留学生が除籍・退学となり在留資格を失った場合
2026/08/12
学校を除籍あるいは退学となり、これまで前提としていた「留学」の在留資格の基盤を失ってしまったという学生の方、あるいはそのご家族もいらっしゃると思います。学業という在留の目的そのものが失われることで、その後どのような手続が待っているのか、不安に感じるのは自然なことです。本記事では、除籍・退学後に問題となり得る監理措置について整理いたします。
本記事の要点
- 除籍・退学により留学の在留資格の基盤を失うと、不法滞在の状態となり得ます。
- 収容された場合でも、退令発付前の監理措置(法44条の2以下)による対応が考えられます。
- 監理人には知人や親族のほか、弁護士など幅広い立場の方が選ばれる可能性があります。
- 監理措置の下で働くには、生計維持に必要な範囲での許可が必要です。
除籍・退学になると、在留資格はどうなるのでしょうか
留学の在留資格は学業を継続することを前提としているため、除籍や退学によってその基盤を失うと、在留を続ける根拠がなくなり、不法滞在の状態となり得ます。これにより退去強制手続の対象となる可能性がありますが、収容される場合であっても、監理人となるべき者を選定でき、主任審査官が収容しないことを相当と認めるときは、退令発付前の監理措置(法44条の2以下)によって収容によらずに手続を進めることができます。
監理人には、どのような方を選べばよいのでしょうか
留学生の場合、身近な親族が日本国内にいないことも珍しくありません。監理人には親族や知人のほか、元雇用主、弁護士、行政書士なども選ばれる可能性があるため、必ずしも親族に限られるわけではありません。ただし、未成年者、精神の機能の障害により責務を果たせない者、在留資格を有しない外国人は監理人になれないとされています。留学生の交友関係の中には、同じく在留資格に不安を抱える方も少なくないため、監理人となり得る方を見つけること自体が課題となる場合もあります。
除籍・退学後に、再び働くことはできるのでしょうか
監理措置の下で報酬を受ける活動を行うには、生計を維持するために必要で相当と認められる場合に限り、許可を受ける必要があります(法44条の5第1項)。許可の申請には、労働条件を明示する文書や収入・資産を示す資料などが必要とされ、勤務先は雇用契約書に基づいて主任審査官が指定します。除籍・退学によって留学生としての活動ができなくなった後も、生活を維持するための道筋が制度上まったくないわけではありませんが、許可という手続を経る必要がある点を押さえておく必要があります。
当事務所のご案内
退去強制手続における身柄の問題は、時機を逸すると選択肢が狭まります。当事務所は、その初動から関与することを重視しております。
観光目的で来日された方が日本人女性との間にお子様を授かったものの、在留資格を失い不法滞在として逮捕・起訴されたという事案では、婚姻・認知の手続が未了であったため当局から一旦不受理とされたところ、憲法的な観点から当局と交渉して婚姻・認知を成立させ、在留特別許可の獲得に至った事例がございます。
特殊詐欺の受け子として複数回にわたり再逮捕された事案において、取調べへの対応を徹底し、全件について不起訴処分を獲得した事例がございます。
冤罪により不法就労助長罪に問われた依頼者を救済するため、責任主義・過失責任主義の射程を問う訴訟を提起し、現在も争っております。刑事の議論を入管手続へ架橋する試みでございます。
刑事事件の段階で故意・過失を徹底して争っておくことは、後の入管手続における主張の基礎ともなります。当事務所は、刑事と入管を一本の線でつないだ弁護方針を採っております。
松村大介弁護士が初動から終結まで全工程を直接担当し、若手弁護士や事務員による代行は行っておりません。外国人事件専属の中国語通訳も常駐しておりますので、言語の壁により事実関係が正確に伝わらないという事態を避けることができます。
※ 過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
初回のご相談は無料です。中国語でのご相談にも対応しております。
おわりに
学業の途中で除籍・退学となることは、本人にとって大きな挫折であると同時に、在留資格という法的な基盤の喪失にもつながります。監理措置という選択肢を含め、今後の道筋を早めに整理しておくことが大切です。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639
東京にて中国人の方をサポート
東京を中心に刑事事件の弁護
----------------------------------------------------------------------