監理人は報酬を受け取れるのか|過度な要求は選定取消事由
2026/08/12
監理人を引き受けるにあたり、「報酬をもらってもよいのだろうか」と気にされる方もいらっしゃいます。特に、元雇用主や支援者、専門職として監理人になる場合には、無償での対応が現実的に難しいこともあるでしょう。本記事では、監理人が報酬を受け取ることの可否と、その際に注意すべき点について整理いたします。
本記事の要点
- 監理人が報酬を受け取ることについて、法律上の制限はありません。
- 被監理者との合意により、報酬を受領することが可能です。
- 過度な要求をした場合、選定の取消事由となり得ます。
- 監理措置決定通知書の謄本を携帯する義務は、監理人にはありません。
監理人は報酬を受け取ってよいのか
結論から述べると、監理人が報酬を受け取ることについて、法律上の制限は設けられていません。被監理者との間で合意が成立すれば、報酬を受領することが可能です。監理人の適格者には親族や知人だけでなく、元雇用主、支援者、弁護士、行政書士といった専門職も含まれており、こうした立場の方が継続的に生活状況の把握や相談対応、指導監督といった責務を果たすことを考えれば、無償を前提としない制度設計になっているといえます。
報酬を受け取る際に注意すべきこと
もっとも、報酬について制限がないからといって、無制限に金銭を要求してよいわけではありません。被監理者に対して過度な要求をした場合には、監理人としての選定が取り消される事由となり得ます。被監理者は生活保護を受けられず、経済的に厳しい状況に置かれることが少なくないため、監理人がその立場を利用して不相当な金銭を求めることは、制度の趣旨に反すると評価されます。報酬を定める場合には、被監理者の生活状況を踏まえた合理的な範囲にとどめることが求められます。
選定取消しにつながるその他の事情との関係
過度な報酬要求は、任務の継続を不適当とする事由の一つとして位置づけられています。このほかにも、届出・報告義務違反など、監理人としての適格性が疑われる事情が積み重なれば、主任審査官による選定取消しの判断に影響し得ます。監理人は、被監理者を支える立場である以上、経済的な関係においても誠実な対応が求められることを理解しておく必要があります。
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おわりに
監理人が報酬を受け取ること自体は認められていますが、過度な要求は選定取消事由となり得るという点を踏まえ、被監理者との間で合理的な合意を形成することが大切です。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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