事情によって変わります。具体的なご事情はお問い合わせからご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年9月時点の情報です。

中国人の刑事事件と在留資格の全体像は、中国人の刑事事件|逮捕から不起訴・退去強制までにまとめています。あわせてご覧ください。

執筆:松村大介(弁護士・第一東京弁護士会所属/登録番号59077)。舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田3-4-10 布施ビル本館3階)代表。外国人の刑事事件と在留(退去強制・在留特別許可)を主たる注力分野とし、中国語圏の依頼者の事件を数多く取り扱う。外国人事件専属の中国語通訳が在籍し、逮捕直後の接見から在留手続まで弁護士本人が一貫して対応する。

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