舟渡国際法律事務所

平成15年・交際相手の母を看病する間に在留期限が過ぎた女性が特別永住者と婚姻して在留特別許可|長女の出生と永住者の配偶者等1年(平成15年許可第20事例)

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平成15年・交際相手の母を看病する間に在留期限が過ぎた女性が特別永住者と婚姻して在留特別許可|長女の出生と永住者の配偶者等1年(平成15年許可第20事例)

平成15年・交際相手の母を看病する間に在留期限が過ぎた女性が特別永住者と婚姻して在留特別許可|長女の出生と永住者の配偶者等1年(平成15年許可第20事例)

2026/08/07

事例の概要

在留期限が過ぎた事情に酌むべき点がある場合の参考になる事例です。法務省入国管理局が平成20年12月に公表した資料の、平成15年の在留特別許可26件のうち第20事例です。本人は東アジア出身の30歳女性で、2001年に「短期滞在15日」で入国しました。交際していた特別永住者の男性の母を看病しているうちに在留期限が過ぎ、不法残留となっています。2002年に当該男性と婚姻し、2003年に長女を出産しました。結果は永住者の配偶者等(1年)です。違反期間は他の事例に比べて短く、入国から許可までは約2年です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成15年当時は在留特別許可の基準が公表されておらず、法務大臣の広範な裁量の下で個別に判断されていました。第一次ガイドラインの策定は平成18年10月です。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)による整理です。

  • 積極要素・第2の2(1)(ウ):特別永住者と法的に婚姻していること。
  • 積極要素:本邦で家族とともに生活するという子の利益の保護の必要性。長女の出生が該当します。明示は令和6年3月改定によります。
  • 積極要素・その他:配偶者の親族の看病という、不法残留に至った経緯自体に酌むべき事情があること。
  • 消極要素・第2の6と第2の5:不法残留と、約2年にとどまる不法な在留期間。

結論を分けた一線はどこか

天秤を傾けたのは、特別永住者との婚姻と長女の出生という家族関係に加え、在留期限を過ぎた原因が配偶者の親族の看病であったという経緯であったと読めます。同じ年の第22事例は、永住者との婚姻で約8年の不法残留を経た事案で、許可は同じ永住者の配偶者等(1年)でした。違反期間の長短に大きな差がありながら結論が同じであることは、家族関係の質が判断の中心にあったことを示すと考えられます。

弁護士のコメント

2点を挙げます。

第1に、期限を過ぎた経緯の主張です。退去強制事由の判断に故意・過失は要件でないとする運用が長く踏襲されてきましたが、この点の当否は現に争われている論点であり、当事務所も訴訟で正面から問うています。本件のように、他人の看病という事情で期限を過ぎた場合、経緯を丁寧に立証する意味があります。看病の事実を示す医療記録や第三者の陳述は、その中心になります。

第2に、現在との違いです。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)により申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情が法律上明示されました(同条5項)。当時は職権発動による恩恵的措置でした。不法在留期間の長期化が明示的な消極要素とされたのも令和6年改定です。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成15年分は許可26件のみの公表で、不許可事例は含まれていません。したがって、同じような経緯で許可されなかった事案があったのかどうかは分かりません。事例集は各年の抜粋であり、似た事情の例が見当たらないことは許可の可能性がないことを意味しません。当事務所は、公表事例では不許可が並ぶ不法就労助長の類型で在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、当局から一旦不受理とされた婚姻・認知を憲法的観点からの交渉で成立させ、過去の許可事例の分析を踏まえて1回の申請で在留特別許可を獲得しました。

国際的な刑事事件、裁判員裁判対象事件、世界的に報道された事件への対応実績があり、中国籍の方の重大事件にも多数対応してきました。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

期限を過ぎた経緯にやむを得ない事情がある場合、その立証を省略しないことが要点です。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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