収容により受ける不利益の考慮|健康・家族・子どもの就学
2026/08/12
収容が長期化すれば、ご本人の健康はもとより、日本で暮らすご家族や学齢期のお子さんの生活にも大きな影響が及びます。退令前の監理措置の審査では、こうした「収容により受ける不利益」も考慮される仕組みになっています。本記事では、その位置づけと関連する制度について整理いたします。
本記事の要点
- 退令前の監理措置は、収容により受ける不利益の程度その他の事情を考慮要素とする(法44条の2第1項)。
- 考慮の対象となる事情の具体的な認定は、個々の事案の資料に基づき判断される。
- 監理措置に付される者の子の就学については、文部科学省の通知により案内がなされている。
- 退令発付により退令前の監理措置は失効するため、不利益の考慮も局面ごとに更新される。
「収容により受ける不利益」とは何を指すのか
入管法44条の2第1項は、退令前の監理措置決定の要件として、逃亡・証拠隠滅のおそれの程度に加えて、収容により受ける不利益の程度その他の事情を考慮し、主任審査官が収容しないことを相当と認めることを求めています。条文上、不利益の内容が個別に列挙されているわけではなく、その時々の事情に応じて総合的に考慮される仕組みとなっています。したがって、ご本人やご家族の状況を裏付ける資料をどのように主任審査官に示すかが実務上の課題になります。
家族・子どもへの影響をどう伝えるか
収容が続けば、日本で生活を共にしてきたご家族との別離が長引き、とりわけ学齢期のお子さんにとっては通学や生活環境の継続に支障が生じ得ます。監理措置は、こうした社会内での生活を維持しながら手続を進めるための制度であり、収容によって失われる生活上の基盤の大きさも、考慮される事情の一つに位置づけられています。
子どもの就学に関する案内
文部科学省は、「監理措置に付される者に対する就学案内等について(通知)」を発出しており、監理措置に付された方のお子さんの就学についての案内がなされています。監理措置は収容によらずに社会内での生活を続けながら手続を進める制度であるため、就学の継続という観点からも一定の意義を持つ制度であるといえます。
当事務所のご案内
本稿のテーマに関連して、当事務所の取組みと解決実績の一部をご紹介いたします。
冤罪により不法就労助長罪に問われた依頼者を救済するため、責任主義・過失責任主義の射程を問う訴訟を提起し、現在も争っております。刑事の議論を入管手続へ架橋する試みでございます。
ストーカー規制法に基づく警告処分の取消し等を求めた控訴事件では、「警告は単なる行政指導ではなく法的効果を有する」として処分性を正面から認める判決(令和6年6月26日大阪高等裁判所判決)を獲得しております。行政の措置そのものを争う訴訟に注力してまいりました。
身柄の解放と在留の維持は別の問題でございます。監理措置によって社会内での生活が認められても、退去強制手続そのものは進行いたしますので、在留特別許可を見据えた準備を並行して進める必要がございます。
当事務所では、松村大介弁護士自身が全工程を直接担当する体制を採っております。外国人の方の事件では、接見・取調べの立会い・入管との折衝・訴訟対応のいずれの場面でも一貫した戦略が必要となるためでございます。加えて、外国人事件専属の中国語通訳が常駐しております。
※ 解決事例は個別事案の事情に基づくものでございます。同様の結果を保証するものではない点にご留意ください。
初回相談は無料でお受けしております。収容中のご本人との接見についてもご相談ください。
おわりに
「収容により受ける不利益」は、抽象的な条文の文言にとどまらず、ご家族一人ひとりの具体的な生活状況として主任審査官に示していく必要がある事情です。お子さんの就学環境なども含め、資料をどう整えるかをご検討ください。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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東京を中心に刑事事件の弁護
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