監理措置中に家族が帰国することになったとき
2026/08/12
監理人を引き受けている親族が、何らかの事情で本国へ帰国することになり、この先どうすればよいのか不安を感じておられるご家族もいらっしゃるでしょう。監理人は被監理者の生活状況を把握し、相談に応じて援助に努めるという重要な役割を担っており、その担い手が日本を離れることは、監理措置の継続そのものに関わる問題になり得ます。あわせて、家族からの経済的な援助が変化することも、生活面での大きな課題です。本記事では、監理人を務める家族が帰国する場合に検討しておきたい点を整理します。
本記事の要点
- 監理人が引き続き責務を果たせなくなる場合には、新たな監理人の選定を検討する必要があります。
- 新たな監理人がいないことは、監理措置決定の必要的取消事由に当たります。
- 監理人には、被監理者の生活状況の把握や相談対応など4つの責務が課されています。
- 監理人による援助の状況は、就労許可の判断材料の一つにもなり得ます。
監理人が帰国すると、監理措置にどのような影響がありますか
監理人には、被監理者の生活状況の把握・指導監督、相談への対応と援助への努力、主任審査官の報告請求への対応、一定の事由が生じた際の届出という4つの責務が課されています(法44条の3・52条の3)。監理人が日本を離れて本国へ帰国すれば、これらの責務を継続して果たすことが難しくなる可能性があります。監理措置決定の必要的取消事由には、新たな監理人がいないときが含まれているため、現在の監理人が任務を続けられなくなる見通しが立った時点で、早めに対応を検討することが重要です。放置すれば、身柄の状況に直結する重大な問題に発展しかねません。
新たな監理人は、どのような人を選べばよいのですか
監理人となることができるのは、親族や知人に限られず、元雇用主、支援者、弁護士、行政書士など幅広い立場の人です。他方で、未成年者、精神の機能の障害により責務を果たすことが難しい者、在留資格を有しない外国人は監理人になることができません。帰国する家族に代わる監理人を探す際には、被監理者の生活の実情を理解し、継続的に責務を果たせる人物かどうかを慎重に検討することが求められます。新たな監理人の候補が見つかった場合には、主任審査官による選定の手続を経る必要があるため、早めに相談を始めることが望ましいといえます。
家族からの援助が変化することは、他にどのような影響がありますか
退令発付前の監理措置において報酬を受ける活動の許可を申請する際には、監理人による援助額を示す資料の提出が求められる場合があります。家族が帰国し、これまでの援助が受けにくくなることは、生活面はもとより、こうした許可申請における説明にも影響し得る事情です。援助の状況が変化する見通しが立った時点で、今後の生活設計や必要な手続について整理しておくことが望まれます。監理人の変更手続と生活面の変化とは密接に関わり合うため、両方を視野に入れて弁護士に相談することが、全体像を把握するうえで有益です。
当事務所のご案内
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※ 解決事例は個別事案の事情に基づくものでございます。同様の結果を保証するものではない点にご留意ください。
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おわりに
監理人を務める家族の帰国は、被監理者の生活と監理措置の継続の双方に影響し得る出来事です。早い段階で新たな監理人の選定や生活面の見直しに着手することが、安定した状況を保つための鍵となります。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
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