舟渡国際法律事務所

退去強制手続の三段階|違反調査・違反審査・口頭審理

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退去強制手続の三段階|違反調査・違反審査・口頭審理

退去強制手続の三段階|違反調査・違反審査・口頭審理

2026/08/12

ご家族やご本人が入管に収容され、これから何が起きるのか見通しが立たずに不安を抱えていらっしゃる方は少なくありません。退去強制の手続は、入国警備官による違反調査、入国審査官による違反審査、特別審理官による口頭審理という段階を踏んで進んでいきます。どの段階でどのような判断がなされ、身柄がどう扱われるのかを知っておくことは、落ち着いて次の一手を考えるための助けになります。本記事では、手続の全体像と、各段階における身柄拘束のあり方を整理いたします。

本記事の要点

  • 退去強制手続は違反調査・違反審査・口頭審理という三段階を経て進みます。
  • 各段階を担当する機関が異なり、判断の性質もそれぞれ異なります。
  • 手続の進行中でも、収容せずに社会内で手続を進める監理措置という選択肢があります。
  • 監理措置には退令発付前と発付後の二類型があり、根拠条文も要件も異なります。

退去強制手続はどのような順序で進むのですか

退去強制手続は、大きく分けて違反調査、違反審査、口頭審理という三つの段階を経て進みます。まず入国警備官が違反の疑いについて事実関係を調べる違反調査が行われ、その結果を踏まえて入国審査官が退去強制事由に該当するかどうかを判断する違反審査へと進みます。ここで該当すると判断された場合、対象者はその認定に対して口頭審理を請求することができ、特別審理官が改めて審理を行います。さらにその判断に不服がある場合には、法務大臣に対する異議の申出という段階が用意されています。各段階は独立した判断機会であり、前の段階の判断がそのまま確定するわけではありません。手続がどの段階にあるかによって、取り得る対応や弁護士が関与できる内容も変わってきます。

手続が進む間、身柄はどのように扱われるのですか

入管法上、退去強制手続の対象者は収容されることがあり得ますが、令和5年改正入管法により、収容しないで手続を進める監理措置という制度が設けられています。監理措置には、退去強制令書が発付される前の段階を対象とする類型(入管法第44条の2以下)と、発付された後の段階を対象とする類型(入管法第52条の2以下)の二つがあり、根拠条文も要件も異なります。退令前の監理措置は、監理人となるべき者を選定できることに加え、逃亡や証拠隠滅のおそれの程度、収容により受ける不利益の程度その他の事情を考慮して、主任審査官が収容しないことを相当と認めることが要件とされています。手続のどの段階にあるかを正確に把握することが、取り得る対応を考える出発点になります。

監理措置が失効したり取り消されたりすることはあるのですか

退令前の監理措置は、退去強制令書が発付されると当然に失効します(入管法第44条の8)。つまり、口頭審理や異議の申出の結果として退去強制令書が発付された場合、それまで監理措置の下で社会内生活を送っていた方であっても、身柄の扱いが改めて問題となり得ます。この場合には、退令後の監理措置(入管法第52条の2以下)を新たに申請することが選択肢となります。退令前と退令後とでは要件も考慮される事情も異なるため、同じ監理措置という言葉であっても、手続上の位置づけを混同しないことが重要です。手続の段階が変わるたびに、身柄に関する状況を確認し直す必要があります。

当事務所のご案内

以下では、当事務所がこれまでに取り扱ってまいりました事件のうち、本稿のテーマと関わりの深いものをご紹介いたします。

警察の警告処分をめぐる控訴事件において、警察側の主張を全面的に排斥する判決を獲得しております。行政処分に対する司法審査の在り方を問う訴訟を得意としております。

不法就労助長罪に問われ強制送還の危機に瀕された女性の事案では、「退去強制事由には故意・過失を要しない」とする従来の入管実務そのものを問い直す訴訟を、現在も係争中でございます。

外国人の方の事件では、刑事手続の結果がそのまま在留の可否に直結いたします。執行猶予判決を得ても退去強制事由に当たりうる類型がありますので、当事務所は起訴前の段階から不起訴処分の獲得を最優先の目標として弁護方針を組み立てております。

当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、ご本人・ご家族との打合せから入管への同行まで対応いたします。捜査機関が指定する通訳とは立場を異にし、依頼者ご本人のために動く通訳でございます。手続は松村大介弁護士が全工程を直接担当いたします。

※ 解決事例は個別事案の事情に基づくものでございます。同様の結果を保証するものではない点にご留意ください。

初回のご相談は無料です。中国語でのご相談にも対応しております。

おわりに

退去強制手続は複数の段階から成り立っており、それぞれの段階で判断の性質も、取り得る対応も異なります。手続の見通しが立たないまま時間だけが過ぎていくことに不安を感じる方も多いと思いますが、まずは現在どの段階にあるのかを把握することが、次の対応を考える出発点になります。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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