舟渡国際法律事務所

集団送還と監理措置|身柄をめぐる緊張関係

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集団送還と監理措置|身柄をめぐる緊張関係

集団送還と監理措置|身柄をめぐる緊張関係

2026/08/12

退去強制手続の対象となっている方の中には、まとまった人数を対象とする送還が計画される際、ご自身の監理措置による生活がどうなるのか、不安を抱かれる方がいらっしゃいます。個別に認められた監理措置と、まとまった規模で進められる送還実務との間には、制度上の緊張関係が存在します。本記事では、この緊張関係がどのような条文構造から生じるのかを整理いたします。

本記事の要点

  • 退令後の監理措置は、送還のための収容の必要が生じたときに取り消されることがあります。
  • これは法52条の4第2項1号に定める裁量的取消事由の一つです。
  • 監理措置の取消しは必要的取消事由と裁量的取消事由に区別されています。
  • 収容の必要性は3か月ごとに見直す規律が設けられています。

なぜ監理措置と送還実務は緊張関係に立つのですか

退令発付後の監理措置は、監理人となるべき者を選定できることに加え、主任審査官が送還可能のときまで収容しないことを相当と認めることを要件として認められます(法52条の2第1項・第5項)。この「送還可能のとき」という要件は、実際に送還を実施する段階が近づくと、収容の必要性の評価に直接影響します。すなわち、送還のための収容の必要が生じたときは、監理措置決定を取り消すことができるとされており(法52条の4第2項1号)、これは裁量的取消事由の一つに位置付けられています。個別の生活基盤としての監理措置と、送還実務の進行とが、条文上、緊張関係に立つ構造になっています。

取消事由にはどのような種類がありますか

監理措置決定の取消しには、必要的取消事由と裁量的取消事由の区別があります。必要的取消事由は、保証金を納付期限までに納付しないとき、新たな監理人がいないときの二つです(法44条の4第1項・52条の4第1項)。裁量的取消事由は、逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当の理由があるとき、条件に違反したとき、届出をせず又は虚偽の届出をしたとき、不法就労をしたとき、そして退令後については送還のための収容の必要が生じたときが挙げられます(法44条の4第2項・52条の4第2項)。送還実務の進行に伴う取消しは、あくまで裁量的な判断であり、自動的に生じるものではありません。

監理措置決定を受けている間、どう備えればよいですか

監理措置の条件である住居の指定、行動範囲の制限、呼出しへの出頭義務などを日頃から遵守し、届出義務も着実に履行しておくことが、収容の必要性の評価において重要な基礎資料となります。収容の必要性については3か月ごとに見直す規律が設けられており、令和6年末までの報告128件のうち10件で監理措置決定が命じられています。送還の動きが具体化しつつあると感じられる場合には、早めに監理人や弁護士と情報を共有し、生活状況や条件遵守の実績を整理しておくことが望まれます。

当事務所のご案内

収容や監理措置の問題は、刑事事件と切り離して考えることができない場面が少なくありません。当事務所は、その両面を一人の弁護士が通して担当する体制を採っております。

観光目的で来日された方が日本人女性との間にお子様を授かったものの、在留資格を失い不法滞在として逮捕・起訴されたという事案では、婚姻・認知の手続が未了であったため当局から一旦不受理とされたところ、憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、在留特別許可の獲得に至った事例がございます。

不法就労助長罪の認定を受けた事案において、前例のない在留特別許可を獲得した実績がございます。退去強制事由の判断に責任主義の射程が及ぶかという論点を、実務上正面から提起した事案でございました。

世界的に報道された事件を含む重大事案において、弁護活動を担当した経験がございます。

身柄の解放と在留の維持は別の問題でございます。監理措置によって社会内での生活が認められても、退去強制手続そのものは進行いたしますので、在留特別許可を見据えた準備を並行して進める必要がございます。

松村大介弁護士が初動から終結まで全工程を直接担当し、若手弁護士や事務員による代行は行っておりません。外国人事件専属の中国語通訳も常駐しておりますので、言語の壁により事実関係が正確に伝わらないという事態を避けることができます。

※ 過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

初回相談は無料でございます。ご家族からのお問い合わせも承っております。

おわりに

監理措置は個別の事情に基づいて認められる制度である一方、送還実務の進行という別の力学によって取消しの対象となり得ます。この緊張関係を理解したうえで、日々の条件遵守を積み重ねておくことが重要です。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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電話番号 :050-7587-4639


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