舟渡国際法律事務所

ブラジル国籍の方が逮捕されたとき|日系人の定住者・永住者の刑事事件と在留資格を弁護士が解説

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ブラジル国籍の方が逮捕されたとき|日系人の定住者・永住者の刑事事件と在留資格を弁護士が解説

ブラジル国籍の方が逮捕されたとき|日系人の定住者・永住者の刑事事件と在留資格を弁護士が解説

2026/10/03

ブラジル国籍の方が逮捕されたときは、日系人として定住者・日本人の配偶者等・永住者などの別表第二の在留資格で在留している場合が多く、執行猶予付きの拘禁刑では直ちに退去強制事由に当たらない一方で、1年を超える実刑や薬物事件の有罪判決では退去強制事由に当たるため、この境目を前提に弁護活動の目標を定めることが重要です。(入管法24条4号の2、4号リ、4号チ、50条)

  • 別表第二の在留資格は、24条4号の2(執行猶予付きでも該当)の対象外です
  • 1年を超える実刑や、薬物事件の有罪判決(罰金・執行猶予を含む)は、別表第二でも退去強制事由に当たります
  • 日本で生まれ育った方や、長く日本で生活してきた方は、退去強制の手続の中で在留特別許可を求める余地があります
  • 定住者の更新では、素行も考慮されます
  • ポルトガル語の通訳は、事案に応じて手配します

ブラジル国籍の方が逮捕されたら、最初に何をすればよいのか?

最初にすべきことは、逮捕された警察署と罪名を確かめ、通訳を介して本人と話せる弁護人を選任し、取調べで内容を確かめないまま署名しないよう本人に伝えることです。

逮捕されると、警察は48時間以内に事件を検察官に送り、検察官は24時間以内に勾留を請求するかどうかを判断します。裁判官が勾留を認めると、原則10日、延長されると最長20日、身体拘束が続き、この間に起訴か不起訴かが決まります(刑事訴訟法203条・205条・208条)。通常は逮捕から最長23日であり、この期間が不起訴を目指せる時間のすべてです。

日本語が不自由な方の取調べでは、捜査機関が通訳人を手配するのが通常です。ただし供述調書は日本語で作られ、読み聞かせを受けたうえで署名押印を求められます。実際の話と違うときは訂正を求めることができ、納得できなければ署名押印を拒むことができます(刑事訴訟法198条4項・5項)。弁護人が早く接見して、これらの権利を本人に伝えておくことが大切です。

日系人の定住者・永住者の方は、刑事処分でどう扱われるのか?

別表第二の在留資格の方は、執行猶予付きの拘禁刑を受けただけでは退去強制事由に当たらず、退去強制事由に当たるのは、1年を超える実刑を受けたときと、薬物事件で有罪になったときなどに限られます。

ブラジル国籍の方には、日系2世(日本人の配偶者等)、日系3世(定住者)、永住者、日本人の配偶者等などの別表第二の在留資格で在留している方が多くいます。日本での生活や就労が長く、家族も日本にいる方が多いため、在留を失うことの影響は大きいといえます。

刑の種類 別表第二(日本人の配偶者等・永住者・定住者など)
罰金 退去強制事由には当たらない。永住者は更新が不要。定住者は更新で素行が考慮される
執行猶予付き拘禁刑(窃盗・傷害・詐欺など) 退去強制事由には当たらない(24条4号の2は別表第一の者に限る)。更新では素行が考慮される
1年を超える実刑 該当する(24条4号リ)。ただし定着性などを理由に在留特別許可の余地が大きい
薬物事件で有罪(罰金・執行猶予を含む) 該当する(24条4号チ)。起訴前の不起訴や無罪が決定的に重要

退去強制事由に該当しても、直ちに送還されるわけではありません。退去強制の手続の中で、在留特別許可を求める道があります(入管法50条)。もっとも許可されるとは限らず、事由に該当しないようにすること、すなわち起訴前に不起訴を得ることが最も確実な在留の守り方です。手続は在留特別許可の条件と手続、退去強制とはで解説しています。

日本で生まれ育った場合や、長く日本で暮らしてきた場合は、在留特別許可でどう考慮されるのか?

日本で生まれ育った方や、長く日本で生活してきた方については、日本での定着の程度が、在留特別許可を求めるときの重要な事情として考慮されます。

入管法50条5項は、在留特別許可の判断で、在留を希望する理由、家族関係、素行、入国の経緯、在留期間、法的地位、退去強制の理由、人道的な配慮の必要性などを考慮することを定めています。日本での居住年数、学歴・就労歴、家族の状況、母国との結びつきの薄さなどを、資料で具体的に示します。同種の事案で許可された例があるかどうかも、公表事例で調べます。

1年を超える実刑を受けた場合は、改正後の入管法50条1項ただし書があり、許可には「特別の事情」が必要になります。実刑を避けられるかどうかが、在留の見通しを大きく左右します。

家族や友人は何をすればよいのか?

家族や友人が最も役に立つのは、弁護人の選任を依頼し、本人の在留資格・在留期限・勤務先などの情報を弁護人に伝えることです。

警察署での面会(一般面会)は、勾留決定後に接見等禁止の決定が付くと家族でもできなくなることがあります。弁護人は接見等禁止の決定があっても、立会人なしで本人と会うことができます(刑事訴訟法39条1項)。差入れや連絡の取り次ぎも、弁護人を通すと確実です。

逮捕された外国人は、本人が希望すれば、ブラジル大使館・領事機関への通報を求めることができます(領事関係に関するウィーン条約36条)。国によっては二国間の取決めがあり、本人の希望にかかわらず通報される場合もあるため、取扱いは弁護人に確認してください。

当事務所はブラジル国籍の方の事件にどう対応するのか?

松村大介弁護士が刑事事件と入管事件の両方を担当し、起訴前の不起訴を目指す活動から、判決後の在留資格・退去強制の手続まで続けて対応します。

ご相談のときは、通訳が必要な言語をお知らせください。当事務所は中国語の専属通訳が常駐しており、ポルトガル語など中国語以外の言語は、事案に応じて通訳人を手配します。全国からのご相談に対応しています。電話は050-7587-4639です。これまでの解決事例は外国人・中国人の刑事事件 解決事例の罪名別一覧にまとめています。

ご相談の際は、次の情報があると話が早く進みます。

  • 逮捕された警察署の名前と、逮捕された日時
  • 本人の氏名・生年月日・国籍
  • 在留資格の種類と在留期限(在留カードの写し)
  • 勤務先・学校の名前
  • 罪名(分かっている範囲で)
  • 通訳が必要な言語

よくある質問

永住者のブラジル人の息子が傷害で逮捕されました。執行猶予がつけば在留は大丈夫ですか?

永住者は別表第二の在留資格で、傷害による執行猶予付きの拘禁刑は、入管法24条4号の2の対象外です。そのため、執行猶予が付けば、直ちに退去強制事由に当たることはありません。ただし、1年を超える実刑を受けると退去強制事由に当たるため、量刑の見通しが重要です。

日系3世で定住者です。罰金刑でも更新に影響しますか?

罰金だけでは退去強制事由に当たりませんが、定住者の在留期間の更新では、素行が善良かどうかが考慮されます。1回の罰金でただちに不許可になるとは限りませんが、前科の内容や反復の有無によっては、更新の見通しが厳しくなることがあります。

大麻で逮捕されました。執行猶予なら日本に残れますか?

薬物事件は、有罪判決を受ければ、執行猶予付きでも、別表第二の在留資格でも退去強制事由(入管法24条4号チ)に当たります。そのため、起訴前に不起訴を目指すことや、有罪を避けられる事情がないかを検討することが決定的に重要です。

日本で生まれ育ち、ブラジルに住んだことがありません。強制送還になるのでしょうか?

退去強制事由に当たっても、直ちに送還されるわけではなく、退去強制の手続の中で在留特別許可を求めることができます。日本での生活の実態、家族の状況、母国との結びつきの薄さは、重要な事情です。許可されるとは限りませんが、資料で具体的に示します。

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本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

最終更新日:2026年10月3日/執筆 弁護士 松村大介(第一東京弁護士会・登録番号59077)

舟渡国際法律事務所 https://matsumura-lawoffice.jp/ 微信ID:matsumura1119 電話:050-7587-4639

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