監理人を引き受けてもらうときの説明の仕方
2026/08/12
監理人を誰かに引き受けてもらいたいと考えたとき、どこまで、どのように説明すればよいのか悩まれる方は多いと思います。監理人には法律上の責務が課され、履行を怠れば過料の対象にもなり得るため、引き受ける側にとって軽い決断ではありません。本記事では、監理人をお願いする際に伝えておくべき事柄を整理いたします。
本記事の要点
- 監理人には4つの責務があり、一定の事由が生じたときは7日以内の届出義務があります。
- 届出・報告義務に違反すると10万円以下の過料の対象となり得ます。
- 監理人の報酬には制限がなく、合意により受領することができます。
- 辞任する場合は主任審査官への事前届出が必要で、30日前までの届出が努力義務とされています。
まず伝えるべき監理人の役割は何ですか
監理人には、被監理者の生活状況の把握・指導監督、相談に応じ援助に努めること、主任審査官の報告請求に応じること、一定の事由が生じたときは7日以内に届け出ることという4つの責務があります。届出事由には、逃亡・証拠隠滅・条件違反、無許可就労、被監理者の未届出または虚偽届出、被監理者の死亡、監理人自身の連絡先変更、親族関係・雇用関係の終了などが含まれます。これらは日常的に被監理者と関わり続けることを前提とした責務であるため、引き受ける方には、一時的な保証人とは異なる継続的な関わりが求められることを説明しておく必要があります。
リスクについてはどう説明すればよいですか
届出・報告義務に違反した場合、10万円以下の過料の対象となり得ます。また、被監理者が逃亡したこと自体で監理人が処罰されることはありませんが、逃亡を知った日から7日以内の届出義務があることは説明しておくべきです。関東弁護士会連合会は、監理人が条件違反等を報告する義務を負う一方、被監理者は生活保護を受けられず原則として健康保険も与えられないため、報告すれば被監理者との信頼関係が損なわれかねないという利益相反の構造を指摘しています。このような制度上の緊張関係についても、率直に共有しておくことが誠実な説明といえます。
報酬や辞任についても説明しておくべきですか
監理人の報酬には法律上の制限がなく、当事者間の合意により受領することができます。ただし、過度な要求は主任審査官による選定の取消事由となり得るため、金額の設定は慎重に行う必要があります。辞任を希望する場合は、主任審査官に事前に届け出る必要があり、30日前までの届出が努力義務とされています。引き受けてもらう段階で、報酬の有無や金額、将来辞任したくなった場合の手続についてもあらかじめ共有しておくことで、後のトラブルを避けやすくなります。
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おわりに
監理人を引き受けてもらうことは、相手にとって継続的な責務を伴う重い決断です。役割・リスク・報酬・辞任の手続まで丁寧に説明し、納得のうえで引き受けていただくことが大切です。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
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