舟渡国際法律事務所

ご家族が薬物事件で逮捕された方へ|最初の72時間にできることのチェックリスト

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ご家族が薬物事件で逮捕された方へ|最初の72時間にできることのチェックリスト

ご家族が薬物事件で逮捕された方へ|最初の72時間にできることのチェックリスト

2026/08/13

ご家族が突然逮捕されたという知らせを受けた直後は、頭が真っ白になってしまうものです。何が起きているのか分からず、誰に何を聞けばよいのかも分からない。そうしたご相談を、当事務所は数多くお受けしてまいりました。まずお伝えしたいのは、最初の数日にできることは確かにあり、それは特別な知識がなくても取りかかれるものだ、ということです。本記事は、日本におられるご家族にも、海外から連絡を取ろうとしておられるご家族にも使っていただけるよう、順番と要点を整理したチェックリストです。落ち着いて、一つずつ確認していきましょう。

本記事の要点

  • 最初に確認するのは、どこの警察署に留置されているか、罪名は何か、逮捕の日時はいつか、の三点です。
  • 逮捕から勾留が決まるまでの流れは短時間で進みますので、弁護人の選任は早いほど選択肢が広く残ります。
  • 面会や差入れには制限がかかることがありますが、弁護人であれば立会人なしで接見することができます。
  • 外国籍の方の場合、領事関係に関するウィーン条約36条1項(b)に基づき、本国の領事機関への通報を求めることができます。
  • 薬物事犯は入管法24条4号チにより有罪判決だけで退去強制事由となるため、起訴前の対応が在留に直結します。

最初に確認していただきたい三つのこと

まず、事実関係の骨格を押さえます。確認すべきは、どこの警察署に留置されているか、どのような罪名で逮捕されたのか、いつ逮捕されたのか、この三点です。この三つが分かれば、弁護士は直ちに動き出すことができます。

連絡は、警察署からご家族に入る場合もあれば、ご本人の職場や知人を経由して伝わる場合もございます。情報が断片的でも構いません。分かっている範囲でメモに残し、時系列で並べておいていただくだけで、その後の相談が格段に早く進みます。

  • 留置されている警察署の名称と所在地
  • 罪名(覚醒剤取締法違反、麻薬及び向精神薬取締法違反など)
  • 逮捕された日時と、連絡を受けた日時
  • ご本人の在留資格の種類と在留期限、在留カードの所在

どこに連絡すればよいのでしょうか

弁護士に連絡していただくのが、最も早い道です。逮捕された方には、当番弁護士の派遣を求める制度があり、ご本人からの申出により一度弁護士が接見に来てくれます。あわせて、継続的に弁護活動を担当する私選弁護人を選任するかどうかを、ご家族でご検討いただくことになります。

逮捕からの手続は、送致、勾留請求、勾留質問と短い時間の中で進んでまいります。この間にご本人がどのような説明をされたかが、その後の全体を規定していきます。ですから、可能な限り早い段階で、ご本人の立場に立つ弁護人が接見に入れるようにしておくことに意味がございます。

面会・差入れ・通訳について

ご家族の面会には、時間や人数の制限があり、事案によっては接見等禁止の措置により面会自体ができないこともございます。他方、弁護人は立会人なしで接見することができますので、ご本人の様子やご意向を確認し、ご家族にお伝えすることが可能です。

差入れについては、現金、衣類、書籍などが認められることが一般的ですが、留置施設ごとに扱いが異なります。事前に施設へご確認いただくと安心です。また、外国籍の方の場合、領事関係に関するウィーン条約36条1項(b)に基づき、本国の領事機関への通報を求めることができます。ご本人の意向を確認したうえで検討する事柄です。

言葉の問題も大きな課題です。捜査機関が手配する通訳は、あくまで捜査のための通訳です。ご本人の側に立つ通訳を確保できるかどうかで、伝わり方が変わってまいります。

勤務先や学校への連絡は、どう考えればよいですか

急いで結論を出す必要はございません。伝え方や時期によって、その後の在職や在学の可能性が変わることがあるためです。弁護人と相談したうえで、どの範囲に、どのような形で伝えるかを決めていただくことをお勧めいたします。

とりわけ、就労資格や留学の在留資格をお持ちの方の場合、勤務先や学校との関係は在留の基礎そのものに関わります。雇用の継続や復学の可能性が残るのであれば、それは後の手続において重要な資料となり得ます。

この時期に控えていただきたいこと

ご家族としては何かせずにいられないお気持ちになるものですが、かえって不利に働く行動もございます。関係者に連絡を取って事実関係をすり合わせようとする行為は、証拠隠滅と受け止められかねません。ご本人の住居から物を持ち出すことも、同様の疑いを招く可能性がございます。

また、事件について公開の場で発信されることも、お控えいただくのが賢明です。ご本人にとって不利な形で引用されることがあるためです。心配な行為があれば、実行の前に弁護人へご確認ください。

  • 関係者との口裏合わせと受け取られかねない連絡
  • ご本人の居室からの物品の持ち出し
  • 会員制交流サイト等での事件に関する発信
  • 捜査機関からの求めに、弁護人に相談せず単独で応じること

在留への影響について、いま知っておいていただきたいこと

薬物事件は、在留資格との関係において特別な構造を持っております。入管法24条4号チは、麻薬及び向精神薬取締法、大麻草の栽培の規制に関する法律、あへん法、覚醒剤取締法、麻薬特例法、又は刑法第2編第14章に違反して有罪の判決を受けた者を退去強制事由として掲げており、刑種の限定も刑期の限定もございません。執行猶予が付いた場合も含まれます。

この構造からは、一つの実務的な帰結が導かれます。すなわち、外国人の薬物事件では、公判で執行猶予を得ることを最終目標に据える方針は、在留という観点からは目標設定を誤っているということです。起訴前の段階で不起訴処分を獲得することが、在留を守る完全な出口になります。だからこそ、最初の数日の動き方に意味があるのです。

当事務所の体制と、これまでの解決事例

舟渡国際法律事務所では、松村大介弁護士が、接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。事務員や若手弁護士が代わりに接見に行く方式は採っておりません。中国語については、外国人事件に精通した専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、ご本人のために動く立場の通訳を刑事手続の全般でご利用いただけます。中国語以外の言語については、事案に応じて通訳人を手配いたします。

特殊詐欺の出し子とされた20代の女性について、主観的な事情を総合的に主張して不起訴処分を獲得した事例がございます。また、特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、取調べ対応と不当な取調べへの抗議、丁寧な主張立証を通じて全件不起訴を獲得いたしました。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴された事案において、徹底した証拠分析と被告人質問・反対尋問により無罪判決を獲得した実績もございます。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

突然の出来事に直面したとき、ご家族にできることは何もないように思えるかもしれません。けれども、留置先を確かめ、時系列を書き留め、弁護人と相談しながら一つずつ手を打っていくこと。その積み重ねが、後の手続で使える確かな土台になります。今できることから、落ち着いて始めていただければ十分です。本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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