見直し報告128件のうち監理措置決定は10件|運用統計をどう読むか
2026/08/12
「見直しの制度があると聞いたのに、実際にはどれくらい役立っているのか」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。出入国在留管理庁が公表した統計によれば、収容の必要性の見直しに関する報告128件のうち、監理措置決定を命じた件数は10件にとどまります。この数字が意味するところを、制度への評価とあわせて考えてみます。
本記事の要点
- 3か月ごとの見直しに関する報告128件のうち、監理措置決定は10件にとどまります。
- 監理措置決定は退令発付前647件・発付後476件、合計1,123件となっています。
- 監理人の9割以上は被監理者の親族・知人が占めています。
- 関東弁護士会連合会は監理措置制度の廃止と仮放免制度の活用を求めています。
統計の内容を確認する
出入国在留管理庁が公表した「令和5年改正入管法の運用状況」によれば、令和6年6月10日の施行から令和6年末までの間に、収容の必要性の3か月ごとの見直しに関する報告は128件あり、そのうち監理措置決定を命じた件数は10件です。同じ期間の監理措置決定の総数は、退令発付前647件、退令発付後476件の合計1,123件、仮放免は退令発付前42件・発付後85件の合計127件となっています。まずはこれらの数字を正確に押さえておくことが、制度の実態を考える出発点になります。
数字をどう読むか
見直しの報告128件のうち監理措置決定に至ったのが10件という結果は、見直しの機会があっても収容が継続する事案が多数を占めていることを示唆するものと受け止められます。他方で、監理措置決定全体では1,123件という一定の件数に上っており、見直しの場面以外で監理措置に付される事案も相当数あることがうかがえます。監理人の9割以上が被監理者の親族・知人であるという統計は、監理人の担い手が身近な人々に依存している実情を映すものといえます。
制度への評価と今後の視点
関東弁護士会連合会は、監理人が被監理者の条件違反を報告する義務を負う一方、被監理者は生活保護等の公的な生活保障を受けられないために違反せざるを得ない状況に置かれるという利益相反の問題を指摘し、監理措置制度の廃止と仮放免制度の活用を求めています。また、収容決定への司法審査がなく、収容期間に上限がない点も、改正後も是正されていない課題として挙げられています。運用統計は、こうした制度上の課題を考えるうえでの重要な手がかりとなります。
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おわりに
128件中10件という数字は、見直し規律が実際にどこまで機能しているのかを考えるうえで、示唆に富むものです。制度の全体像と統計の両面から、ご自身の状況にどう向き合うべきかを弁護士とともに検討していただければと思います。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
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覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
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