保証金を用意できないときに検討すべきこと
2026/08/12
監理措置の決定にあたり、保証金の納付を求められて戸惑っておられるご家族も少なくありません。保証金は主任審査官が必要と認めた場合に課されるものであり、すべての事案で一律に求められるわけではなく、金額も個々の事情に応じて定められます。とはいえ、期限までに用意できない場合には身柄の安定に直結する重大な問題となります。本記事では、保証金の位置づけと、準備が難しいときに検討すべき視点を整理いたします。
本記事の要点
- 保証金は主任審査官が必要と認めるときに、個別事情に応じて金額が決定されます。
- 保証金の上限は成人と未成年者とで異なる範囲内で定められています。
- 期限までに保証金を納付しないことは、監理措置決定の必要的取消事由に当たります。
- 納付が難しい場合は、早期に監理人や弁護士とともに対応を検討することが重要です。
保証金はどのような場合に、いくらまで求められるのですか
監理措置の条件の一つとして保証金が設定されることがありますが、これはすべての事案で一律に課されるものではなく、主任審査官が必要と認めた場合に限られます。金額は、成人については300万円を超えない範囲内、未成年者については150万円を超えない範囲内で、個々の事情に応じて定められます。逃亡や証拠隠滅のおそれの程度、収容により受ける不利益の程度といった、監理措置の要件そのものを判断する際の考慮事情と共通する要素が、保証金の要否や金額の判断にも踏まえられていると考えられます。したがって、保証金額に納得がいかない場合であっても、まずはその根拠や算定の考え方について、担当の地方出入国在留管理官署に確認することが出発点になります。
期限までに納付できない場合、監理措置はどうなりますか
保証金は、単に一時的に預けるものではなく、納付期限までに納付しないこと自体が監理措置決定の必要的取消事由として法律上明記されています(法44条の4第1項・第52条の4第1項)。必要的取消事由は、主任審査官の裁量の余地なく取消しに直結する点で、条件違反などの裁量的取消事由とは性質が異なります。したがって、期限が迫っているにもかかわらず金額の準備にめどが立たない場合には、期限を漫然と迎えるのではなく、早い段階で申請先の官署に事情を伝え、対応を相談しておくことが望ましいといえます。取消しにより身柄の状況が大きく変わり得るため、軽視できない場面です。
保証金の準備が難しいとき、誰にどのように相談すればよいですか
監理人には、被監理者からの相談に応じ、援助に努めるという責務が法律上定められています。保証金の準備に窮している場合は、まず監理人に率直に事情を共有し、共に対応を検討することが基本となります。監理人の多くは親族や知人であり、身近な立場から実情を踏まえた助言や支援が期待できる場合もあります。もっとも、必要的取消事由に該当するか否かの見極めや、官署とのやり取りの進め方については、法的な判断を要する場面も少なくありません。弁護士に相談することで、保証金以外に検討し得る事情や、取消し後に想定される展開についても、あらかじめ整理しておくことができます。
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おわりに
保証金は監理措置を支える条件の一つに過ぎませんが、納付できないことが取消しに直結し得る以上、その重みは軽くありません。準備が難しいと感じた時点で一人や一家族だけで抱え込まず、監理人や弁護士に早めに相談することが、身柄の安定を保つための第一歩となります。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
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舟渡国際法律事務所
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