支援団体の方が監理人になる場合
2026/08/12
日頃から支援している外国人が収容され、団体として、あるいは個人として「監理人になってほしい」と頼まれて悩んでおられる支援者の方に向けてこの記事を書きます。監理措置制度の適格者には支援者が明示的に含まれていますが、実際の運用では親族・知人が監理人となる例が圧倒的に多く、支援団体が担う例は限られています。本記事では、支援団体の方が監理人を引き受ける際の役割と課題を整理いたします。
本記事の要点
- 監理人の適格者には支援者が明示的に含まれています。
- 監理人の9割以上を親族・知人が占め、支援者は限られた割合です。
- 監理人は生活状況の把握や相談対応など4つの責務を負います。
- 支援と報告義務が同時に求められる構造上の課題が指摘されています。
支援団体は監理人になれるのか
監理措置制度における監理人の適格者としては、親族、知人、元雇用主、支援者、弁護士、行政書士などが幅広く想定されており、支援者は明示的にその一つとされています。もっとも、出入国在留管理庁の公表資料によれば、監理人の9割以上は被監理者の親族・知人が占めており、支援団体や支援者が監理人となる例は相対的に限られた割合にとどまります。未成年者、精神の機能の障害により責務を果たすことができない者、在留資格を有しない外国人は監理人になることができない点は、支援団体の関係者であっても変わりません。
支援団体が監理人となる場合の役割と責務
監理人には、被監理者の生活状況の把握・指導監督、相談対応・援助、主任審査官の報告請求への対応、そして一定の事由が生じたときの7日以内の届出という4つの責務があります。支援団体は日頃から生活相談や援助の実績を持つことが多く、これらの責務のうち相談対応・援助の面では強みを発揮しやすいと考えられます。一方で、届出義務については、支援している当事者の不利益につながり得る事実を届け出るという難しい判断を伴う場面が生じ得ます。
支援と監視が同居することの構造的な課題
関東弁護士会連合会は、監理人が被監理者の条件違反等を報告する法的義務を負う一方で、被監理者は生活保護を原則として受けられず、健康保険も原則として与えられないため、生存のために違反せざるを得ない状況に置かれやすいという構造上の問題を指摘しています。日頃から支援関係にある支援団体が監理人を兼ねる場合、この利益相反の問題がより先鋭に表れる可能性があります。同連合会は、監理措置制度の廃止と仮放免制度の活用を求める声明を発表しています。
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※ 過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
初回相談は無料でお受けしております。収容中のご本人との接見についてもご相談ください。
おわりに
支援団体が監理人を引き受けることは、日頃の支援活動の延長として意義がある一方、支援者としての立場と届出義務という制度上の役割との間で葛藤が生じ得る選択でもあります。団体としてどこまでの責任を負えるかを、あらかじめ組織内で共有しておくことが望まれます。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
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