難民認定申請中に収容されました|12の質問
2026/08/12
難民認定を申請している最中に、ご本人が収容されてしまったというご相談を数多くいただきます。難民として保護を求めている立場でありながら身柄を拘束されることに、強い不安を感じるのは当然のことです。難民認定手続と退去強制手続は別個に進行し得るため、両者の関係を正しく理解しておくことが重要です。本稿では、難民認定申請中の収容について、監理措置による対応も含めてよくある疑問にお答えいたします。
本記事の要点
- 難民認定手続と退去強制手続は別個の手続であり、申請中であっても収容され得る。
- 令和5年改正により、3回目以降の難民認定申請等について送還停止効の例外が設けられた。
- 難民に該当しない場合でも、補完的保護対象者として保護される制度が新設されている。
- 収容されている場合は、監理措置決定の申請により収容しないで手続を進める道が検討できる。
難民認定申請中でも収容されるのはなぜですか
難民認定手続は、難民条約上の難民に該当するかどうかを審査する手続であり、退去強制手続とは別個の制度として位置づけられています。したがって、難民認定を申請しているという事実それ自体が、退去強制手続の進行や収容を当然に妨げるものではありません。もっとも、令和5年改正前は、難民認定申請中は送還が停止される効力(送還停止効)が一律に及んでいましたが、改正後は3回目以降の難民認定申請等について、この送還停止効の例外が設けられました。申請中であっても収容されることがあるという現実を前提に、収容された場合にどのような対応が可能かを検討することが必要です。
難民として認められなくても保護される道はありますか
令和5年改正入管法により、難民条約上の難民には該当しないものの、一定の要件を満たす方を保護する補完的保護対象者認定制度が新設されました。出入国在留管理庁の公表によれば、令和5年12月から令和6年12月までの間に補完的保護対象者として認定された方は1,663人にのぼり、定住支援プログラムを受講した方も212人に上ります。難民認定申請の結果だけに頼るのではなく、補完的保護の枠組みも視野に入れて手続を進めることが、選択肢を広げることにつながります。
収容されている場合、監理措置による解放は検討できますか
難民認定申請中に収容されている場合であっても、監理措置決定の申請という手段が別途用意されています。退去強制令書発付前であれば法44条の2以下、発付後であれば法52条の2以下が根拠となり、監理人となるべき者を選定できることや、主任審査官が収容しないことを相当と認めることが要件となります。申請は原則としてご本人が行いますが、16歳未満である場合や申請ができない事情がある場合には、同居の配偶者・子・父母その他の親族が代わって申請することも認められています。難民認定手続の帰趨を待つ間、身柄の安定を図る手段として、監理措置の活用を検討する意味は大きいといえます。
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初回相談は無料でお受けしております。収容中のご本人との接見についてもご相談ください。
おわりに
難民認定申請中の収容は、ご本人にとってもご家族にとっても、先の見えない不安を伴う状況です。難民認定手続と監理措置という二つの制度を組み合わせて、取り得る選択肢を整理していくことが大切です。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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