舟渡国際法律事務所

監理措置1,123件・仮放免127件|身柄解放の主戦場はすでに移った

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監理措置1,123件・仮放免127件|身柄解放の主戦場はすでに移った

監理措置1,123件・仮放免127件|身柄解放の主戦場はすでに移った

2026/08/12

「収容されている家族を、どうすれば外に出せるのか」——このようにお考えのご家族から、当事務所には日々ご相談が寄せられます。従来、身柄解放の手段としては仮放免がよく知られてきました。しかし令和6年6月10日に施行された改正入管法により、監理措置という新しい制度が設けられ、出入国在留管理庁が公表した運用状況では、監理措置決定が1,123件であるのに対し、仮放免は127件にとどまっています。本記事では、この数字が示す実務上の変化について、条文の構造に即してご説明いたします。

本記事の要点

  • 監理措置決定は合計1,123件(退令前647件・退令後476件)で、仮放免127件を大きく上回る
  • 監理措置には退令前(法44条の2以下)と退令後(法52条の2以下)の二類型があり、要件が異なる
  • 監理人の9割以上は被監理者の親族・知人が務めている
  • 退令前の監理措置は、退去強制令書の発付により当然に失効する(法44条の8)

なぜ監理措置が身柄解放の中心になったのか

出入国在留管理庁が公表した令和5年改正入管法の運用状況(施行日である令和6年6月10日から令和6年末まで)によれば、監理措置決定は退令発付前647件、退令発付後476件の合計1,123件であるのに対し、仮放免は退令発付前42件、退令発付後85件の合計127件にとどまっています。監理措置は、監理人による監理の下で、収容しないまま退去強制手続を進める制度として法律上明確に位置づけられており、要件や手続が条文上整理されています。仮放免が主任審査官の裁量による運用上の措置として位置づけられてきたのに対し、監理措置は法定の制度として設計された点に違いがあります。この数字の差は、身柄解放を求める実務の中心が、制度として整った監理措置へと移りつつあることを示していると考えられます。

退令前と退令後で何が違うのか

監理措置には二つの類型があります。退去強制令書発付前の監理措置は入管法第44条の2以下に、発付後の監理措置は第52条の2以下にそれぞれ定められており、要件も効果も異なります。退令前は、監理人となるべき者を選定できることに加え、逃亡・証拠隠滅のおそれの程度や収容により受ける不利益の程度その他の事情を考慮して、主任審査官が収容しないことを相当と認めることが要件とされています。退令後は、これらに代わり、逃亡・不法就労のおそれの程度その他の事情を考慮して、送還可能のときまで収容しないことを相当と認めることが要件です。どちらの段階の話であるかを明示せずに監理措置を論じると、必要な対応を誤るおそれがありますので、ご自身の状況がどちらに該当するかを、まず整理することが大切です。

監理措置は退令が出ると失効する

注意すべき点として、退令発付前の監理措置は、退去強制令書が発付されると当然に失効します(法44条の8)。したがって、退令前の段階で監理措置により身柄が安定していたとしても、その後に退去強制令書が発付されれば、身柄の状況は改めて審査されることになります。この場合、退令後の監理措置(法52条の2以下)を新たに申請することが選択肢となります。身柄の安定は退令の有無に大きく左右されるため、退去強制手続がどの段階にあるのかを常に意識しておくことが、ご本人にもご家族にも重要です。

当事務所のご案内

当事務所(舟渡国際法律事務所・東京都豊島区)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人事件に取り組んでまいりました。

在留資格を喪失し不法滞在として刑事事件にもなっていた依頼者について、刑事裁判を見据えた被告人質問・証人尋問を実施しつつ、婚姻・認知の手続を成立させ、在留特別許可を得た事例がございます。

国際的な刑事事件、裁判員裁判の対象事件、広く報道された重大事件についても、数多くの対応実績を有しております。

刑事事件の段階で故意・過失を徹底して争っておくことは、後の入管手続における主張の基礎ともなります。当事務所は、刑事と入管を一本の線でつないだ弁護方針を採っております。

当事務所では、松村大介弁護士自身が全工程を直接担当する体制を採っております。外国人の方の事件では、接見・取調べの立会い・入管との折衝・訴訟対応のいずれの場面でも一貫した戦略が必要となるためでございます。加えて、外国人事件専属の中国語通訳が常駐しております。

※ 解決事例は個別事案の事情に基づくものでございます。同様の結果を保証するものではない点にご留意ください。

初回のご相談は無料でお受けしております。全国からのご依頼に対応しておりますので、遠方の方もご相談いただけます。

おわりに

1,123件という監理措置決定の件数は、この制度が令和6年の施行後、身柄解放の実務において一定の役割を担いつつあることを示しています。もっとも、退令前と退令後で要件や効果が異なり、退令の発付によって監理措置が失効する点にも注意が必要です。ご家族が収容されている場合には、現在どの手続段階にあるのかを踏まえたうえで、対応をご検討ください。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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