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韓国・朝鮮籍の方が刑事事件になったとき|特別永住者の退去強制と一般の在留資格の違いを弁護士が解説

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韓国・朝鮮籍の方が刑事事件になったとき|特別永住者の退去強制と一般の在留資格の違いを弁護士が解説

韓国・朝鮮籍の方が刑事事件になったとき|特別永住者の退去強制と一般の在留資格の違いを弁護士が解説

2026/10/03

韓国・朝鮮籍の方が刑事事件になったときは、特別永住者であれば、入管特例法22条が定める限られた場合を除いて退去強制されませんが、特別永住者ではない在留資格の方には一般の入管法が適用されるため、まず自分がどちらに当たるのかを確かめることが出発点です。(入管特例法22条、入管法24条)

  • 特別永住者は、通常の刑事事件(薬物・窃盗・傷害などを含む)では原則として退去強制されません
  • 特別永住者の退去強制事由は、内乱・外患・国交に関する罪、外国元首等への罪、無期または7年を超える実刑で日本の重大な利益を害した場合などに限られます
  • 特別永住者でない韓国・朝鮮籍の方(留学・就労などの在留資格)には、一般の入管法24条が適用されます
  • 退去強制を心配する必要が小さい分、前科の影響や、将来の帰化への影響が主な課題になります
  • 逮捕後の対応は、特別永住者でも他の外国人の方でも変わりません

韓国・朝鮮籍の方が逮捕されたら、最初に何をすればよいのか?

最初にすべきことは、逮捕された警察署と罪名を確かめ、通訳を介して本人と話せる弁護人を選任し、取調べで内容を確かめないまま署名しないよう本人に伝えることです。

逮捕されると、警察は48時間以内に事件を検察官に送り、検察官は24時間以内に勾留を請求するかどうかを判断します。裁判官が勾留を認めると、原則10日、延長されると最長20日、身体拘束が続き、この間に起訴か不起訴かが決まります(刑事訴訟法203条・205条・208条)。通常は逮捕から最長23日であり、この期間が不起訴を目指せる時間のすべてです。

日本語が不自由な方の取調べでは、捜査機関が通訳人を手配するのが通常です。ただし供述調書は日本語で作られ、読み聞かせを受けたうえで署名押印を求められます。実際の話と違うときは訂正を求めることができ、納得できなければ署名押印を拒むことができます(刑事訴訟法198条4項・5項)。弁護人が早く接見して、これらの権利を本人に伝えておくことが大切です。

特別永住者は、刑事事件でどのように扱われるのか?

特別永住者は、入管特例法22条が定める限られた場合を除いて退去強制されず、通常の刑事事件では、有罪になっても退去強制事由には当たりません。

特別永住者は、日本国との平和条約に基づき日本国籍を離脱した方とその子孫で、入管特例法により在留が保障されており、入管法24条の退去強制事由は適用されません。退去強制の対象になるのは、入管特例法22条が定める事由、すなわち内乱・外患に関する罪や国交に関する罪で拘禁刑以上の刑を受けたとき、外国の元首・外交使節等に対する罪で拘禁刑以上の刑を受け外交上の重大な利益を害したとき、無期または7年を超える実刑を受け日本国の重大な利益が害されたとき、に限られます。

薬物事件も、入管特例法22条の事由ではないため、特別永住者は、有罪判決を受けても退去強制の対象にはなりません。ただし、刑事責任は別に負い、実刑になれば刑に服することになります。

特別永住者ではない韓国・朝鮮籍の方は、どうなるのか?

韓国・朝鮮籍の方でも、特別永住者ではなく、留学・技術・人文知識・国際業務・永住者などの在留資格で在留している方は、他の外国人の方と同じく、入管法24条が適用されます。

刑の種類 別表第一(留学・就労など) 別表第二(永住者・日本人の配偶者等・定住者) 特別永住者
罰金 退去強制事由には当たらない。更新で素行が不利に考慮される 退去強制事由には当たらない 当たらない
執行猶予付き拘禁刑(窃盗・傷害・詐欺など) 該当する(24条4号の2) 該当しない 当たらない
1年を超える実刑 該当する(24条4号リ) 該当する(24条4号リ)。在留特別許可の余地が大きい 7年を超える実刑でない限り当たらない
薬物事件で有罪(罰金・執行猶予を含む) 該当する(24条4号チ) 該当する(24条4号チ) 当たらない

自分が特別永住者かどうかは、特別永住者証明書(在留カードではありません)で確認できます。分からないときは、逮捕された本人の在留資格を、弁護人が最初に確認します。

退去強制にならなくても、刑事事件で残る課題は何か?

特別永住者は退去強制の心配が小さい一方で、前科が付くことによる社会的な影響や、将来の帰化への影響を考える必要があります。

  • 前科:起訴されて有罪になれば前科が付き、職業上の資格や就職などに影響することがあります。起訴前に示談や被害弁償を進めて、起訴猶予を目指す意味は、特別永住者でも変わりません。
  • 帰化:日本国籍の取得(帰化)には、素行が善良であることが要件の一つとされています(国籍法5条1項3号)。将来の帰化を考えている方は、前科の有無や、事件から経過した期間が影響することがあります。
  • 報道・社会的影響:実名報道や職場への影響に備えて、早い段階で弁護人と対応を考えます。

家族や友人は何をすればよいのか?

家族や友人が最も役に立つのは、弁護人の選任を依頼し、本人の在留資格・在留期限・勤務先などの情報を弁護人に伝えることです。

警察署での面会(一般面会)は、勾留決定後に接見等禁止の決定が付くと家族でもできなくなることがあります。弁護人は接見等禁止の決定があっても、立会人なしで本人と会うことができます(刑事訴訟法39条1項)。差入れや連絡の取り次ぎも、弁護人を通すと確実です。

逮捕された外国人は、本人が希望すれば、韓国・朝鮮の在外公館への通報を求めることができます(領事関係に関するウィーン条約36条)。国によっては二国間の取決めがあり、本人の希望にかかわらず通報される場合もあるため、取扱いは弁護人に確認してください。

当事務所は韓国・朝鮮籍の方の事件にどう対応するのか?

松村大介弁護士が刑事事件と入管事件の両方を担当し、起訴前の不起訴を目指す活動から、判決後の在留資格・退去強制の手続まで続けて対応します。

ご相談のときは、通訳が必要な言語をお知らせください。当事務所は中国語の専属通訳が常駐しており、韓国語など中国語以外の言語は、事案に応じて通訳人を手配します。全国からのご相談に対応しています。電話は050-7587-4639です。これまでの解決事例は外国人・中国人の刑事事件 解決事例の罪名別一覧にまとめています。

ご相談の際は、次の情報があると話が早く進みます。

  • 逮捕された警察署の名前と、逮捕された日時
  • 本人の氏名・生年月日・国籍
  • 在留資格の種類と在留期限(在留カードの写し)
  • 勤務先・学校の名前
  • 罪名(分かっている範囲で)
  • 通訳が必要な言語

よくある質問

特別永住者が覚醒剤で逮捕されました。有罪になっても強制送還されませんか?

特別永住者は、入管特例法22条が定める事由に当たらない限り退去強制されず、薬物事件は同条の事由ではありません。ただし、刑事責任は別に負うため、実刑になれば刑に服します。有罪を避けられる事情がないかの検討や、量刑の見通しは別に重要です。

特別永住者の子どもが傷害で逮捕されました。在留に影響しますか?

特別永住者の子どもが特別永住者であれば、傷害で有罪になっても、入管特例法22条の事由には当たらず、退去強制の対象にはなりません。ただし、前科が付くことによる影響があるため、起訴前に示談を進めて起訴猶予を目指します。

留学で来日した韓国人の友人が万引きで逮捕されました。強制送還されますか?

留学は別表第一の在留資格で、窃盗で執行猶予付きの拘禁刑を受けると、入管法24条4号の2により退去強制事由に当たります。罰金や不起訴であれば当たりません。そのため、起訴前に示談を成立させて不起訴を目指すことが重要です。

前科があると帰化はできませんか?

前科があるからといって、直ちに帰化できないとは限りません。帰化の要件の一つである素行善良は、前科の内容や刑の重さ、事件からの経過期間などを踏まえて判断されます。将来の帰化を考えている方は、事件の処理について、弁護人に早めに伝えてください。

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本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

最終更新日:2026年10月3日/執筆 弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)

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