解決事例|組織的犯罪処罰法違反による実刑判決後、監理措置により早期に収容から解放された事例
2026/08/09
組織的犯罪処罰法違反により実刑判決を受け服役された外国籍の方について、出所後に退去強制手続の対象として収容されるケースがございます。「実刑を受けた以上、もう打つ手はないのではないか」というお気持ちを抱かれるご本人・ご家族は少なくございません。本記事では、南米ペルー国籍の依頼者様について、収容から比較的短期間で監理措置の許可決定を得て解放に至り、現在は在留特別許可の獲得に向けて手続を継続している事例をご紹介いたします。
本記事の要点
- 依頼者様はペルー国籍の方で、組織的犯罪処罰法違反等により有罪判決を受け、実刑に処せられ服役されました。
- 出所後、この実刑判決が入管法24条4号リの退去強制事由に該当するとして、入国者収容所において収容の対象となりました。
- 当事務所が受任し、監理人の確保、逃亡のおそれが乏しいことの立証、収容による不利益の資料化を進めました。
- 受任から比較的短期間のうちに監理措置の許可決定が得られ、収容から解放されました。
- 現在は、在留特別許可の獲得に向け、人道上の配慮を基礎づける事情の主張・立証を継続しております。
事案の概要
依頼者様はペルー国籍の男性で、日本での在留期間が長期に及んでいらっしゃいます。組織的犯罪処罰法違反等の罪により起訴され、公判の結果、実刑判決を受け服役されました。刑期を終えて出所された後、この実刑判決が入管法24条4号リの退去強制事由(無期又は1年を超える拘禁刑の実刑)に該当するとして、入国者収容所において収容の対象となりました。
直面していた問題――収容の長期化と資料収集の困難
組織的な犯罪への関与を理由とする実刑判決は、退去強制事由の中でも重い部類に属する事情でございます。収容が長期化すれば、心身への負担が増すだけでなく、在留特別許可の獲得に向けて必要となる資料――生活基盤の裏付けとなる資料、支援者の陳述書、組織的な関係からの離脱を示す資料等――を、収容された状態のまま整えることは容易ではございません。当事務所が受任した時点では、収容の長期化そのものが、その後の在留特別許可の獲得を目指す活動にとっても大きな障害となりかねない状況にございました。
当事務所の弁護活動
まず、収容からの早期解放を実現するため、監理措置の許可を求める申請の準備に着手いたしました。監理措置は、監理人となる方を確保したうえで、逃亡や証拠隠滅のおそれと、収容を継続することによる不利益とを主任審査官が比較衡量して許否を判断する制度でございます。当事務所では、依頼者様を支える立場にある方に監理人をお引き受けいただき、あわせて、依頼者様が日本での生活基盤を長期にわたり築いてこられたこと、逃亡のおそれが乏しいこと、組織的な関係から既に離脱していることを裏付ける資料を整えたうえで、申請に及びました。監理措置は不許可となった場合の不服申立て制度が存在しないため、一度の申請で説得力のある資料を揃えることを特に重視いたしました。
結果――比較的短期間での監理措置許可決定
申請の結果、比較的短期間のうちに監理措置の許可決定が得られ、依頼者様は収容から解放されました。現在、当事務所では、依頼者様が日本での生活の大部分を過ごしてこられた経緯や、組織的な関係からの離脱、反省の状況といった事情を丁寧に積み上げながら、在留特別許可の獲得に向けた活動を継続しております。実刑判決という重い事情がある事案であるからこそ、これらの事情を説得的に示すことが求められると考えております。
この事例からわかること
「実刑判決を受けたら、もう日本には残れない」というのは、必ずしも正しい理解ではございません。収容の局面では監理措置という選択肢があり、その後の在留の局面では在留特別許可という制度が用意されております。もっとも、監理措置には不服申立ての制度がなく、在留特別許可の判断もまた重い事情のもとでは一度限りの機会となりやすいため、いずれの手続も、申請の前段階でどれだけ資料を整えられるかが結果を左右いたします。実刑判決を受けた直後、あるいは服役中の段階からご相談いただくことで、選択肢を広げることができます。
当事務所のご案内
当事務所は、実刑判決を受けた後の収容対応や在留特別許可の獲得について、継続的に取り組んでまいりました。
本件のほか、在日期間が長期に及ぶ永住者・定住者の方について、実刑判決後であっても、家族関係や生活基盤を丁寧に立証し、在留特別許可を獲得してきた実績がございます。
当事務所の最大の特徴として、松村大介弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当いたします(事務員・若手弁護士による代行を行いません)。また、当事務所には外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐しており、捜査機関が指定する通訳とは別に、依頼者ご本人のために動く立場の通訳を、刑事手続全般にわたってご利用いただけます。刑事手続が終わった後の在留資格の更新・変更につきましても、提携の行政書士と連携し、ワンストップでご相談をお受けしております。
おわりに
実刑判決を受けたという事実は重い意味を持ちますが、それによって在留の道が完全に閉ざされるわけではございません。収容が長期化する前の早い段階でご相談いただくことが、選択肢を広げるうえで重要でございます。
なお、本記事は2026年8月時点の法令に基づく一般的な解説であり、個別の事案につきましては弁護士に直接ご相談ください。また、過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。
執筆者
松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士
第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)
舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)
中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。覚醒剤取締法違反(営利目的所持)での無罪判決獲得、特殊詐欺事案での不起訴処分獲得、難関とされた在留特別許可の獲得等の解決実績を有する。
舟渡国際法律事務所
ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/
微信ID:matsumura1119
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