長期にわたり仮放免を繰り返している方へ
2026/08/12
仮放免の更新を何年にもわたって繰り返しながら、先の見えない不安定な生活を続けていらっしゃる方がいらっしゃいます。制度上の課題も指摘される中で、ご自身の状況をどう整理し、今後どのように向き合っていけばよいのか悩まれることと思います。本記事では、長期の仮放免更新を続けている方に向けて、監理措置という選択肢と、制度をめぐる議論の現状を整理いたします。
本記事の要点
- 監理措置は令和5年改正により導入され、令和6年末までに合計1,123件が決定されています。
- 監理措置決定を受けた者で、令和6年末現在、所在不明になっている者はいないとされています。
- 監理人には被監理者の親族・知人が9割以上を占めており、身近な方の協力が制度を支えています。
- 関東弁護士会連合会は、監理人と被監理者の利益相反などを理由に制度の廃止を求めています。
長期の仮放免更新から監理措置への切り替えは考えられますか
長期間にわたり仮放免の更新を繰り返している場合、監理措置への移行を選択肢として検討する余地があります。出入国在留管理庁が公表している運用状況によれば、令和6年6月10日の施行から令和6年末までの間に、退令発付前647件、発付後476件、合計1,123件の監理措置決定がなされています。仮放免に比べて件数が多いことからも、実務上、監理措置が一定程度活用されていることがうかがえます。監理人となるべき者を選定できるかどうかが、切り替えを検討するうえでの重要な出発点になります。
監理措置の実績はどのように評価されていますか
公表されている運用状況によれば、監理措置決定を受けた者のうち、令和6年末現在で所在不明になっている者はいないとされています。また、監理人の属性としては、9割以上が被監理者の親族・知人であり、その他に元雇用主、弁護士、行政書士、支援者等が含まれています。長期間にわたり不安定な状態が続いている方にとって、身近な方に監理人を引き受けていただくことで、収容によらない生活の安定を図ることができる場合があります。
制度そのものに対する批判にはどのようなものがありますか
他方で、関東弁護士会連合会は、監理人が被監理者の条件違反を報告する義務を負う一方、被監理者は生活のため違反せざるを得ない状況に置かれかねないという利益相反の構造を指摘し、監理措置制度の廃止と仮放免制度の活用を求める理事長声明を出しています。また、収容の必要性を明確な要件とせず、収容決定への司法審査がなく、退令収容に期間の上限がない点は改正後も是正されていないとの指摘もあります。長期化する状況に向き合う際には、こうした制度上の課題があることも踏まえておくとよいでしょう。
当事務所のご案内
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初回のご相談は無料です。中国語でのご相談にも対応しております。
おわりに
長期にわたり仮放免を繰り返しておられる方にとって、監理措置への切り替えが状況を変える一つの選択肢となり得ます。同時に、制度そのものに対する批判があることも事実であり、ご自身の状況に照らしてどのような対応が望ましいか、丁寧に見極めていく必要があります。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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