オーバーステイの出頭申告とは|手続の流れ・弁護士同行のメリット・在留特別許可への有利な効果を弁護士が詳しく解説
2026/09/18
オーバーステイの出頭申告とは、在留期限を過ぎて日本に残っている外国人が、摘発される前に自ら地方出入国在留管理官署に出向き、不法残留の事実を申告することをいう。出頭申告をした人は、帰国を望む場合には出国命令(上陸拒否期間は原則1年)を利用でき、日本での在留を望む場合には在留特別許可の判断で積極要素として考慮される(入管法24条の3第1号イ、在留特別許可に係るガイドライン)。
- 出頭申告は、摘発と比べて、身柄拘束の有無、在留特別許可の評価、帰国後の上陸拒否期間など多くの点で有利に働きます
- 帰国を望むなら、違反調査の開始前に出頭し、他の要件も満たす人は出国命令の対象となり、上陸拒否期間は1年です(退去強制なら原則として初回5年)
- 在留を望むなら、自ら出頭したことは在留特別許可のガイドラインに積極要素として明記されています
- 在留特別許可で考慮される不法滞在期間は、入管が不法滞在を認知した時点で止まります。出頭が早いほど消極要素は小さくなります
- 出頭の前に、帰国か在留かのゴールを決め、要件と資料を整えることが結果を左右します。弁護士の同行は、その準備と出頭後の期限管理までを一体として担うためのものです
出頭申告の前のご相談:TEL 050-7587-4639/微信(WeChat)ID:matsumura1119(中国語で相談できます)
出頭申告とはどのような手続なのか
出頭申告は、不法残留の状態にある本人が、自分から入管に不法滞在の事実を申し出る手続である。在留期間の更新や変更を受けずに在留期限を過ぎて日本に残ることは、入管法70条1項5号の不法残留罪にあたり、3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又はその併科の対象となる。同時に、入管法24条4号ロの退去強制事由にも該当する。つまり、オーバーステイは刑事罰と退去強制の両方の対象となる状態である。
この状態から抜け出す入口は、大きく分けて二つしかない。一つは警察や入管に発覚して摘発されること、もう一つは本人が自ら出頭することである。どちらの入口から手続に入るかによって、その後に使える制度と、入管が本人をどう評価するかが大きく変わる。入管法は、違反調査が始まる前に自ら出頭した人を出国命令の対象として明文で位置づけ(24条の3第1号イ)、在留特別許可に係るガイドラインは、自ら出頭したことを積極要素として掲げている。出頭申告は、法律と運用の双方が「摘発とは違う扱い」を予定している入口である。
出頭申告と摘発では何が違うのか
結論からいえば、身柄拘束の可能性、在留特別許可での評価、不法滞在期間の数え方、帰国後の上陸拒否期間など多くの点で、出頭申告のほうが有利である。主な違いを表にまとめる。
| 比較項目 | 自ら出頭申告した場合 | 摘発された場合 |
|---|---|---|
| 帰国を望む場合の制度 | 違反調査の開始前に出頭していれば出国命令の対象となりうる(入管法24条の3第1号イ) | 違反調査の開始後でも、退去強制対象者に該当する旨の通知(入管法47条3項)を受ける前に、入国審査官または入国警備官に速やかに出国する意思を表明すれば出国命令の対象となりうる(同号ロ)。その機会を逃すと退去強制となる |
| 帰国後の上陸拒否期間 | 出国命令で出国した日から1年(入管法5条1項9号ホ) | 24条の3第1号ロの出国命令で出国した場合、短期滞在以外の目的なら1年だが、短期滞在で再来日しようとする場合は5年(入管法5条1項9号ヘ)。退去強制なら原則として初回5年、退去強制・出国命令の前歴があれば10年(同号ハ・ニ) |
| 身柄拘束 | 入管庁の案内上、監理措置により収容しないで手続を進めることが可能とされている | 警察による逮捕・勾留や、入管での収容の可能性がある |
| 刑事手続 | 不法残留罪の成立そのものは消えないが、他に犯罪の疑いがない事案では入管の行政手続のみで進むことが多い | 逮捕されれば刑事手続が先行し、起訴されれば判決が在留特別許可の判断資料にもなる |
| 在留特別許可での評価 | 自ら出頭したことがガイドラインの積極要素として考慮される | この積極要素は得られない |
| 考慮される不法滞在期間 | 出頭して入管が認知した時点で止まる | 発覚するまで延び続け、長期であるほど消極要素となる |
上陸拒否期間の違いは、条文の構造そのものに根拠がある。入管法5条1項9号は、出国命令で出国した人の上陸拒否期間を1年とする一方で(ホ)、違反調査が始まった後に出国の意思を表明して出国命令を受けた人が短期滞在で来日しようとする場合は5年とし(ヘ)、退去強制された人は原則として初回でも5年としている(ハ)。「違反調査の前に自分から来たかどうか」が、法律上、明確に区別されているのである。
出頭する前に何を決めておくべきか
最初に決めるべきは、「帰国したいのか、日本に残りたいのか」というゴールである。出頭申告という入口は同じでも、その後の手続、必要な資料、入管に伝えるべき内容は、ゴールによってまったく異なる。
日本人や永住者の配偶者がいる、日本で生まれ育った子がいる、長く日本で暮らし地域に根づいているといった事情があるなら、まず在留特別許可を目指すことを検討すべきである。出国命令は、いったん出国すると1年間は日本に戻れない制度であり、日本での生活基盤を手放すことを意味する。出国命令は、将来の事情の変化まで見込んでもなお在留特別許可が認められる見込みがない場合に選ぶ制度と位置づけるのが相当である。
反対に、帰国を決めている人にとっては、出国命令の要件を満たしているかを出頭前に確認することが最重要となる。要件を一つでも欠けば退去強制の手続となり、上陸拒否期間は原則として初回でも5年に延びる(例外的に、入管法52条5項の決定を受けて指定の期限までに自ら退去した場合は1年となる。同法5条1項9号ロ)。
出国命令を利用できるのはどのような人か
不法残留などの一定の退去強制事由に該当する人のうち、入管法24条の3が定める5つの要件をすべて満たす人である。要件は次のとおりである。
| 要件 | 内容 | 出頭前に確認すべき点 |
|---|---|---|
| 第1号 | 違反調査の開始前に、速やかに出国する意思をもって自ら出頭したこと(イ)、または違反調査の開始後、退去強制対象者に該当する旨の通知(入管法47条3項)を受ける前に、入国審査官または入国警備官に速やかに出国する意思を表明したこと(ロ) | 既に入管や警察から連絡や呼出しを受けていないか |
| 第2号 | 入管法24条3号から3号の5まで、4号ハからヨまで、8号、9号のいずれにも該当しないこと | 偽造在留カードの所持や使用、他人の不法就労のあっせん、薬物関係の有罪判決などがないか |
| 第3号 | 入国後に、窃盗、詐欺、傷害など法律が列挙する罪で拘禁刑に処せられていないこと | 執行猶予付きの判決も含まれうるため、判決の内容と時期の確認が必要 |
| 第4号 | 過去に退去強制されたこと、出国命令で出国したことがないこと | 以前の出国の経緯と記録 |
| 第5号 | 速やかに出国することが確実と見込まれること | 有効な旅券、帰国の航空券またはその費用 |
とくに第3号は、在留特別許可の加重要件(入管法50条1項ただし書)と異なり、執行猶予を除外する規定を置いていない。以前に万引きなどで執行猶予付きの拘禁刑を受けたことがある人は、猶予期間の経過の有無を含めて、出国命令を使えるかどうかを出頭前に判決の内容から確認しておく必要がある。
帰国を希望する場合、出頭申告の手続はどう進むのか
出頭、違反調査、入国審査官の審査を経て、主任審査官から出国命令書の交付を受け、指定された出国期限までに出国する、という流れで進む。
- 住居地を管轄する地方出入国在留管理官署に出頭し、不法残留の事実と帰国の意思を申告する(受付窓口と曜日・時間は事前に確認する)
- 入国警備官による違反調査を受け、在留の経緯や生活状況について事情を聴かれる。出国命令対象者に該当すると認められれば、事件は入国審査官に引き継がれる(入管法55条の84第1項)
- 入国審査官が審査し、出国命令対象者に該当すると認定して主任審査官に知らせる(入管法55条の84第2項・3項。退去強制手続の審査の中で認定される場合は47条2項)
- 主任審査官が15日を超えない範囲で出国期限を定めて出国命令をし、出国命令書を交付する(入管法55条の85第1項・2項)。住居や行動範囲の制限などの条件が付されることがある(同条3項)
- 出国期限までに出国する。期限を過ぎて残ると、それ自体が犯罪となる(入管法70条1項8号の2)
出国した日から1年を経過すれば、上陸拒否事由としての期間は終わる(入管法5条1項9号ホ)。もっとも、再来日にはあらためて査証や在留資格の審査を経る必要があり、1年経てば必ず戻れるという意味ではない。
日本での在留を希望する場合、手続はどう進むのか
出頭申告の後、退去強制の手続の中で在留特別許可を申請し、法務大臣の判断を受ける流れになる。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)により、手続は次のように整理された。
- 地方出入国在留管理官署に出頭し、不法滞在の事実と在留を希望する事情を申告する
- 入国警備官が違反調査を行う(入管法27条)
- 主任審査官が、監理措置に付すか収容するかを審査する(入管法39条2項)。自ら出頭した人については、監理措置により収容しないで手続を進めることが可能とされている。監理措置では、監理人の選定と、住居や行動範囲の制限などの条件が付され、300万円以下の保証金の納付が条件とされることもある(入管法44条の2第1項・2項、44条の3第1項)
- 入国審査官が審査し、退去強制対象者に該当すると認定したときは、理由を付した書面で通知する(入管法47条3項)。このとき、口頭審理を請求できることと、在留特別許可を申請できることが告げられる(同条4項)
- 認定に服する場合は、在留特別許可を申請する。認定に服した日から3日以内に申請しなければ、退去強制令書が発付される(入管法47条5項2号)。認定に異議があれば、通知から3日以内に口頭審理を請求できる(入管法48条1項)。口頭審理では、本人または代理人が証拠を提出し、証人を尋問することができる(入管法48条5項・10条3項)
- 法務大臣が、入管法50条5項の考慮事情に照らして在留特別許可の許否を判断する。許可されれば在留資格と在留期間が決定され(同条6項)、許可されないときは理由を付した書面で通知される(同条10項)
在留特別許可の申請ができるのは、収容令書により収容された人か、監理措置決定を受けた人に限られ(入管法50条2項)、退去強制令書が発付された後は申請できない(同条3項)。各段階に3日という短い期限が置かれており、この期限を見落とすと、在留を求める機会そのものを失いかねない。
出頭申告には何を持っていけばよいのか
基本は旅券と在留カードであり、ゴールに応じて帰国の準備を示す資料、または在留を求める事情を示す資料を加える。事案により求められる資料は異なるため、以下は一般的な例である。
| ゴール | 主な持ち物・資料の例 |
|---|---|
| 共通 | 旅券(期限切れの場合も持参)、在留カード(所持していれば)、住所がわかる資料 |
| 帰国を希望する場合 | 帰国の航空券またはその購入費用を示す資料、有効な旅券(期限切れなら本国大使館での旅券の手続の状況がわかる資料) |
| 在留を希望する場合 | 婚姻証明書や戸籍謄本、住民票、子の出生証明書・在学証明書、生計や同居の実態を示す資料、本人と家族の陳述書、身元保証や嘆願の書面、日本で在留を希望する理由をまとめた書面 |
在留を希望する場合、出頭の時点で事情が整理されて資料が揃っているかどうかは、その後の違反調査での聴取や監理措置の判断にも影響する。出頭当日に何を伝え、何を出すかは、事前に組み立てておくべきである。
出頭申告は在留特別許可にどのように有利に働くのか
出頭申告は、在留特別許可の判断において、少なくとも五つの経路で有利に働く。単に「印象がよくなる」という話ではなく、法律とガイドラインの構造そのものに組み込まれた効果である。
1 ガイドラインに積極要素として明記されている
令和6年3月に改定された在留特別許可に係るガイドラインは、考慮事情の一つである「その他の事情」の積極要素として、当該外国人が不法滞在を申告するため自ら地方出入国在留管理官署に出頭したことを掲げている。入管庁が公表する出頭申告の案内でも、自ら出頭申告したことは在留特別許可の許否判断の積極要素として評価され、長期の滞在で定着性がある場合に出頭申告をすれば在留特別許可の方向で検討されやすくなる旨が示されている。出頭申告が顕著に有利な事情として考慮されることは、入管自身が公にしている判断の傾向である。
2 不法滞在期間の数え方が出頭時点で止まる
ガイドラインは、不法残留の期間が長期であることを消極要素とする一方で、在留特別許可の判断で考慮する不法滞在期間の終期を、入管が不法滞在の事実を認知した時点としている。出頭申告をすれば、その日で不法滞在期間の計算は止まる。反対に、出頭をためらって過ごす1日1日が、そのまま消極要素として積み上がっていく。「いつ出頭するか」は、それ自体が在留特別許可の結論に直結する問題である。
3 収容されずに生活と証拠を守れる
自ら出頭した人は、監理措置により収容しないで手続を進めることが可能とされている。収容されなければ、家族との同居を続け、子の養育を続けながら手続を進めることができ、在留特別許可で最も重視される家族関係や地域への定着の実態を、手続の間も維持し、資料として積み上げることができる。収容されれば、その実態自体が途切れかねない。
4 刑事処分による不利益を避けやすい
在留特別許可の考慮事情には素行と、退去強制の理由となった事実が含まれる(入管法50条5項)。摘発されて刑事手続に進み、判決を受ければ、その事実は判断資料として残る。他に犯罪の疑いがなく自ら出頭した事案は、入管の行政手続のみで進むことが多く、刑事処分の記録を負わずに在留特別許可の判断を受けられる可能性が高まる。
5 虚偽の申告という消極要素を避けられる
ガイドラインは、退去強制の手続などで虚偽の申告をしたことを消極要素としている。摘発の場面では、準備のないまま突然説明を求められ、記憶違いや言葉の行き違いが記録に残る危険がある。事前に事実関係を整理し、自ら申告する出頭申告は、この消極要素を生まない入口でもある。
もっとも、出頭申告をすれば必ず在留特別許可が得られるわけではない。ガイドラインは、家族関係、在留を希望する理由、素行、人道上の配慮の必要性などを総合的に考慮するものとしており、出頭申告はその中の重要な一要素である。家族関係などの中核的な事情を、出頭申告という積極要素とどう組み合わせて示すかが、結果を分ける。
弁護士が出頭に同行するメリットは何か
弁護士の同行は、出頭の当日だけの付き添いではない。出頭前の見通しの判断から、出頭後の期限管理、不許可になった場合の訴訟までを一貫して担うことに意味がある。具体的には次のとおりである。
| 段階 | 弁護士が行うこと | 本人にとっての意味 |
|---|---|---|
| 出頭前 | 帰国と在留のどちらを目指すかの見通しを立て、出国命令の要件(入管法24条の3各号)と在留特別許可の考慮事情を事案に当てはめる | 要件を欠いたまま出頭して退去強制になる、在留の可能性があるのに出国命令を選んでしまう、といった取り返しのつかない判断を避けられる |
| 出頭前 | 不法残留以外の違反(資格外の就労、在留カードの問題、過去の刑事事件など)がないかを確認し、刑事手続に移る危険を見極める | 出頭した後に想定外の身柄拘束を受ける危険を事前に把握できる |
| 出頭前 | 陳述書、在留を希望する理由の書面、弁護士の意見書、家族関係・生活実態の資料を整える | 出頭当日から、在留を認めるべき事情を体系的に示せる |
| 出頭当日 | 入管の窓口に同行し、代理人として事情と方針を説明し、書面を提出する | 不安な中での説明の食い違いや、事実と異なる申告を防げる。通訳の手配も含めて準備できる |
| 監理措置 | 監理人となる人の確保と説明、監理措置の条件や保証金についての意見を述べる | 収容されずに手続を進める可能性を高められる |
| 審査・口頭審理 | 3日以内の在留特別許可の申請や口頭審理の請求を管理し、口頭審理では代理人として証拠を提出し証人を尋問する(入管法48条5項・10条3項) | 短い期限の見落としで在留の機会を失う事態を防げる |
| 不許可の場合 | 理由を付した書面(入管法50条10項)を検討し、取消訴訟と執行停止の申立てを行う | 送還前に司法の判断を求める道を確保できる |
| 刑事事件になった場合 | 逮捕・勾留に対する刑事弁護と、不起訴を目指す活動を、入管手続を見据えて一体として行う | 刑事と入管を別々の専門家に分けることによる方針のずれを避けられる |
なお、入管の違反調査の場に弁護士が立ち会う権利は、法律上、明文では保障されていない。そのため、出頭の前の段階で事実関係を整理し、本人が何をどう説明するかを固めておくこと、そして代理人として書面で事情を示しておくことが、同行の効果を最大にする鍵となる。当事務所では中国語による打合せにも対応しており、本人と家族が母語で事情を整理したうえで出頭に臨むことができる。
出頭申告で注意すべき落とし穴は何か
- 出頭を先延ばしにすること。不法滞在期間は延び続け、摘発されれば出頭申告の積極要素そのものを失います
- 違反調査の開始後に出頭すること。既に入管の違反調査が始まっている場合は、出国命令が24条の3第1号ロの扱いとなり、短期滞在で再来日する場合の上陸拒否期間は5年となります
- 3日の期限を見落とすこと。在留特別許可の申請、口頭審理の請求、異議の申出には、いずれも3日の期限があり、起算点は段階ごとに異なります(入管法47条5項2号、48条1項・10項、49条1項・7項)
- 事実と違う説明をすること。虚偽の申告は在留特別許可の消極要素となります
- 監理措置の間に許可なく働くこと。監理措置決定を受けた人が許可を受けずに報酬を受ける活動をし、または収入を伴う事業を運営する活動をすると、それ自体が犯罪となります(入管法70条1項9号)
- 家族の手続を別々に考えること。配偶者や子も在留資格がない場合は、家族全体の方針を揃えて出頭する必要があります
統計からみた出国命令と在留特別許可の実情
入管庁の公表によれば、令和7年中に入管法違反により退去強制手続又は出国命令手続を執った外国人は1万8,442人で、そのうち出国命令手続を執った人は9,483人と、半数を超えている。同年中に出国命令により出国した人は9,789人であった。他方で、同年中に在留特別許可の申請を許可した件数は1,026件である。帰国を選ぶ人の多くが出国命令を利用している一方で、日本に残る道を求める人にとって在留特別許可は現実に機能している制度であり、その判断の中で出頭申告が積極要素として位置づけられている。
よくある質問
出頭申告をしたら、その場で逮捕されたり収容されたりしますか
不法残留のみで他に犯罪の疑いがない場合、自ら出頭した人は、監理措置により収容しないで手続を進めることが可能とされています。もっとも、偽造の在留カードを持っている場合や、他の事件の疑いがある場合などは扱いが異なります。身柄拘束の可能性があるかどうかは、出頭前に弁護士と確認しておくことをおすすめします。
出頭申告は刑法の自首にあたりますか
刑法42条1項の自首は捜査機関に対する申告であり、入管への出頭申告とは制度が異なります。ただし、自ら不法滞在を申告したという事実は、入管の手続では在留特別許可の積極要素として、仮に刑事手続に移った場合には有利な情状として、それぞれ主張することができます。
オーバーステイの期間が10年以上でも出頭申告に意味はありますか
意味があります。不法滞在の期間が長いことは消極要素ですが、ガイドラインはその期間の終期を入管が認知した時点としており、出頭によって期間の延長を止められます。また、入管庁の案内も、長期の滞在で定着性がある場合に出頭申告をすれば在留特別許可の方向で検討されやすくなるとしています。長期であるほど、摘発を待つ不利益は大きくなります。
家族と一緒に出頭したほうがよいですか
配偶者や子も在留資格がない場合は、家族全体として方針を揃えて出頭することが望ましいといえます。ガイドラインは、家族とともに生活をするという子の利益の保護の必要性を積極要素として考慮するとしており、家族の実態を一体として示すことが重要です。
出頭申告の後、手続中に働くことはできますか
監理措置決定を受けた人は、原則として働くことができず、許可を受けずに報酬を受ける活動をし、または収入を伴う事業を運営する活動をすると犯罪となります(入管法70条1項9号)。もっとも、生計の維持に必要な場合には、監理人の同意を得て、主任審査官が指定する機関での雇用に基づく活動の許可を申請する制度があります(入管法44条の5第1項)。生活の見通しを含めて、出頭前に準備しておく必要があります。
中国語で相談できますか
できます。当事務所では中国語での相談に対応しており、出頭申告の前の方針の検討から、入管への同行、在留特別許可の申請、不許可の場合の訴訟まで一貫して担当します。微信(WeChat)でもご連絡いただけます。
出頭申告の前のご相談:TEL 050-7587-4639/微信(WeChat)ID:matsumura1119(中国語で相談できます)
関連する解説
最終更新日:2026年9月18日/執筆 弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)
舟渡国際法律事務所 TEL 050-7587-4639 微信ID:matsumura1119 https://matsumura-lawoffice.jp/
※本記事は2026年9月18日時点の法令と公表資料に基づく一般的な解説です。個別の事案の見通しは事情により異なりますので、出頭の前にご相談ください。