舟渡国際法律事務所

薬物事件と在留資格 よくある20の質問|外国人ご本人とご家族のためのQ&A

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薬物事件と在留資格 よくある20の質問|外国人ご本人とご家族のためのQ&A

薬物事件と在留資格 よくある20の質問|外国人ご本人とご家族のためのQ&A

2026/08/13

薬物事件と在留資格の関係については、断片的な情報が入り混じり、何が正確なのか分かりにくくなっております。ここでは、当事務所に多く寄せられるお尋ねを20問に整理し、結論から簡潔にお答えいたします。込み入った事情がある場合には答えがそのまま当てはまらないこともございますので、全体像を掴むための地図としてお使いください。

本記事の要点

  • 薬物事犯は入管法24条4号チにより、有罪判決を受けた事実だけで退去強制事由となり、刑の重さを問いません。
  • 執行猶予による除外は24条4号リの但書に置かれたものであり、4号チには及びません。
  • 在留資格の種類を問わず4号チは適用されますが、入管特例法22条により特別永住者は薬物では退去強制されません。
  • 24条の3の出国命令は薬物事犯には利用できず、手続は退去強制へ進みます。
  • 不起訴処分は有罪の判決ではないため4号チに該当せず、起訴前の弁護活動が決定的な意味を持ちます。

Q1〜Q5 有罪判決と退去強制の基本

Q1 執行猶予がついたのに強制送還されることはありますか。 A あり得ます。入管法24条4号チは有罪の判決を受けた者とのみ定め、執行猶予による除外を置いていないためです。

Q2 罰金だけで終わったのですが、在留に影響しますか。 A 4号チは刑種を限定していないため、罰金でも該当します。略式命令の場合も同様です。

Q3 不起訴になった場合はどうなりますか。 A 不起訴は有罪の判決ではありませんので4号チには当たりません。ただし更新審査の素行の評価では事案の実質が見られることがあります。

Q4 対象になる法律はどれですか。 A 麻薬及び向精神薬取締法、大麻草の栽培の規制に関する法律、あへん法、覚醒剤取締法、麻薬特例法、刑法第2編第14章の6つです。

Q5 永住者でも退去強制されますか。 A 4号チは在留資格の種類を問いません。もっとも入管法50条1項1号は永住許可を受けているときを在留特別許可の号として掲げております。

Q6〜Q10 立場ごとの違い

Q6 特別永住者はどうなりますか。 A 入管特例法22条の退去強制事由は内乱・外患等に限定され、薬物は含まれません。ただし刑事責任は当然に生じます。

Q7 日本人の配偶者ですが、扱いは違いますか。 A 4号チの適用に違いはありません。ただし入管法50条5項は家族関係を考慮要素として明記しております。

Q8 留学生や技能実習生の場合はどうなりますか。 A いずれも4号チの対象です。加えて活動を継続できなくなることにより、在留資格取消し(22条の4)の問題も生じ得ます。

Q9 危険ドラッグでも退去強制になりますか。 A 指定薬物は医薬品医療機器等法の規制であり、4号チの列挙法令には含まれません。1年を超える実刑なら4号リの問題となります。

Q10 未成年の子が家庭裁判所に送られました。 A 保護処分は有罪の判決ではありませんので4号チには当たりません。逆送されて公判となった場合は別の検討を要します。

Q11〜Q15 手続の流れ

Q11 自分から出頭すれば出国命令で帰れますか。 A 入管法24条の3は4号ハからヨまでのいずれにも該当しないことを要件としており、4号チに該当する方は対象外です。

Q12 刑事手続が終わったら何が起きますか。 A 在留資格を失っている場合、身柄が入管に引き継がれ、違反調査から退去強制手続が進みます。

Q13 在留特別許可は申請できますか。 A 入管法50条2項により、収容令書により収容された外国人又は監理措置決定を受けた外国人が申請できます。

Q14 退去強制令書が出た後でも申請できますか。 A できません。入管法50条3項が明文で定めており、令書発付前に申請を終えておく必要があります。

Q15 監理措置とは何ですか。 A 収容によらず手続を進める制度で、決定を受けた方は50条2項により在留特別許可を申請できます。認められるかは個別事情によります。

Q16〜Q20 その後と弁護活動

Q16 一度送還されたら、何年で戻れますか。 A 入管法5条1項5号に期間の定めはありません。9号の1年・5年・10年が経過しても5号は残り、12条1項の上陸特別許可を求めるほかありません。

Q17 在留特別許可が認められなかったら、裁判で争えますか。 A 裁決や退去強制令書発付処分の取消訴訟を提起し、執行停止を申し立てる道があります。結果をお約束できるものではございません。

Q18 大麻の使用罪はいつからですか。 A 麻向法66条の2の施用・受施用の罪は令和6年12月12日施行で、7年以下の拘禁刑と定められております。

Q19 知らずに預かっただけでも退去強制になりますか。 A まず刑事手続で故意を争います。退去強制事由に故意・過失を要するかは、当事務所が現在も訴訟で争っている論点です。

Q20 弁護士に相談するのはいつがよいですか。 A 逮捕直後です。薬物事件では起訴前の不起訴処分の獲得だけが在留を守る完全な出口であり、初動の対応が全体を左右します。

当事務所の体制と解決事例

舟渡国際法律事務所では、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします。中国語については外国人事件に精通した専属通訳が常駐し、中国語以外の言語については事案に応じて通訳人を手配いたします。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)で起訴されたご依頼者について、証拠分析と被告人質問・反対尋問により無罪判決を獲得した事例がございます。特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、取調べ対応と主張立証を通じて全件不起訴を獲得いたしました。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

20問を通してご覧いただくと、薬物事件と在留資格の関係が、入管法24条4号チという一つの条文を軸に組み立てられていることがお分かりいただけると存じます。本記事は一般的な解説であり、個別の事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119

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