舟渡国際法律事務所

平成15年・父母の身分詐称で上陸許可を取り消された小中学校卒業の男性に在留特別許可|父母の帰国後も大学2年に在学し留学1年(平成15年許可第25事例)

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平成15年・父母の身分詐称で上陸許可を取り消された小中学校卒業の男性に在留特別許可|父母の帰国後も大学2年に在学し留学1年(平成15年許可第25事例)

平成15年・父母の身分詐称で上陸許可を取り消された小中学校卒業の男性に在留特別許可|父母の帰国後も大学2年に在学し留学1年(平成15年許可第25事例)

2026/08/07

事例の概要

親の偽りが原因で在留の基礎を失った子の事例です。法務省入国管理局が平成20年12月に公表した資料の、平成15年の在留特別許可26件のうち第25事例です。本人は東アジア出身の21歳男性で、1994年に日本人の子等を装った父母とともに「定住者1年」で入国しました。小学校と中学校に就学していた期間中に身分の詐称が発覚し、上陸許可が取り消されました。父母は帰国しましたが、本人は日本に残り、大学2年に在学していました。学費と生活費の援助について確約が得られていたとの記載もあります。結果は留学(1年)です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成15年は第一次ガイドライン策定(平成18年10月)より前で、当時は判断基準が公表されておらず、法務大臣の広範な裁量による個別判断でした。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)への当てはめです。

  • 積極要素・第2の2(3):本邦の初等中等教育機関で相当期間教育を受けていること。小学校と中学校を通じて就学しています。
  • 積極要素・第2の9:別表第一の在留資格の該当性。大学に在学しており、留学の該当性が現に備わっていました。
  • 積極要素・その他:学費と生活費の援助について第三者の確約があること。生活基盤の安定を示す事情です。
  • 消極要素・第2の6:上陸許可の取消しにより在留の基礎を失ったこと。詐称をしたのは父母であり、当時小学生であった本人ではありません。

結論を分けた一線はどこか

天秤を傾けたのは、小中学校の就学歴と大学在学という状況、そして父母の帰国後も生活を支える体制が整っていたことと読めます。何より、不法な状態を作り出したのが本人でない点が大きいと考えられます。同じ年の第23事例も学業継続で留学(1年)が認められましたが、本件は就学歴が長く、入国の経緯に親の違法行為が介在した点で異なります。

弁護士のコメント

2点を述べます。

第1に、本人の認識と帰責性です。入管実務では、退去強制事由の判断に故意・過失は要件でないとする運用が長く踏襲されてきました。本件のように違法行為の主体が親で、本人が当時児童であった場合、この適用の当否は検討を要します。松村大介弁護士は、不法就労助長の事案でこの点を問う訴訟を係争中です。

第2に、立証すべき事項です。小中学校の在学と卒業を示す書面、本国での教育が困難な事情、大学の在学と学業の状況、援助者の資力と確約の内容が中心です。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も明示されました(同条5項)。不法在留期間の長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年改定です。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成15年分の公表は許可26件にとどまり、不許可事例は見当たりません。親の違法行為で在留の基礎を失った事案について、不許可の例が示されておらず、当時の判断の幅は分かりません。事例集は抜粋であり、似た例がないことは許可の可能性がないことを意味しません。当事務所は、公表事例では不許可が並ぶ不法就労助長の類型で在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、当局から一旦不受理とされた婚姻・認知を憲法的観点からの交渉で成立させ、入管当局の過去の許可事例を分析して1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、取調べへの徹底した対応と不当な取調べへの抗議により、全件不起訴処分を獲得しています。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

不法な状態の原因が本人にない場合、その経緯を丁寧に示すことが要点になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
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