舟渡国際法律事務所

平成15年・不法入国から約4年で日本人女性と婚姻し子1人、同じ年に出頭申告して在留特別許可|婚姻期間が短くても日本人の配偶者等1年(平成15年許可第13事例)

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平成15年・不法入国から約4年で日本人女性と婚姻し子1人、同じ年に出頭申告して在留特別許可|婚姻期間が短くても日本人の配偶者等1年(平成15年許可第13事例)

平成15年・不法入国から約4年で日本人女性と婚姻し子1人、同じ年に出頭申告して在留特別許可|婚姻期間が短くても日本人の配偶者等1年(平成15年許可第13事例)

2026/08/07

事例の概要

婚姻したその年に出頭した事案です。法務省入国管理局が平成20年12月に公表した資料の、平成15年の在留特別許可26件のうち第13事例です。本人は中近東出身の39歳男性で、1998年に成田から不法入国しました。2002年に日本人女性と婚姻し、夫婦間に子が1人あります。同じ2002年に自ら出頭申告しています。結果は日本人の配偶者等(1年)です。入国から許可までは約5年で、婚姻から許可までの期間は1年前後にとどまります。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成15年当時は在留特別許可の基準が公表されておらず、法務大臣の広範な裁量の下で個別に判断されていました。第一次ガイドラインの策定は平成18年10月です。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)による整理です。

  • 積極要素・第2の2(1)(ウ):日本人と法的に婚姻し、夫婦間に子があること。婚姻期間は短いものの、子の存在が安定性を補強しています。
  • 積極要素:本邦で家族とともに生活するという子の利益の保護の必要性。明示は令和6年3月改定によります。
  • 積極要素・第2の9:婚姻と同じ年に自ら出頭して申告したこと。
  • 消極要素・第2の6と第2の5:不法入国と、約5年に及ぶ不法な在留期間。

結論を分けた一線はどこか

婚姻期間の短さを補ったのは、夫婦間に子があるという事実であったと読めます。同じ年の第11事例は、婚姻の翌年に出頭したものの子の記載がなく、許可は同じ日本人の配偶者等(1年)でした。子の有無で在留期間に差が出ていない点からすると、当時は婚姻の実体が認められれば1年の許可という処理が基本であったと考えられます。平成15年分に不許可事例の公表がないため、婚姻の実体が疑われた事案がどう扱われたのかは、この年の資料からは分かりません。

弁護士のコメント

2点を述べます。

第1に、婚姻期間が短い事案の立証です。期間の短さは、それだけでは決定的な不利ではありません。交際の開始から婚姻に至る経過、同居の開始時期と居住の状況、子の出生と養育の分担、生計の一体性を、時間の流れに沿って示す作業が中心になります。写真や通信の記録だけでなく、第三者による裏づけを添えるのが有効です。

第2に、現在との違いです。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)により申請手続が新設され(入管法50条1項)、考慮事情が法律上明示されました(同条5項)。当時は職権発動による恩恵的措置でした。加えて、不法在留期間の長期化が明示的な消極要素とされたのは令和6年改定です。当時許可されたことは、現在の同種事案の結論を保証しません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成15年分は許可26件のみが世に出され、不許可事例は示されていません。事例集は各年の抜粋にとどまり、許可の全部を網羅するものではありません。したがって、似た事情の許可例が見当たらないことは、許可の可能性がないことを意味しません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

不法就労助長罪に問われ強制退去の危機に至った女性の事案では、公表事例に不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を獲得し、在特の取得後もなお違反認定処分そのものの取消しを求める訴訟を係争中です。

特殊詐欺の受け子として複数回再逮捕された事案では、取調べへの徹底した対応と不当な取調べへの抗議により、全件不起訴処分を獲得しています。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

婚姻期間の短さは、経過の説明と第三者の裏づけで補える場合があります。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

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