舟渡国際法律事務所

平成15年・「4-1-4」で入国後に約16年不法残留、重い病状で入院中の67歳男性に在留特別許可|日本人と婚姻した娘らの看護を受け定住者1年(平成15年許可第18事例)

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平成15年・「4-1-4」で入国後に約16年不法残留、重い病状で入院中の67歳男性に在留特別許可|日本人と婚姻した娘らの看護を受け定住者1年(平成15年許可第18事例)

平成15年・「4-1-4」で入国後に約16年不法残留、重い病状で入院中の67歳男性に在留特別許可|日本人と婚姻した娘らの看護を受け定住者1年(平成15年許可第18事例)

2026/08/07

事例の概要

治療の必要性と家族による看護が正面から評価された事例です。法務省入国管理局が平成20年12月に公表した資料の、平成15年の在留特別許可26件のうち第18事例です。本人は東南アジア出身の67歳男性で、1987年に「4-1-4・15日」で入国した後、不法残留となりました。これは平成元年改正前の在留資格の表記です。その後は飲食店、農家、工場で稼働していました。事例集には、余命が数月と診断されて入院し、日本人と婚姻して合法に在留する娘らの看護を受けていたことが記載されています。結果は定住者(1年)です。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成15年当時、在留特別許可の基準は公表されておらず、法務大臣の広範な裁量の下で個別に判断されていました。第一次ガイドラインの策定は平成18年10月です。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)への当てはめです。

  • 積極要素・第2の7(1):本邦での治療を必要とする状態にあること。本件では入院中であり、この要素が最も強く働いたと読めます。
  • 積極要素・第2の2(2):日本人と婚姻して合法に在留する娘らとの家族関係。看護を現に受けていた点が実質を伴っています。
  • 積極要素・その他:長年にわたり就労し、地域での生活を続けてきたこと。
  • 消極要素・第2の6と第2の5:不法残留と、約16年に及ぶ不法な在留期間。

結論を分けた一線はどこか

天秤を傾けたのは、本邦での治療を必要とする状態にあり、これを支える家族が日本に合法に在留していたという組合せであったと読めます。仮に治療の必要性だけであれば送還先での医療の可否が問われ、逆に家族関係だけであれば約16年の不法残留が重く働いた可能性があります。人道上の配慮と家族関係が同時に成立したことが決定的であったと考えられます。

弁護士のコメント

2点を挙げます。

第1に、医療に関する立証です。診断書は結論だけでなく、疾患の内容、必要な治療の継続性、本国での治療や介護の可否について具体的に記載されたものが望まれます。誰がどのように看護しているかを示す資料、看護者の在留資格を示す資料も併せて提出すべきです。注4により、令書発付後の事情変更は原則として考慮されませんから、提出の時期が重要になります。

第2に、現在との違いです。不法在留期間の長期化が明示的に消極要素とされたのは令和6年改定であり、約16年という期間は今日ではより重く見られる可能性があります。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)で申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情も明示されました(同条5項)。当時は職権発動による恩恵的措置でした。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成15年分は許可26件のみが公表され、不許可事例は示されていません。治療の必要性が主張されながら許可されなかった事案があったのかは、この年の資料からは分かりません。事例集は抜粋であり、似た事情の例が見当たらないことは許可の可能性がないことを意味しません。当事務所は、公表事例では不許可が並ぶ不法就労助長の類型で在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、婚姻・認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻・認知を成立させ、国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な資料を集め、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。本国側の資料が得られない事案での立証の工夫は、当事務所が積み重ねてきた領域です。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

治療の必要性を主張する場合、診断書の記載の具体性と看護の体制の立証が要点になります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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