どのような場合に監理措置を受けられますか
2026/08/12
「自分は監理措置を受けられるのだろうか」「家族を監理人として引き受けたいが、そもそも条件を満たすのか」といったご相談を多く受けます。監理措置は誰でも当然に受けられるものではなく、法律が定める要件を満たし、主任審査官が収容の必要がないと判断することが前提になります。ここでは、退去強制令書の発付前と発付後とで異なる要件を整理し、判断のポイントを解説いたします。
本記事の要点
- 監理措置を受けるには監理人となるべき者を選定できることが前提となる
- 退令前は入管法44条の2、退令後は52条の2がそれぞれ根拠条文である
- 主任審査官が逃亡のおそれ等を考慮して収容しないことを相当と認める必要がある
- 令和6年末までの監理措置決定は合計1,123件、仮放免は127件にとどまる
監理措置を受けるための共通の前提とは
退令前・退令後のいずれであっても、監理措置を受けるためには監理人となるべき者を選定できることが前提となります。監理人には親族や知人、元雇用主、支援者、弁護士、行政書士など幅広い立場の方がなることができますが、未成年者や、精神の機能の障害により責務を果たすことが期待できない者、在留資格を有しない外国人はなることができません。監理人が見つからない場合、監理措置そのものを受けることが難しくなりますので、まずは身近に監理人を引き受けてくれる方がいるかどうかを確認することが、検討の出発点になります。
退令前と退令後で要件はどう異なりますか
退令発付前の監理措置は入管法第44条の2第1項・第6項に基づき、逃亡・証拠隠滅のおそれの程度や収容により受ける不利益の程度その他の事情を考慮して、主任審査官が収容しないことを相当と認めることが要件とされています。これに対し退令発付後の監理措置は第52条の2第1項・第5項に基づき、逃亡・不法就労のおそれの程度その他の事情を考慮して、主任審査官が送還可能のときまで収容しないことを相当と認めることが要件です。両者は考慮要素の重点が異なり、退令後は送還の実現可能性がより意識される点に特徴があります。
実際にどのくらい認められているのですか
出入国在留管理庁の公表資料によれば、施行から令和6年末までに監理措置決定を受けた件数は、退令発付前647件、退令発付後476件の合計1,123件です。他方で仮放免は退令発付前42件、退令発付後85件の合計127件にとどまっています。この数字から、監理措置が仮放免よりも活用される場面が多いことがうかがえますが、収容しないことが相当かどうかの判断は、逃亡のおそれの程度など個別の事情に基づいて主任審査官が行うものであり、要件を満たせば当然に認められるという性質のものではありません。
当事務所のご案内
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おわりに
監理措置の要件は退令の前後で異なり、いずれの場合も監理人の確保と主任審査官による相当性の判断という二つのハードルがあります。ご自身のケースがどちらの段階にあり、どのような事情を考慮してもらえる可能性があるのかは、資料の準備状況によっても変わってきます。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
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