監理措置と生活保護|利用できない構造と生活の現実
2026/08/12
「監理措置で収容は解かれたけれど、生活費はどうすればよいのか」というご相談は少なくありません。収容されないという安心の一方で、生活保護のような公的な生活保障を受けられない構造があることは、あまり知られていません。ここでは、被監理者の生活がどのような仕組みの中に置かれているのか、収入を得る手段とあわせて整理いたします。
本記事の要点
- 被監理者は生活保護を受けられず、原則として健康保険も与えられません。
- 退令発付前は、許可を受ければ生計のための報酬活動が可能です。
- 報酬額の上限は生活保護の水準を参考に、個別事情から決定されます。
- 退令発付後は就労が認められず、監理人の援助が生活の支えになります。
なぜ生活保護を受けられないのか
被監理者は、収容されずに社会内で生活しながら退去強制手続を受けるという立場にあるため、生活保護を受けることができず、原則として健康保険も与えられません。この構造は、関東弁護士会連合会の声明でも指摘されているところで、被監理者が生存のために条件に違反せざるを得ない状況を生み、監理人の届出義務との間で緊張関係を生じさせる要因ともなっています。監理措置は身柄の処遇に関する制度であって、生活保障の制度ではないという点を、まず正確に理解しておく必要があります。
収入を得る方法はあるのか
退去強制令書発付前の監理措置では、生計を維持するために必要で相当と認められる場合に限り、許可を受けて報酬を得る活動が可能です。ただし自営業は認められず、本邦の公私の機関との雇用契約に基づく就労に限られ、勤務先は雇用契約書に基づいて主任審査官が指定します。申請には許可申請書のほか、労働条件を明示する文書、収入・資産を示す資料等が必要です。他方、退令発付後の監理措置では、速やかな退去が原則とされているため、就労は認められません。
監理人の援助と生活の実際
報酬活動許可の申請書類には、監理人による援助額を示す資料も含まれており、制度上、監理人からの経済的な支えが被監理者の生活を補う位置づけにあることがうかがえます。監理人の責務には、被監理者からの相談に応じ、援助に努めることが含まれています。もっとも、監理人の資力や関係性は個々で異なり、援助の程度には限界もあります。生活の見通しが立たない場合は、早い段階で弁護士など専門家に相談し、就労許可の要否や生活の組み立て方を確認することが望まれます。
当事務所のご案内
当事務所は、入管手続と刑事弁護の双方を扱う法律事務所でございます。いずれか一方だけでは依頼者の在留を守りきれない場面が多いためでございます。
国籍国発行の公的書類がほとんど存在しないという困難な状況の下でも、依頼者に有利な証拠を丹念に収集し、入管当局の過去の許可事例を分析することで、難関とされる在留特別許可を獲得した事例がございます。日本人のお子様がいらっしゃる事案でございました。
冤罪により不法就労助長罪に問われた依頼者を救済するため、責任主義・過失責任主義の射程を問う訴訟を提起し、現在も争っております。刑事の議論を入管手続へ架橋する試みでございます。
外国人の方の事件では、刑事手続の結果がそのまま在留の可否に直結いたします。執行猶予判決を得ても退去強制事由に当たりうる類型がありますので、当事務所は起訴前の段階から不起訴処分の獲得を最優先の目標として弁護方針を組み立てております。
当事務所の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から手続の終結まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳をご利用いただけます。
※ 上記の解決事例はいずれも個別の事情を前提とするものであり、同じ結果をお約束するものではございません。
初回相談は無料でございます。ご家族からのお問い合わせも承っております。
おわりに
生活保護を受けられないという制度上の制約は、被監理者やそのご家族にとって大きな不安の種となりがちです。報酬活動の許可制度や監理人による援助を組み合わせながら、無理のない生活設計を考えていくことが大切です。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639
東京にて中国人の方をサポート
東京を中心に刑事事件の弁護
----------------------------------------------------------------------