中国籍の方の監理措置|言語・書類・領事関係の実務
2026/08/12
中国籍のご家族が入管に収容され、慣れない日本語での手続に戸惑っていらっしゃるご親族は少なくありません。監理措置は、収容によらずに社会内で退去強制手続を進めるための制度ですが、申請書類の作成や主任審査官とのやり取りはすべて日本語で行われ、提出も窓口に限られます。本記事では、監理措置の基本的な仕組みとあわせて、中国籍の方が実務上とくに留意すべき点を整理いたします。
本記事の要点
- 監理措置には退去強制令書発付前(法44条の2以下)と発付後(法52条の2以下)の二類型があります。
- 申請書類はすべて窓口提出が必要であり、郵送での提出はできません。
- 監理人には親族・知人のほか、在留資格を有しない外国人はなることができません。
- 保証金は主任審査官が必要と認める場合に個別の事情により決定されます。
監理措置の申請は誰が、どこに行うのですか
監理措置決定の申請は、原則として収容されているご本人が行い、収容されている地方出入国在留管理官署に提出します。ただし、16歳未満の方や本人が申請できない事情がある場合は、同居の配偶者・子・父母その他の親族が代わって申請することができます。申請書には監理人承諾書兼誓約書、身分を証する書類、収入・資産を示す資料、住居を証明する資料などを添付する必要があり、これらはすべて窓口への持参が求められ、郵送による提出は認められていません。中国籍の方の場合、身分を証する書類の準備に時間を要することもあり、早めの準備が望まれます。なお、収容しないことを相当と認めるかどうかは、逃亡・証拠隠滅のおそれの程度や収容により受ける不利益の程度その他の事情を考慮して、主任審査官が個別に判断します。
監理人には誰がなれるのですか
監理人は親族、知人、元雇用主、支援者、弁護士、行政書士など幅広い方がなることができ、主任審査官が選定します。他方で、未成年者、精神の機能の障害により責務を果たすことができない者、そして在留資格を有しない外国人は監理人になることができません。中国籍のコミュニティでは、身近な知人に監理人を依頼したいというご相談も多いのですが、その方自身の在留資格の有無が要件となる点にご留意ください。監理人には、被監理者の生活状況の把握・指導監督、相談への対応、主任審査官の報告請求への対応、そして一定の事由が生じた場合に7日以内に届け出るという4つの責務が課されており、これらは国籍にかかわらず共通です。監理人となることを検討される際は、責務の内容をあらかじめ十分にご理解いただくことが大切です。
届出や連絡はどのように行えばよいのですか
被監理者には、3月を超えない範囲内で指定された日に、主任審査官へ届け出る義務があります。届出事項は条件の遵守状況、生活状況、監理人との連絡状況などであり、この届出も郵送は認められず、本人が出頭する必要があります。また、監理措置決定通知書は、在留カードを所持している場合を除き携帯する義務があります。日本語での書類作成や窓口でのやり取りに不安がある場合には、あらかじめ弁護士に相談し、必要書類の準備や届出の流れを確認しておくことが、手続を円滑に進めるうえで有用です。
当事務所のご案内
以下では、当事務所がこれまでに取り扱ってまいりました事件のうち、本稿のテーマと関わりの深いものをご紹介いたします。
特殊詐欺に関与したとされた依頼者について、主観的事情を丁寧に主張立証することにより、起訴を回避した事例がございます。外国人の方の場合、起訴の有無が在留に直結いたします。
不法就労助長罪に問われ強制送還の危機に瀕された女性の事案では、「退去強制事由には故意・過失を要しない」とする従来の入管実務そのものを問い直す訴訟を、現在も係争中でございます。
外国人の方の事件では、刑事手続の結果がそのまま在留の可否に直結いたします。執行猶予判決を得ても退去強制事由に当たりうる類型がありますので、当事務所は起訴前の段階から不起訴処分の獲得を最優先の目標として弁護方針を組み立てております。
当事務所の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から手続の終結まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳をご利用いただけます。
※ 解決事例は個別事案の事情に基づくものでございます。同様の結果を保証するものではない点にご留意ください。
初回のご相談は無料です。中国語でのご相談にも対応しております。
おわりに
監理措置は国籍を問わず共通の制度ですが、書類準備や窓口での手続には言語面での負担が伴うことも少なくありません。中国籍の方やそのご家族が制度を正しく理解し、必要な準備を計画的に進められるよう、条文の構造から丁寧にご説明することを心がけております。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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