刑事事件のあと強制送還されるのか|刑事と入管の18問
2026/08/12
刑事事件で有罪判決や執行猶予を受けた後、そのまま日本に住み続けられるのか、強制送還されてしまうのかというご不安を抱える方は少なくありません。刑事手続と入管手続は別の制度であり、刑事事件の結果が在留にどのように影響するのかは、多くの方にとって分かりにくい部分です。本記事では、刑事事件と退去強制手続の関係について、よくいただくご質問に沿ってご説明いたします。
本記事の要点
- 執行猶予付き判決を得ても、退去強制事由に当たり得ることがあります。
- 刑事手続では、起訴前段階での不起訴処分の獲得が在留を守るうえで重要となります。
- 退去強制事由の判断に故意・過失を要するかは、現在係争中の論点です。
- 退去強制事由に該当しても、在留特別許可が検討される場合があります。
執行猶予がついても、なぜ強制送還の対象となり得るのか
刑事事件において執行猶予付きの判決を得たとしても、それによって退去強制手続が当然に終わるわけではありません。入管法上の退去強制事由は刑事手続とは別の枠組みで判断されるため、刑事責任が軽減されたとしても、退去強制事由に該当する場合には、別途、在留に関する手続が進められることになります。この点は、刑事事件の見通しだけでなく、入管手続への影響も併せて考える必要があることを意味します。
在留を守るうえで、刑事手続のどの段階が重要なのか
在留を守るという観点からは、刑事事件において起訴前の段階で不起訴処分を得ることが決定的に重要であるとされています。これは、執行猶予付きの有罪判決であっても退去強制事由に当たり得る一方で、不起訴処分であれば、その事由に該当しない可能性が高まるためです。したがって、刑事弁護の方針を検討する際には、量刑だけでなく、起訴・不起訴の判断そのものを見据えた対応が重要な意味を持ちます。この点は、当事務所の松村大介弁護士が重視している視点でもあります。
退去強制事由の判断をめぐって、どのような議論があるのか
退去強制事由の該当性を判断するにあたり、故意・過失を要するかという論点について、現在、松村大介弁護士が係争中の事案があります。この論点は、行為態様や認識の有無が退去強制事由の判断にどのように影響するかに関わるものですが、結論について断定的な見通しを述べることはできません。また、仮に退去強制事由に該当すると判断された場合であっても、法務大臣の裁量による在留特別許可が検討される余地があり、令和5年改正により考慮事情が法定化されています(法50条)。
当事務所のご案内
収容や監理措置の問題は、刑事事件と切り離して考えることができない場面が少なくありません。当事務所は、その両面を一人の弁護士が通して担当する体制を採っております。
国際的な刑事事件、裁判員裁判の対象事件、広く報道された重大事件についても、数多くの対応実績を有しております。
行政庁の措置について処分性を正面から認めさせた高等裁判所判決を得た実績がございます(令和6年6月26日大阪高等裁判所判決)。行政の判断を司法の場で争う経験を重ねてまいりました。
身柄の解放と在留の維持は別の問題でございます。監理措置によって社会内での生活が認められても、退去強制手続そのものは進行いたしますので、在留特別許可を見据えた準備を並行して進める必要がございます。
当事務所では、松村大介弁護士自身が全工程を直接担当する体制を採っております。外国人の方の事件では、接見・取調べの立会い・入管との折衝・訴訟対応のいずれの場面でも一貫した戦略が必要となるためでございます。加えて、外国人事件専属の中国語通訳が常駐しております。
※ 過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
初回相談は無料でございます。ご家族からのお問い合わせも承っております。
おわりに
刑事事件の結果と在留の可否は別の問題として扱われるため、両方の見通しを早い段階から整理しておくことが望まれます。特に起訴前の段階での対応は、その後の選択肢に大きく影響します。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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