舟渡国際法律事務所

平成15年・不法入国後に難民認定を受けた男性に在留特別許可|入国から短期間でも定住者1年が認められた事例(平成15年許可第9事例)

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平成15年・不法入国後に難民認定を受けた男性に在留特別許可|入国から短期間でも定住者1年が認められた事例(平成15年許可第9事例)

平成15年・不法入国後に難民認定を受けた男性に在留特別許可|入国から短期間でも定住者1年が認められた事例(平成15年許可第9事例)

2026/08/07

事例の概要

難民として保護されるべき事情がある場合、入国の態様が不法であっても結論は変わり得ます。法務省入国管理局が平成20年12月に公表した資料の、平成15年の在留特別許可26件のうち第9事例です。本人はアフリカ出身の22歳男性で、2003年に成田から不法入国しました。その後、難民の認定を申請し、難民として認定されています。結果は定住者(1年)です。入国から許可までの期間は短く、家族関係や刑事処分については事例集に記載がありません。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成15年の判断は、第一次ガイドライン策定(平成18年10月)より前のものです。当時は判断基準が公表されず、法務大臣の広範な裁量の下で個別に判断されていました。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)への当てはめです。

  • 積極要素・第2の7(2):本国情勢に照らした帰国困難。本件では認定そのものがされているため、この要素より強い事情が存在します。
  • 消極要素・第2の6:不法入国。もっとも、迫害から逃れて到達した者の入国態様をどう評価するかは、難民条約の趣旨に照らした検討を要します。
  • 消極要素・第2の5:不法在留期間。本件では入国から短期間にとどまります。

結論を分けた一線はどこか

結論を決めたのは、難民の認定という公的な判断がされたことに尽きると読めます。他の許可事例が、婚姻や子の監護養育、就学といった家族関係の積み上げによって天秤を傾けているのに対し、本件は入国から短い期間で許可に至っています。人道上の配慮が独立して働く場面であることが分かります。なお平成15年分は不許可事例が公表されていないため、認定に至らなかった申請者がどのように扱われたのかは、この年の資料からは読み取れません。

弁護士のコメント

2点を述べます。

第1に、難民認定手続と退去強制手続の関係です。両者は別の手続として並行しますが、認定申請の内容と、退去強制手続で述べる帰国困難の主張は、整合していなければなりません。違反調査から違反審査、口頭審理へと進む各段階で、本国情勢に関する客観資料と、本人の個別的な事情を示す資料を積み上げておく必要があります。

第2に、現行法の位置づけです。令和5年改正入管法(令和6年6月10日施行)は、難民の認定又は補完的保護対象者の認定を受けているときを、在留特別許可の要件の一つとして条文に明記しました(入管法50条1項)。同時に考慮事情も明示されています(同条5項)。当時は職権発動による恩恵的措置でしたから、当時許可されたことをもって今も同じ結論になるとは言えません。不法在留期間の長期化が明示的に消極要素とされたのも令和6年改定です。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

公表は平成15年の許可26件のみで、不許可事例は付されていません。事例集はどの年も抜粋にとどまり、その年の許可の全体像を示すものではありません。したがって、自分の事情に近い許可例が見当たらないことは、許可の可能性がないことを意味しません。当事務所は、公表事例では不許可が並ぶ不法就労助長の類型で在留特別許可を得ています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

観光目的で来日した相談者が日本人女性との間に子を授かったものの在留資格を失った事案では、婚姻・認知が未了で当局から一旦不受理とされたところ、憲法的観点から交渉して婚姻・認知を成立させ、国籍国発行の公的書類がほとんど存在しない状況下でも有利な資料を集め、1回の申請で在留特別許可を獲得しました。本国の公的書類が得られない事案での立証の工夫は、当事務所が積み重ねてきた領域です。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

人道上の配慮は、家族関係とは別に独立して働き得る要素です。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

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ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

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住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


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