監理人になるにはどのような要件がありますか
2026/08/12
「監理人になってほしい」と頼まれたとき、多くの方がまず気にされるのが、自分にその資格があるのかという点です。親族だから、知人だからといって誰でも当然になれるわけではなく、法律上定められた要件を満たす必要があります。本記事では、監理人になれる方の範囲となれない方の要件について、条文に沿って解説いたします。
本記事の要点
- 監理人は主任審査官が選定するものであり、立候補すれば当然になれるわけではありません。
- 親族、知人、元雇用主、支援者、弁護士、行政書士など幅広い立場の方が対象になりえます。
- 未成年者は監理人になることができません。
- 在留資格を有しない外国人も監理人にはなれません。
どのような人が監理人になれるのですか
監理人となるべき者の選定は、最終的に主任審査官が行います。もっとも、その対象となりうる人の範囲は幅広く、親族や知人はもちろん、元雇用主、支援者、弁護士、行政書士なども監理人になることができます。監理措置の要件の一つとして「監理人となるべき者を選定できること」が挙げられているため、身近に適格な監理人候補者がいるかどうかは、監理措置決定を得られるかどうかに直結する重要な要素です。ご本人との関係性の近さだけでなく、被監理者の生活状況を継続的に把握し、必要な届出や報告を確実に行える見込みがあるかどうかも、実質的には考慮される事情といえます。
監理人になれない人はいますか
入管法上、監理人になれない者として、未成年者、精神の機能の障害により責務を果たせない者、在留資格を有しない外国人が定められています。これらは、監理人としての責務、すなわち被監理者の生活状況の把握・指導監督や、主任審査官への報告・届出といった役割を確実に果たせるかどうかという観点から設けられた制限と考えられます。したがって、たとえ被監理者と親しい関係にあっても、これらに該当する場合には監理人となることはできません。監理人候補者を検討する際には、関係性の近さだけでなく、こうした欠格事由に該当しないかどうかも事前に確認しておく必要があります。
監理人を引き受けるかどうか、何を基準に判断すればよいですか
監理人には、被監理者の生活状況の把握・指導監督、相談への対応や援助、主任審査官の報告請求への対応、一定の事由が生じた場合の届出など、複数の責務が課されます。報酬については制限がなく、合意により受領することも可能ですが、過度な要求は選定の取消事由となりえます。また、監理人には、被監理者の条件違反等を届け出る義務がある一方で、被監理者は生活保護を受けられず健康保険も原則として与えられないという厳しい状況に置かれているため、両者の利益が対立しうる構造的な問題が指摘されています。監理人を引き受けるかどうかは、こうした責務の重さと構造的な難しさを理解したうえで、慎重に判断することが望ましいといえます。
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おわりに
監理人になれるかどうかは、単に「近しい関係にあるか」だけでは決まらず、法律上の要件と主任審査官の選定という手続を経る必要があります。引き受ける前に、責務の内容までしっかりと理解しておくことが大切です。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
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