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不同意わいせつ罪で逮捕されたら|刑事手続と外国人の在留資格への影響

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不同意わいせつ罪で逮捕されたら|刑事手続と外国人の在留資格への影響

不同意わいせつ罪で逮捕されたら|刑事手続と外国人の在留資格への影響

2026/08/13

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不同意わいせつ罪は、令和5年の刑法改正によって従来の強制わいせつ罪・準強制わいせつ罪が統合された犯罪類型で、刑法176条に規定されています。法定刑は6月以上10年以下の拘禁刑で、罰金刑がありません。つまり、起訴されて有罪となれば、執行猶予が付くとしても必ず拘禁刑の言渡しを受けることになります。中国籍の方にとっては、刑事処分の重さそのものに加えて、在留資格をどこまで維持できるかという問題が同時に進行します。ここでは、構成要件の要点、退去強制事由との関係、不起訴処分を目指す実務、そして逮捕直後の対応について、順に整理します。

本記事の要点

  • 不同意わいせつ罪の法定刑は6月以上10年以下の拘禁刑で、罰金刑の選択肢がありません。
  • 刑法第22章の罪は入管法24条4号の2の列挙対象ではないため、執行猶予付き判決であれば直ちに退去強制事由には当たりません。
  • 他方、1年を超える実刑判決を受ければ入管法24条4号リにより退去強制の対象となります。
  • 在留資格の更新・変更では素行が審査されるため、刑事処分の回避、すなわち不起訴処分の獲得が最優先の目標となります。

不同意わいせつ罪はどのような場合に成立しますか

同意しない意思を形成し、表明し、または全うすることが困難な状態にさせ、またはその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした場合に成立します。刑法176条1項は、暴行・脅迫、心身の障害、アルコールまたは薬物の影響、睡眠その他の意識不明瞭、同意しない意思を形成するいとまの不存在、予想と異なる事態への恐怖・驚愕、虐待に起因する心理的反応、経済的または社会的関係上の地位に基づく不利益の憂慮という8つの原因行為・事由を列挙しています。改正前の強制わいせつ罪が暴行・脅迫を中心に組み立てられていたのに対し、現行法は同意の有無を正面から問う構造に改められました。また、16歳未満の者に対するわいせつ行為は、原則として同意の有無を問わず処罰されます(13歳以上16歳未満の場合は行為者が5歳以上年長であることが要件です)。なお、本罪は非親告罪であり、被害者の告訴がなくても捜査・起訴が可能です。

有罪になると在留資格はどうなりますか

結論として、執行猶予が付いた場合と実刑となった場合とで扱いが大きく異なります。入管法24条4号の2は、別表第一の在留資格をもって在留する方が、刑法の住居侵入、通貨・文書・有価証券・印章偽造、賭博、殺人、傷害、逮捕監禁、略取誘拐、窃盗強盗、詐欺恐喝、横領、毀棄隠匿の各章の罪により拘禁刑に処せられた場合を退去強制事由としています。不同意わいせつ罪が属する第22章はこの列挙に含まれていないため、執行猶予付きの拘禁刑にとどまれば、この規定によって直ちに退去強制されることはありません。もっとも、1年を超える拘禁刑の実刑となれば、在留資格の種類を問わず入管法24条4号リに該当します。また、永住者・定住者・日本人の配偶者等といった別表第二の在留資格には、そもそも24条4号の2の適用がありません。

執行猶予でも在留を続けられるとは限らないのはなぜですか

退去強制事由に当たらないことと、在留資格を維持できることとは別問題だからです。在留期間の更新や在留資格の変更は法務大臣の裁量に委ねられており、その審査では素行の善良性が考慮されます。有罪判決を受けた事実は在留審査の場で必ず把握され、更新が不許可となれば、在留期間の満了とともに不法残留の状態に陥り、今度は入管法24条4号ロの退去強制事由に該当してしまいます。さらに、就労資格の方が身体拘束によって職を失えば、在留資格に応じた活動を継続して3月以上行っていないとして、入管法22条の4第1項5号による在留資格取消しの検討対象にもなり得ます。だからこそ、判決で執行猶予を得ることを目標とするのではなく、そもそも公訴を提起させないこと、すなわち不起訴処分を獲得することを最優先に据える必要があります。

逮捕直後にまず何をすべきですか

取調べに応じる前に弁護人と方針を決めることが最も重要です。この類型では、行為そのものは争わず同意の有無だけが争点となる事案が少なくありません。ところが取調べでは、身体接触の事実を認めた供述が、そのまま同意がなかったことまで認めた調書として整えられてしまう危険があります。日本語に不自由がない方でも、同意しない意思を全うすることが困難な状態という法律上の評価に関わる質問には、微妙なニュアンスの差が結論を左右します。したがって、弁護人が選任されるまでは黙秘権を行使し、供述調書に署名しないという判断が合理的な場面が多いといえます。通訳の質も見過ごせません。方言や生活語彙の取り違えが後の公判で供述の信用性を損なうことがあるため、通訳人の適格に疑問があれば、その場で異議を述べ、記録に残しておくべきです。示談交渉についても、被害者の連絡先は弁護人限りで開示されるのが通例であり、早期の弁護人選任が示談の可能性そのものを左右します。

よくあるご質問

示談が成立すれば不起訴になりますか

不同意わいせつ罪は非親告罪ですので、示談が成立しても当然に不起訴となるわけではありません。もっとも、被害者の処罰意思が失われたことは検察官の起訴・不起訴の判断において重視される事情です。被害弁償の履行状況、宥恕文言の有無、再発防止の具体策を併せて示すことが実務上重要になります。

在留カードの更新時期が迫っています。捜査中でも更新できますか

捜査中であることのみを理由に更新が当然に不許可となるわけではありませんが、審査が長期化することがあります。処分が未了の段階でどこまで説明するかは戦略に関わりますので、刑事弁護人と入管手続の双方を見通したうえで、資料の準備と申請時期を検討することをお勧めします。

永住者ですが、有罪になれば永住資格を失いますか

永住者は別表第二の在留資格ですので、入管法24条4号の2の適用はありません。ただし1年を超える実刑となれば24条4号リの対象となります。また、退去強制されなくとも、再入国許可の運用や将来の帰化申請には影響が及び得ますので、量刑を軽くする活動は引き続き重要です。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

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