家族を監理措置で解放するために準備する資料
2026/08/12
ご家族を収容から解放するために、監理措置という制度があると聞き、何を準備すればよいのかを調べていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。監理措置は、監理人の下で社会内での生活を続けながら手続を進めるための制度であり、認められるかどうかは主任審査官の判断によります。もっとも、判断の材料となる資料をあらかじめ整えておくことは、手続を進めるうえで欠かせません。本記事では、準備すべき資料の内容を具体的に整理いたします。
本記事の要点
- 監理措置決定の申請には、申請書のほか、監理人承諾書兼誓約書、身分を証する書類などが必要です。
- 収入・資産を示す資料や住居を証明する資料も求められ、監理人となる方の生活基盤が重視されます。
- 退令発付前と発付後とでは根拠条文が異なり、考慮される事情にも違いがあります。
- 制度開始から令和6年末までに監理措置決定は合計1,123件、うち退令発付前が647件でした。
申請にはどのような資料が必要ですか
監理措置決定の申請にあたっては、申請書に加えて、監理人となるべき者の承諾書兼誓約書、ご本人の身分を証する書類、収入・資産を示す資料、住居を証明する資料などの提出が必要とされています。これらは、監理人がご本人の生活状況を把握し、逃亡等を防止する役割を現実に果たせるかどうかを主任審査官が判断するための材料となります。申請は収容されている地方出入国在留管理官署の窓口に対して行い、郵送による提出は認められていません。書類の収集には時間がかかることが多いため、早めの準備が望まれます。
何が判断のポイントになりますか
退令発付前の監理措置は、監理人となるべき者を選定できることに加えて、逃亡・証拠隠滅のおそれの程度や収容により受ける不利益の程度その他の事情を考慮し、主任審査官が収容しないことを相当と認めることが要件とされています(法44条の2)。退令発付後は、逃亡や不法就労のおそれの程度その他の事情を考慮し、送還可能となるときまで収容しないことを相当と認めることが要件です(法52条の2)。したがって、監理人の監督能力や住居の安定性を裏付ける資料をどれだけ具体的に示せるかが重要になります。
制度の運用実績はどうなっていますか
出入国在留管理庁の公表資料によれば、令和6年6月10日の施行から同年末までに監理措置決定がなされた件数は合計1,123件で、うち退令発付前が647件、発付後が476件でした。監理人となった方の属性は、9割以上が被監理者の親族・知人であり、そのほか元雇用主や弁護士、行政書士なども担っています。この数字は結果を保証するものではありませんが、資料を丁寧に整えて申請に臨むことの意味を示す一つの手がかりになるといえます。
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おわりに
監理措置の判断は、提出される資料の具体性と信頼性に左右されます。何をどう準備すればよいか迷われた際は、早い段階で弁護士に相談し、一つひとつの書類を丁寧に整えていくことをお勧めいたします。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
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