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支払用カード電磁的記録不正作出罪とは|スキミングの刑事責任と在留

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支払用カード電磁的記録不正作出罪とは|スキミングの刑事責任と在留

支払用カード電磁的記録不正作出罪とは|スキミングの刑事責任と在留

2026/08/13

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他人のクレジットカード情報を読み取って別のカードに記録する、いわゆるスキミングやカードの偽造は、刑法163条の2の支払用カード電磁的記録不正作出罪にあたり、10年以下の拘禁刑という重い法定刑が定められています。偽造カードの所持や、情報の取得・保管も独立して処罰されます。本稿では、この罪の構造と関連する準備罪、そして刑法第18章の2に属することによる在留資格への効果を整理します。組織の末端として関与する事案が多い点も特徴です。

本記事の要点

  • 支払用カード電磁的記録の不正作出は、刑法163条の2により10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。
  • 不正な電磁的記録を持つカードの所持は、刑法163条の3により独立して処罰されます。
  • カード情報の取得や器械・原料の準備も、刑法163条の4の準備罪の対象となります。
  • 本罪は刑法第18章の2にあり、入管法24条4号の2の列挙範囲に含まれます。

どのような行為がこの罪にあたりますか

人の財産上の事務処理を誤らせる目的で、クレジットカードやプリペイドカードの電磁的記録を不正に作る行為が対象で、刑法163条の2第1項により10年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金と定められています。読取機を用いて他人のカード情報を取得し、別のカードの磁気ストライプに書き込む行為が典型です。作出したカードを人の事務処理の用に供する行為、および不正に作られたカードを譲り渡し、貸し渡し、または輸入する行為も同条2項、3項で処罰されます。窃盗や詐欺と異なり、財物の移転や現実の損害がなくても、記録を作った時点で犯罪が成立する点に特徴があり、被害が拡大する前の段階で摘発される事案が多く見られます。

所持しているだけでも処罰されるのですか

不正に作られた電磁的記録を持つカードを、人の財産上の事務処理を誤らせる目的で所持すれば、刑法163条の3により5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金に処せられます。さらに、その前段階として、カード情報を取得し、または情報を保管する行為、偽造に用いる器械や原料を準備する行為も、刑法163条の4の準備罪として3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です。これらの規定により、カード犯罪は実行の相当前の段階から処罰網が及ぶ構造になっています。他人から預かっただけである、内容を知らなかったといった弁解は、所持の目的が争点となる場面で慎重な主張を要します。

カード犯罪は在留資格にどう響きますか

入管法24条4号の2は刑法第16章から第19章までを列挙対象としており、支払用カード電磁的記録に関する罪が置かれた第18章の2もこれに含まれます。したがって、別表第一の在留資格をお持ちの方がこれらの罪で拘禁刑に処せられた場合、執行猶予付きであっても退去強制事由に該当します。カード犯罪は組織的に行われることが多く、実刑となれば1年を超える可能性も相応にあり、その場合は24条4号リにも該当します。永住者や日本人の配偶者等といった別表第二の在留資格には24条4号の2の適用がありませんが、実刑の長さや更新時の素行要件は別途問題となります。退去強制後は入管法5条1項9号により原則5年間、上陸が拒否されます。

初動と不起訴に向けた対応を教えてください

カード会社や名義人に生じた損害の回復が第一歩となります。不正利用による被害が発生している場合には、その全額を弁償し、加えて調査費用の負担についても協議します。他方、この類型では組織の末端として関与している事案が多いため、指示系統における位置づけ、報酬の額、関与期間を客観資料で示し、起訴猶予を求めることが現実的な目標となります。初動では、押収された機器やカードの数量が量刑を大きく左右するため、所持していた物の内容を正確に把握したうえで供述することが重要です。取調べで、スキマー、磁気ストライプ、暗証番号といった用語が通訳で混同されると、認識の範囲が実際より広く記録される危険があります。

よくあるご質問

実際に使っていなくても罪になりますか

不正な電磁的記録を作った時点、あるいは目的をもって所持した時点で犯罪が成立しますので、実際の利用がなくても処罰の対象となります。利用の有無や被害額は、起訴・不起訴の判断と量刑に影響します。押収された機器の数量や種類は、目的や規模を推認させる事情として扱われます。

カード情報を渡しただけの場合はどうなりますか

情報を取得し、または保管する行為は刑法163条の4の準備罪の対象となり得ます。譲り渡しの態様によっては共犯としての責任も問題となりますので、関与の経緯と認識の内容を整理して説明する必要があります。情報の入手経路を具体的に説明できるかどうかが、責任の範囲を画します。

執行猶予でも在留は難しいのでしょうか

別表第一の在留資格の場合、本罪は入管法24条4号の2の対象ですから、執行猶予でも退去強制事由に該当します。在留を望まれる場合には、起訴前の段階で不起訴処分を目指す活動が最も重要になります。被害の弁償先が複数となる場合は、優先順位を早期に整理する必要があります。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区・高田馬場駅から徒歩約5分)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人の刑事弁護と入管手続を主たる注力分野として取り扱っております。刑事事件と在留の問題を別々の専門家に分けて依頼するのではなく、同一の弁護士が最初の接見から入管手続まで一貫して担当いたします。

当事務所には外国人事件専属の中国語通訳が在籍しており、接見、取調べへの立会い、ご家族との打合せに対応いたします。中国国内にいらっしゃるご家族からのご連絡も、微信(WeChat)で直接お受けしております。刑事手続の終了後の在留資格の更新・変更については、提携する行政書士とともに対応いたします。

これまでの解決実績の一部をご紹介いたします。

  • 特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案において、取調べへの対応と主張立証を尽くし、全件について不起訴処分を獲得した事例。
  • 在留資格を失って不法残留で逮捕・起訴された依頼者について、婚姻と認知の手続を実現させたうえで、公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な証拠を収集し、一度の申請で在留特別許可を獲得した事例。
  • 覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された依頼者について、証拠の分析と被告人質問・反対尋問を尽くし、無罪判決を獲得した事例。

本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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