退去強制令書発付前の監理措置(入管法44条の2)|要件と手続の基本
2026/08/12
「まだ退去強制令書は出ていないが、収容されている、または収容されるかもしれない」という段階にある方へ。この段階で検討されるのが、入管法44条の2以下に定められた退令発付前の監理措置です。要件を満たせば収容されずに手続を進められる可能性がありますが、条文の構造は独特です。本記事では、退令前の監理措置の要件と手続の基本を整理してご説明いたします。
本記事の要点
- 退令前の監理措置は入管法44条の2以下に規定されている
- 監理人となるべき者を選定できることが要件の一つである
- 主任審査官が収容しないことを相当と認めることが要件となる
- 退去強制令書が発付されると、この措置は当然に失効する
退令前の監理措置とは、どのような制度か
退去強制令書発付前の監理措置は、入管法44条の2以下に規定された制度です。退去強制手続はまだ令書発付の段階に至っていないものの、収容の要否が問題となる場面で、収容の代わりに監理措置を選択できる仕組みとして位置づけられています。この段階での監理措置は、あくまで退去強制令書が発付されるまでの間の身柄の取扱いを定めるものであり、退令発付後の監理措置(52条の2以下)とは要件も効果も異なる別の制度である点に注意が必要です。
どのような要件を満たす必要があるのか
44条の2第1項・第6項によれば、監理人となるべき者を選定できることに加え、逃亡・証拠隠滅のおそれの程度、収容により受ける不利益の程度その他の事情を考慮して、主任審査官が収容しないことを相当と認めることが要件とされています。これらは抽象的な考慮要素であるため、個々の事案に即した資料の提示が重要になります。申請にあたっては、監理人承諾書兼誓約書や収入・資産を示す資料、住居を証明する資料などが必要とされます。
退令前の監理措置には、どのような特徴があるのか
退令前の監理措置は、退去強制令書が発付されると当然に失効します(法44条の8)。つまり、退令前の段階で監理措置が認められていても、その後令書が発付されれば身柄の取扱いは改めて検討し直されることになります。また、この段階では生計を維持するために必要で相当と認められる場合に限り、許可を受けて報酬を受ける活動(就労)が可能とされている点も、退令後の監理措置とは異なる大きな特徴です(法44条の5第1項)。
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当事務所(舟渡国際法律事務所・東京都豊島区)は、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が、中国籍の方を中心とする外国人事件に取り組んでまいりました。
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初回のご相談は無料でお受けしております。全国からのご依頼に対応しておりますので、遠方の方もご相談いただけます。
おわりに
退令前の監理措置は、退去強制令書発付という一つの区切りに向かう過程での身柄の取扱いを定める制度であり、要件・条件・その後の見通しを丁寧に確認する必要があります。ご事情によって主任審査官の判断は異なりますので、早い段階での相談が有益です。本記事は一般的な解説であり、個別のご事情については弁護士に直接ご相談ください。
本記事は2026年8月時点の情報です。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。
覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
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