舟渡国際法律事務所

平成16年・出国を試みた際に人身取引の被害が判明した女性に在留特別許可|帰国支援のための短期滞在90日(許可第20事例)

お問い合わせはこちら

平成16年・出国を試みた際に人身取引の被害が判明した女性に在留特別許可|帰国支援のための短期滞在90日(許可第20事例)

平成16年・出国を試みた際に人身取引の被害が判明した女性に在留特別許可|帰国支援のための短期滞在90日(許可第20事例)

2026/08/07

事例の概要

自ら逃れようとした過程で被害が明らかになった事案です。平成16年に在留特別許可をした28件のうちの第20事例で、本人は東南アジア出身の31歳女性。2004年に成田で寄港地上陸許可を受けた後、不法残留となりました。550万円の借金を負わされた名目で稼働を強いられていたとされ、そこから逃れて出国を試みた際に、人身取引の被害が判明しています。結果は「短期滞在(90日)」でした。

ガイドラインのどの評価要素に当たるか

平成16年当時は判断基準が公表されておらず、第一次ガイドラインの策定は平成18年10月です。以下は現行ガイドライン(令和6年3月改定)に置き直した整理です。

  • 積極要素・第2の7:人道上の配慮の必要性。被害者としての保護が中心にあります。
  • 現行法では、人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に在留する場合が、在留特別許可の対象として法律上明示されています(入管法50条1項)。当時は職権発動による恩恵的措置でした。
  • 消極要素・第2の6:不法残留。被害者性が認められる事案では、この評価は大きく変わります。
  • 第2の3(エ)の消極要素には当たりません。支配下に置かれた被害者と認められる事案は、自ら売春に関わった事例とは全く異なる評価を受けます。

結論を分けた一線はどこか

第3の判断手法の下でも、被害者としての事情は人道上の配慮として重く扱われます。本事例で許可されたのは「短期滞在(90日)」で、同じ平成16年の第23事例・第24事例・第26事例が「特定活動(3月)」であったのと比べると、保護の在り方に応じて許可の内容が選ばれていると読めます。帰国を前提とするか、本邦での保護を続けるかによって、与えられる在留資格が異なるという理解になります。平成16年分は不許可事例が公表されていないため、判断の限界を示す事例と読み比べることはできません。

弁護士のコメント

第1に、被害を申し出る経路です。本事例では、出国を試みた段階で被害が判明しています。より早い段階で被害を伝えられていれば、支配下からの離脱も保護もそれだけ早まった可能性があります。もっとも、支配下にある方が自ら申し出ることの困難さは軽視できません。

第2に、記録の残し方です。借金の名目や金額、稼働の指示、移動の管理といった事情は、後の判断で被害の構造を示す中心的な資料になります。通訳を含む体制を整え、本人の言葉が正確に残るようにすることが大切です。当時は職権発動による恩恵的措置であり、申請手続が新設された現在(令和5年改正入管法・令和6年6月10日施行、入管法50条1項。考慮事情は同条5項)と同じ結論になるとは言えません。

公表されていない事案でも許可はあり得ます

平成16年分の公表は許可28件のみで、不許可の側は示されていません。抜粋にとどまる資料ですから、掲載がないことを不利に読む理由はありません。当事務所が担当した不法就労助長の事案は、公表事例では不許可が並ぶ類型でありながら在留特別許可を得ており、許可後も違反認定処分の取消しを争っています。

当事務所のご案内

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区)は、中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護と入管手続を主たる注力分野とし、松村大介弁護士(第一東京弁護士会・登録番号59077・2019年登録)が担当します。

特殊詐欺の出し子とされた20代女性の事案では、指示役からの欺罔や脅迫的な状況、犯意の不存在などを総合的に主張し、不起訴処分を獲得しました。起訴前の段階で処分を止めることが、在留資格を守る最短の道になる場面があります。

海外のSNSでの侮辱被害について、日本の警察と国際刑事警察機構(インターポール)の捜査により刑事告訴が受理された事例を扱いました。国境を越える事案の窓口としても対応しています。

多くの罪名では執行猶予判決でも結果として退去強制となるため、当事務所は起訴前段階からの不起訴処分の獲得を最優先目標とします。松村弁護士が接見の初動から公判の結審まで全工程を直接担当します。外国人事件に精通した中国語専属通訳が常駐し、依頼者本人のために動く立場で対応します。刑事手続終了後の在留資格の更新・変更は、提携行政書士とワンストップで対応できます。

結語

被害を早い段階で伝えられる経路をどう確保するかが、この類型の要点です。本記事は一般的な解説であり、個別事案については弁護士に直接ご相談ください。過去の解決事例は個別の事情に基づくものであり、同様の結果を保証するものではございません。

本記事は2026年8月時点の情報です。

執筆者

松村 大介(まつむら だいすけ)/弁護士

第一東京弁護士会所属(登録番号:59077/2019年登録)

舟渡国際法律事務所(東京都豊島区高田三丁目4番10号 布施ビル本館3階)

中国籍の依頼者を中心とする外国人刑事弁護・入管手続を主たる注力分野とする。

舟渡国際法律事務所

ウェブサイト:https://matsumura-lawoffice.jp/

微信ID:matsumura1119

----------------------------------------------------------------------
舟渡国際法律事務所
住所 : 東京都豊島区高田3丁目4-10布施ビル本館3階
電話番号 :050-7587-4639


東京にて中国人の方をサポート

東京を中心に刑事事件の弁護

----------------------------------------------------------------------

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。