監理措置中は働けるのか|就労に関する15の質問
2026/08/12
監理措置の下で生活していく上で、生活費をどう工面するのか、働くことができるのかは切実な関心事です。就労の可否は、退去強制令書の発付前か発付後かによって大きく異なり、許可の要否や手続にも違いがあります。本記事では、監理措置中の就労に関してよく寄せられるご質問を取り上げ、制度の枠組みを整理してご説明いたします。
本記事の要点
- 退令発付前は、許可を受ければ生計維持に必要な範囲で就労が可能です。
- 退令発付後は、就労は認められていません。
- 自営業は認められず、雇用契約に基づく就労に限られます。
- 勤務先は雇用契約書に基づき主任審査官が指定します。
監理措置の下で働くことはできるのか
退去強制令書の発付前であれば、生計を維持するために必要かつ相当と認められる場合に限り、許可を受けたうえで報酬を受ける活動が可能です(法44条の5第1項)。これに対し、退去強制令書の発付後は、速やかに本邦から退去することが原則とされているため、就労は認められません。同じ「監理措置」という言葉でも、退令の発付前後で就労の可否が根本的に異なる点に注意が必要です。なお、就労可能な在留資格を有する方は、そもそも報酬活動許可の申請自体が不要です。
就労許可を得るためには何が必要なのか
就労許可の申請にあたっては、許可申請書のほか、労働条件を明示する文書、就業予定機関の所在地等の証明資料、収入・資産を示す資料、監理人による援助額を示す資料などが必要とされています。勤務先については、雇用契約書に基づいて主任審査官が指定する仕組みとなっており、自営業は「本邦の公私の機関との雇用に関する契約」に限定される要件の下で認められません。また、法令違反活動や風俗営業、源泉徴収が適正に行われていない企業への就労は不適当とされます。報酬の額についても、生活保護の水準を参考に、資産・収入・援助の見込み等から個別に決定されます。
無許可で働いてしまうとどうなるのか
退令発付前に無許可で就労した場合、また退令発付後に就労した場合には、いずれも3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金の対象となります。監理人にとっても、被監理者の無許可就労を知った場合には7日以内に届け出る義務があり、これを怠ると10万円以下の過料の対象となります。就労を希望される場合には、必ず事前に許可の要否と手続を確認し、無許可での就労は避けていただく必要があります。
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おわりに
監理措置中の就労は、退令の発付段階によって扱いが大きく異なり、許可を得るための書類準備にも時間を要します。生活の見通しを立てるためにも、早い段階で就労の可否と必要な手続を確認しておくことが大切です。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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