舟渡国際法律事務所

平成15年・国籍の異なる夫婦と本邦出生の子2人の一家4人全員に在留特別許可|出国後の家族統合が困難と認められ全員定住者1年(平成15年許可第26事例)

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平成15年・国籍の異なる夫婦と本邦出生の子2人の一家4人全員に在留特別許可|出国後の家族統合が困難と認められ全員定住者1年(平成15年許可第26事例)

平成15年・国籍の異なる夫婦と本邦出生の子2人の一家4人全員に在留特別許可|出国後の家族統合が困難と認められ全員定住者1年(平成15年許可第26事例)

2026/08/07

事例の概要

一家全員が不法滞在の状態から、全員が許可を得た事例です。法務省入国管理局が平成20年12月に公表した資料の、平成15年の在留特別許可26件のうち第26事例です。本人らは東南アジア出身の夫婦で、夫は46歳、妻は37歳、国籍は異なります。夫は1988年に「4-1-4」で入国後、日本語学校生として不法残留となりました。これは平成元年改正前の在留資格の表記です。妻は1987年に不法入国しています。本邦で婚姻し、長女と次女がありますが、いずれも在留資格取得の許可を受けていません。一家4人が全員不法滞在で、出国後の家族統合が困難と認められました。結果は全員が定住者(1年)です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成15年は第一次ガイドライン策定(平成18年10月)より前で、判断基準は公表されておらず、法務大臣の広範な裁量による個別判断でした。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)への当てはめです。

  • 積極要素・第2の2(3):本邦で出生した子2人と、その監護養育者である父母という関係。子の就学状況の記載はありません。
  • 積極要素:本邦で家族とともに生活するという子の利益の保護の必要性。明示は令和6年3月改定によります。
  • 積極要素・その他:夫婦の国籍が異なり、出国後に家族が一つの国で共に暮らすことが困難であること。
  • 消極要素・第2の6と第2の5:夫の不法残留、妻の不法入国、15年を超える不法な在留期間。

結論を分けた一線はどこか

天秤を傾けたのは、夫婦の国籍が異なることから生じる家族統合の困難であったと読めます。送還先が夫と妻で分かれれば、家族はどの国でも共に暮らせません。日本人や永住者との家族関係がない事案で全員に許可が出た理由は、この点に尽きると考えられます。同じ年の第19事例では、出頭申告と安定した就労が主な理由でした。事情の組合せによって決定的な要素が入れ替わります。

弁護士のコメント

2点を挙げます。

第1に、家族統合の困難の立証です。夫婦の国籍国それぞれの法制度の下で配偶者と子が在留や就労を認められるのかを、具体的な資料で示す必要があります。国籍法や在留制度の資料、在外公館への照会結果、専門家の意見書などが手がかりです。抽象的に困難と述べるだけでは足りません。

第2に、現行運用との違いです。不法在留期間の長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年改定であり、15年を超える期間は今日ではより重く働く可能性があります。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も明示されました(同条5項)。当時は職権発動による恩恵的措置でした。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成15年分の公表は許可26件のみで、不許可事例はありません。家族全員が不法滞在でありながら許可されなかった事案がどのようなものかは、この年の資料からは読み取れません。事例集は抜粋で、似た構図の例がないことは許可の可能性がないことを意味しません。当事務所は、公表事例では不許可が並ぶ不法就労助長の類型で在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

不法就労助長罪に問われ強制退去の危機に至った女性の事案では、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得し、なお違反認定処分そのものの取消しを求める訴訟を係争中です。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、婚姻・認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻・認知を成立させ、国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な資料を集め、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

家族が離散せざるを得ない事情は、制度の資料に落として示すことで初めて説得力を持ちます。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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