在留期間更新が不許可となり在留を失った場合
2026/08/12
これまで問題なく更新できていた在留期間の更新が不許可となり、突然、在留の基盤を失ってしまったという方は、少なくないと思います。更新が認められなかった理由に納得できない場合であっても、法律上は不法滞在の状態として扱われ、退去強制手続の対象となり得ます。本記事では、この場面で監理措置がどのように関わるのかを中心に整理いたします。
本記事の要点
- 在留期間更新の不許可により、法律上は不法滞在の状態として扱われることになります。
- 収容された場合でも、退令発付前の監理措置(法44条の2以下)による対応が考えられます。
- 監理人には親族が選ばれることが多いですが、利益相反の問題が指摘されています。
- 監理人が届出義務を怠ると、10万円以下の過料の対象となり得ます。
更新が不許可となると、法律上どのように扱われるのでしょうか
在留期間の更新が不許可となると、在留の根拠を失い、法律上は不法滞在の状態として扱われることになります。これにより退去強制手続の対象となり得ますが、収容される場合であっても、監理人となるべき者を選定でき、かつ主任審査官が収容しないことを相当と認めるときは、退令発付前の監理措置(法44条の2以下)によって収容によらずに手続を進めることができます。逃亡・証拠隠滅のおそれの程度や、収容により受ける不利益の程度その他の事情が、この判断において考慮されます。
家族が監理人になる場合、どのような点に注意すべきでしょうか
出入国在留管理庁が公表した運用状況によれば、監理人の9割以上が被監理者の親族・知人であるとされています。もっとも、関東弁護士会連合会は、監理人が被監理者の条件違反等を報告する法的義務を負う一方で、被監理者が生存のために違反せざるを得ない状況に置かれることがあり、両者の間に利益相反の問題が生じ得ると指摘しています。家族が監理人となる場合には、この構造上の難しさを理解したうえで引き受けるかどうかを判断することが大切です。
監理人には、どのような責務が課されるのでしょうか
監理人には、被監理者の生活状況の把握や指導監督、相談への対応、主任審査官の報告請求への対応、そして一定の事由が生じたときに7日以内に届け出ることなど、複数の責務が課されます。これらの届出・報告義務に違反した場合には、10万円以下の過料の対象となり得ます。もっとも、被監理者が逃亡したこと自体によって監理人が処罰されるわけではありません。責務の内容をあらかじめ具体的に理解しておくことが、家族として監理人を引き受けるかどうかを判断する助けになります。
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おわりに
在留期間更新の不許可は、本人にとってもご家族にとっても大きな転機となります。監理措置という選択肢がある一方で、監理人の責務や利益相反の問題など、引き受ける側にとっての負担も無視できません。制度の両面を理解したうえでの判断をお勧めいたします。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
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舟渡国際法律事務所
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